◆犬の散歩◆

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ライブドアショックと証券業界の危うさ

2006年01月19日 12時37分09秒 | 政治・世相・スポーツ等
私は先日のブログで、今回の件は株価に影響があって、それはライブドアのような会社にとって致命的であると語ったけど、実際にストップ安、しかも暫く取引停止というほどの事態になっている。一夜にして関連企業の価値は数千億も下落したとも言われている。

実際にまだ犯罪が確定したわけでも、本業でとんでもない失敗をしたわけでもない。でもまあ、こういう悪評が株価に響くのは当然だけども、知名度のみで株価を維持していたからこそ、そのうけるダメージは通常より大きかったということだろう。

しかしよくわからないのが、関係ない他のIT関連企業も売られているというのだ。なんで?別に関係ないじゃん。ライブドアがもし違法行為をやって潰れたって、他の会社がなんか悪いことに関与していたわけでもなし、なんであわてて売る必要があるのだろう?まあ、IT関連企業自体に不信感を覚えたとか、バブル気分に水を差されたとか、このまま株を持っていたら怖いみたいな思いこみもあったんだろうけど、こういうのを見ると、投資家ってバカばっかだなと思う。

そもそも株っていうのは、その企業の業績を見て、これは伸びると思えば株を買い、その会社が収益を上げたら配当を貰って儲けるためにあるものだ。もちろん株価が値上がりすることを期待して高く売り抜けるために買うこともあるけど、株価の上下はその会社がどういう事業をしているか、儲かるのか、スキャンダルはないかで決まるものだ。なのに、その業種の他の企業のスキャンダルで、なぜ他の会社のことが不安になって株を売りに走るのか。世相で株価が動きやすいなどということはあるが、ここまであからさまだと、投資家っていう人種は、よっぽどの腰抜けというか、恐がりというか、悲観主義者なのだと思う。
そういう人たちを煽って騙して株を買わせることでのみ成長する会社の危うさというのは、今更ながらどういうものかと思う。

実際は、ライブドア株に資産価値がなくなって、それを担保に信用取引をしていた人たちが現金が必要になったから、他に持っていたIT関連株を売ったからだなどとも言われているが、それにしても同じ業種ばかりの株に投資するのもどうかしている。リスク分散ということを知らないのだろうか。
まあ、今日の動きは、昨日値下がりをした分で買い戻す動きが出て、一応反発はしてるようだけど、昨日の市場の混乱ぶりはまさに投資家の小心さが現れたことだと思った。


それよりもっと信じられないのが、東証の処理能力である。あまりに注文が殺到してしまったので、処理能力を超えて落ちる前に取引自体を前面停止してしまった。想定外の注文があったからというが、たかだか普段の数割増という程度だ。そのくらいで落ちるようなシステムを運営していたというのが信じられない。去年の年末あたりに立て続けにシステム上の不備があり、問題が起きているというのに、とっとと増強すりゃいいじゃないか。そんなにサーバ増強とか安定運営というのは難しいのだろうか。そんなことはない、「想定外」という「想定」があまりに低い想定だっただけのことだ。

よく年末年始は電話がかかりづらかったりする。しかし、それはたいした用事でもないのに普段の何倍もの通話が集中するからだ。これをなくするための回線増強というのは、全くどうでもいい年賀挨拶のためだけのもので、一年のうち大部分は遊んでいる機材への投資ということになる。これには全く意味がないので、わざわざ年末の繋がりにくさを直すべきだという議論にはならない。
でも、なんらかの事件があり、注文が集中するなんてことは十分想定できることだ。なにもいきなり100倍とかになったわけでもない。システムがダウンするだけで何百億もの損失を出す場合もあるし、そもそもそういう異常時にこそ、きちんと運営されるべきところなのに、あまりに危機意識がなってない。普段の100倍でも落ちたらいけない、ライフラインと同等のものだということが分かってないのだろう。そんな危ういものの上でこの日本の経済は成り立っているのかと思うと、寒気がする。


さて、その問題のライブドア問題そのものだけども、私はちょっと彼らを過大評価してたのかもしれない。個々の手法については合法で、全体として脱法的とか、ずるいということで嫌がらせで捜索されたのだと思っていたけど、まあそういう一面もあるんだろうけど、どうやら粉飾決済の疑惑も出てきたようだ。場合によってはそれに纏わるインサイダー取引の疑惑もあるようで・・・。
それを示す内部資料がなぜかマスコミにリークされているところからみて、どうやら内部に告発者がいるように思える。そうなると、普通は出てこない埃がどんどん出てくる可能性もある。ともかく、本当にダークなことをして成長してきたのだとすると、なんか萎えてしまう。

マスコミも、今までは新時代の寵児みたいな扱いだったのが、株価をつり上げるだけで実像のない企業で、堀江錬金術の終焉のような、いかにも馬脚を現した悪人のような扱いをしている。これはまあ、みんながいつも思ってたことだからいいとしても、その扱いの変わりようもおかしなものだ。とくにフジが楽しそうに見えるのは気のせいだろうかw

それらの違法行為にホリエモンが関与していたのかどうか、それはわからないが、ここまできたら今までのようなやりかたで会社を太らせることは出来ないだろう。まあ、どうでもいいけど、ホリエモンはもうちょっとなんかをやると思ってたので、ここで終わるのはちょっと残念ではある。

と、投稿しようと思ったら、ライブドアの元幹部で証券会社副社長という人が自殺したというニュースが。腹部と首に切り傷がってオイ、自殺なら普通は首をくくるか薬を飲むだろう。刃物で自殺なんて不自然じゃないかい。しかも自分で切腹して介錯ですか。なんかね、誰が見ても消されたと思うわけだけど、どうなんでしょうか。

この問題、オウム事件なみに広がりを見せるような予感がしてきました!
はたしてホリエモンは消されるのでしょうか。

小嶋社長の証人喚問について

2006年01月19日 12時30分11秒 | 政治・世相・スポーツ等

ちゃんと中継を見たけど、はっきりいって見た価値はなかった。ニュースで流れる部分だけ見ても何にも問題はなかった。
一番期待していたのは、偽証罪を顧みず、また自分の立場を顧みず、参考人招致のときのように自分勝手な論を展開し、質問議員を罵倒するような、オジャマモン・ワンマンショーだったわけだけど、姉歯氏よりもかしこまった、憔悴したというか、神妙な面持ちで淡々と答えていた。これだけでこちらのテンション檄下がり。

あとは疑惑の解明になるわけだけど、こりゃもう、お話にならないの一言。「訴追のおそれがあるから」といって何一つ答えやしない。つーかあんた、自分から喚問だろうがなんだろうが上等だと、何でも喋るって言ってたじゃないか。議員にも言われてたけど、「あんた、何しに来たの」って感じですよ。

そもそも証言の拒否ってのは、証言者を有利にするためにあるんじゃないんだよね。憲法にある「何人も不利な証言を強要されない」、というのは、拷問を前提に定まってるもので、はっきりいって、拷問などがほとんどあり得ない現状において、この黙秘権については一部制限してもいいと思う。とくに国会の喚問においては、そもそもそいつが何らかの犯罪に関与しているからこそ呼ばれる可能性もあるのだから、関与してたら全て拒否出来てしまうようでは呼ぶ意味が全くない。
証言を拒否できるのは「質問に関連のない、別の事件の訴追」の可能性がある場合だけにするべきだ。いやむしろ、国会の喚問に限っては、拒否権は無くしてもいいくらいだ。早急に立法してもらいたいものだ。

で、今までカメラの前で語っていたこと以下の発言しか引き出せなかった。手には数珠を持ち、終わった後の会見でもしおらしいことを言っていた。もし自分が訴追されたら賠償などが滞る可能性があるから仕方がないという。そんなもんは言い訳だ。訴追されたって賠償くらいは残った人が出来る。単に自分の身がかわいいだけのことだ。儲けをはき出すことは厭わなくても、刑務所に行くのがイヤなだけだ。自分らの責任だけではなく、国家賠償を求めるなど、もともと信頼できるような人物には見えないが、言動のどれにも嫌気がさす。

一番確定している犯罪疑惑、偽装を知ってからその物件を売り渡したことについて、その事実は認めたものの、違法性があるとは考えていなかったという。そんな言い訳は通らない。誰がどう見ても詐欺であり、宅建法違反である。もし彼がそれらの法律を知らないとしても、法律を知らないことは犯罪の故意がないことにはならない。つまり、そんな言い訳しようと関係なく、訴追が可能だということだ。だとすれば、彼はこの返答すら拒否することが出来たわけだが、答えたということは本当に理解していないのか。

国会で違法性の故意を認めると、確かに実際の訴追は早くなるかもしれない。しかし、認めようと認めまいと、明らかになっている事実からその犯罪を実証出来てしまうのだから、心証のためにも事実は適時認めていくほうがいいに決まっている。実際の所、もう小嶋社長に逃げ道はないのだ。
それに、「訴追の可能性があるから証言を拒否する」というということは、小嶋社長の中に、その質問者が質問した、小嶋社長本人に関することで、質問者が期待した通りの理解があるということだ。なにしろ、そうだったら違法行為だという含みを持たせて質問していて、答えられないということは、違法行為をしたと答えるしかない、それを言うと捕まるからイヤだということだ。

つまり、彼が証言を拒むということは、「まさか違法行為をしたとは言えないので、答えません」という意味だ。これはもう、黙して犯罪の事実を語ったのと同じことだ。そのへんをもっとはっきりと小嶋社長にぶつけるべきだった。

「これに答えられないってことは、あんた違法なことをした理解があったんですね」と。
それで彼がどういう顔をするのか、それが見れるだけでも喚問に価値はあったはずだ。
なぜこういう言い方をする質問者がいなかったのかが疑問である。


さて、次に喚問すべきは総研の会長や四カ所氏であろう。彼らがなんらかの指示を出していたというのは明らかになっているのだ。参考人招致からなどとぬるいことをせずに、とっとと証人喚問をしてしまえばいい。国民の前で認めて謝罪出来ないなら、容赦なく逮捕してしまうべきだ。このまま泳がせておいてなんの利点があるのかわからない。一連の偽造の指示を出していた黒幕は誰なのか。逮捕してガンガン尋問してやればいい。少なくとも、姉歯1人で出来る問題ではないし、その利点もまったくないのは事実なのだから。