◆犬の散歩◆

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番号持ち運び制度開始

2006年10月24日 17時07分53秒 | 政治・世相・スポーツ等
携帯電話のナンバーポータビリティが始まった。

各社宣伝はしているけど、ドコモとauはそれほど必死さは感じられない。まあ、それほど利用が進まないであろうことは各国のデータからわかってることだ。

理由としては、まず手続きが面倒かつ明瞭でないこと。番号以外の多くの部分が引き継げないこと。メルアドの通知サービスがあるんだろうけど、そんなの番号だって「この番号は○○番にかわりました」というアナウンスをしてくれるサービスは今でもあるんだから、昔の番号を使うことの利点は、その番号が気に入ってることくらいのものだろう。

そして、なにより重要なのは各社サービスと料金が横並びで、そこまでして乗り換える利点が見あたらないことだろう。とくにドコモは料金体系が他社と違って夜間や深夜の安さが飛び抜けていたのに、新プランで他社と同じく一律料金にしてしまったことで、まさに横並びだ。プランによって数百円の差はあるものの、たいてい同じと思っていい。
とはいえauは音楽配信に力をいれつつあるし、GPSなどの特徴がある。ソフトバンクは指定先通話料無料オプションがある。ドコモはまあ、そういう特徴が薄いけど必要なサービスはあとからやってくる。たとえば繰り越しとか。あ、903にはGPSが標準だったな。

初めて携帯を選ぶというのなら、そういった独自色をもとに決めてもいいけど、何年も使っているのに会社を乗り換えるってのは相当の覚悟が必要であって、その覚悟の前には番号が変わるくらいどうってことないのだ。つまり変える気があるならとっくに変えてるだろうと。ナンバーポータビリティはそれほどの起爆剤にはならないだろうと。
まあでも、ちょっとは動くだろう。全体の数%程度。そして一番ユーザーが減るのはドコモで間違いない。同じ5%のユーザーが流れるにしても、6割程度のシェアを持つドコモは、残りの2社から流れるより多くの顧客を失うことになる。分母の大きさというのはこういうときに損するのだけど、だからといって全体のシェアに影響するほどの移動はないだろう。100万や200万が移動したところで、5千万以上の契約者数からみれば微々たるものだ。
各社の新機種が出てるが、毎年この時期に発表になるのだし、これを睨んでのものとはあまり思えない。事前のアンケートでも利用したいという意見は1割程度であり、直前アンケートだとさらに減っているようだ。これは私も前から思っていた通りだ。


で、その前日にソフトバンクがすごい発表をした・・・という報道があったのだけど、見てみるといまいち怪しい。というか別に凄くない。
予想外割というのがあって、同社内通話メール無料というのだけど、それが適用されるゴールドプランとかいうのは、新スーパーボーナスに加入しなきゃいけないという。しかもその新スーパーボーナスの内容は現時点で秘密。なんだよそれwこの段階で発表しなかったら、今日から開始なのに変えたいと思ってる人が決めあぐねてしまうじゃんwww
同社内無料っていわれても、周りにボーダフォンの人いないしなぁ・・・。これはエッジの通話無料プランも似たようなもんだ。

しかしソフトバンクも大変だ。Jフォン時代はau(セルラー+IDO)と同等のシェアを持っていたのに、ボーダフォンなんかに買われてしまってからシェアが落ちる一方。シェアだけじゃなくて契約者数の純減も起きたし、純増しているときも多くがプリペイドという状態だ。そもそも英ボーダフォンは日本ローミング先が作りたくてJフォンを買い取ったのだから、3G網が整備されてしまったらもういらないのだろう。
ユーザを減らさないようにするつもりがあったのかなかったのか分からないが、社長の10の約束を半年足らずで反故にしてしまった件は、やっぱり英国人は嘘つきばかりだと、中東問題の発端を作っただけのことはあると思ってしまう(笑)
2年縛りという無茶なハッピーボーナスと、ハッピータイムの廃止、それにまつわるハッピーボーナス解除問題と、ユーザーの心がドン引きになるようなことのくりかえし。ハッピータイムで釣ってハッピーボーナスで縛り、ハッピータイムだけを廃止するってのはどこの悪徳商人かと言いたくなるわwそれで市場をかき回して撤退と、ある意味素晴らしい連中だった。

そして極めつけのスーパーボーナス。普通は端末の値段はキャリアの出す販売報奨金でもって値引きされているんだけど、これは基本は原価販売、2年の分割払いになり、スーパーボーナスに加入することでその月の支払いを免除するというもの。まあ実質的に報奨金制度と変わらないんだけど、問題はその途中で解約したら残りの支払いを要求されるってこと。他社で1万とか2万とかの携帯を買っても、すぐに解約したって問題はないのに、スーパーボーナスだと4万とか5万とかの支払いを求められる。契約上は問題はないが、これって報奨金のリスクをユーザーに押しつけてるだけで、ユーザー側になんの利点もない。だったらよその安い携帯を買えばすむ問題だ。誰がスーパーボーナスに加入するのだろう。(答:目先の利益しか見えない人か、内容をよく説明されずに買う人)


それと問題は、2年の間機種変更出来ないと言うことだ。機種変更することでもまた残りの端末代を請求されてしまう。半年ごとに新機種がでて、1年ごとに新サービスが始まるこのご時世に2年も端末を使い続けなければならないなんて、逆にユーザーを縛り、新サービスが発展しないだろう。素晴らしいサービスが始まってもそれを利用するための端末を買えないのだから。
日本独自のこの販売報奨金制度だが、キャリアが端末購入代を面倒見て、通信量等で回収するからこそ、新しい端末がどんどん出て、どんどん買い換えていくことで新しいサービスが出て、それが普及する。この爆発的な携帯の普及にはこの制度がうまく機能しているからだといえる。解約されて本体を取られたら困ると言う人もいるが、その端末を誰かに売ったとして、その端末を買った人はそのキャリアに持ち込んで契約しなければ役に立たないのだ。結局は契約数は減ってないことになる。つまり即解約が経営を圧迫するほどのものではないのだ。年割の解除料や契約事務手数料が入ることを考えると、そこまで即解約に怯えることはないのだ。

ドコモは2年以上同じ端末を使うと、機種変更時に5000円割り引くというサービスをしている。また、ドコモクラブにはいると2年使ったらその機種の電池をプレゼントしてくれる制度もある。さすがに2年も使うと電池がバカになるのだから、新しい電池にしてもっと使ってくれと、そういうことだろう。ドコモは10ヶ月から機種変更の優遇がうけられるが、2年使い続けた人にはさらにプレゼントを与えるというほうが、よりユーザーのための施策であるという印象が強いだろう。それにくらべてボーダフォンの施策は、ユーザを縛る、押しつけるもので本当に印象が悪い。ドコモを嫌う人の意見が目立つこともあるが、よく見てみるとドコモのほうが自然なサービスをしているのがわかる。


そしてボーダフォンはソフトバンクに売却された。ソフトバンクはテレコムも買い取ったみたいだけど、だったらボーダが買い取る前にテレコムごとJフォンも買い取ればよかったのにと思う。
孫さんはADSLの時のようなつもりでわくわくしてるとか言ってるけど、あのときはブロードバンド自体がまだそれほど普及してなく、価格破壊によってシェアを伸ばせたのだろうけど、携帯はもう飽和状態になっていて、少ないパイの奪い合いというので状況がその時と違う。同じつもりでうまくいくとは思えない。

今度の新スーパーボーナスがどんな施策かわからないが、無茶な縛りや割賦契約であったなら、同じようにはシェアは獲得できない。損を見越して最新端末をタダで配るくらいでないと、シェアを増やすのは難しいだろう。しかしそれは現行スーパーボーナスと矛盾する。会社の身売りだけでもユーザは混乱するのに、意味不明のサービスがポコポコ出てきては消えてを繰り返していると、面倒だからソフトバンクはいいやって思われてしまう。だからこそ、新スーパーボーナスの内容がソフトバンクの明暗を分けるといっても過言ではないのである。

ま、個人的には、乗り換える気は全くないし、ソフトバンクがばかみたいに安くしてくれたり、斬新なサービスを始めたら、ドコモがそのうちマネしてくれるので、もっとドコモの尻を叩いて欲しいと思う。つまり、孫さん頑張れ!ってところです。

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