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皇室典範改正議論と小泉発言

2006年01月30日 02時29分38秒 | 政治・世相・スポーツ等

皇室典範改正が議論されている。なぜかというと、天皇家に男子が産まれないからだ。次の天皇は皇太子殿下に確定しているとはいえ、その次はどうなるのか。全く見通しが立っていない。
このままでは天皇家の跡取りがないことになってしまう。それは大変困るというので、もしこのまま皇太子殿下にも秋篠宮様にも男子が産まれなかったときのために、別の方法で次の世代の天皇を選ぶ必要性が出てきた。

そこでまず、女性天皇を認めるかどうかという議論がある。
これに反対する人はそうはいないと思う。なにしろ推古天皇を始め、女性の天皇は過去にも数人いたからだ。
となると、皇太子殿下の娘である愛子様が天皇になるということになる。これは別にかまわないことだ。が、問題なのは、その愛子様の子供が天皇になるのかどうかということだ。
私は、その場合、愛子様の子に継承権を持たせてはいけないと考える。つまり、女性天皇はOKでも、女系天皇は断固として反対だ。

これについて議論があるにもかかわらず、小泉首相は断固として女性女系天皇を推進する方向で、自分の任期中に皇室典範改正法案を通す気でいるようだ。そして、その問題について質問されてこう答えたらしい。

「愛子様が天皇になられたとして、そのお子様がたとえ男子でも天皇になれないということだ、それを分かって反対しているのか」
ええ、分かった上で断固反対しているんです!!
天皇家は男系で継承してきているのです。これだけはどうしても譲るわけにはいきません。




別に女性の天皇だからって、天皇の子が継承権第一位のはずではないか、と思う人もいるかもしれないが、問題はそう単純ではない。
まず、簡単な問題として、継承権の順番を生まれた順にするのか、男子優先にするのかという点。まあ、男子優先でいいとは思うけど、女性でも良くなるのなら別に男子優先にどれだけ意味が出てくるのか、という議論がある。

それと一番大事な点。男系の血統が失われてしまうという点。
有史以来、男系で脈々と継承されてきたのが天皇家である。この伝統を、いくら直系の男子が産まれないからというだけの理由で無くするのは誠に勿体ない。
若い人には天皇制に反対だの、別にいてもいなくてもいいだのという意見を持つ人もいるのだろうとは思う。しかし、これはもう、そういうことより別に「勿体ない」ことである。
全世界にも、これだけの長くの間、神話の世代から繋がった家系を持つ王など存在しない。天皇というと日本の反日教育によって良くない印象を持っている人もいるかもしれないが、世界でも天皇は儀礼上ものすごい高い地位を持っている。他の国の(象徴としての)国王など比ではない。ローマ法王にも匹敵する儀礼上の地位を持っているのだ。他の国の元首が天皇と会見する場合、それほどの対応をとるのだ。

別に男系だろうと女系だろうと関係ないという人もいるかもしれない。それにはY染色体が受け継がれてるかどうかが問題だという人もいるかもしれない。そんなことはどうでもいい。「そういう伝統だから」「それを2000年近くも守ってきたから」意味があるのだ。女系をそれだけ守っていたらそれはそれですごいことだ。

血統、一族の意味として、男系を守ることにこだわらないとする。そうすると「一族」の定義が曖昧で、血が繋がらなくても一族になることも可能になってしまう。母方の祖母の旦那(他の家系)の・・・とさかのぼっていくと、とんでもない数の子孫が一族になってしまう。天皇家がそういう感覚で続いていったとして、誰がそれを尊重し、敬うというのだろうか。たとえ第二次大戦の悪印象があるにしても、世界中で天皇がそれだけ尊重されるのは、それだけ類を見ないほどの厳格に血統を受け継いで来ているからだ。そして、そういう大層な象徴を持つことで、日本はそれなりに格を得ているという事実を忘れてはいけない。

もしここで女系を一回でも挟んでしまうと、そこで神話の時代から続いていた血統は途絶えてしまう。また別の王朝が始まるようなものだ。愛子様の子は絶対に天皇にはなれない。もしなったら、それはもう、天皇ではない。誰が血統のない形だけの天皇を尊重するというのだろうか。そういうことを分かって小泉首相は女系を容認しようというのだろうか?


日本人として、世界に誇る伝統を持つ血統を断絶させてはならない。天皇の権限を全てなくしたとしても、女性天皇を容認したとしても、男系だけは断固として維持すべきだ。きちんとその理由を説明して、別に女系でもいいじゃんと言う人は、よっぽど日本が嫌いな方面の人だろうと思う。

では、実際に男子が産まれないこの状況をどうすべきか?
皇太子殿下が雅子様と離婚して、別の若い女性と結婚するか?もしくは、側室を設けるか?もちろん、それらも方法の一つではある。が、もっと簡単な方法もある。
それが、一部で言われている「旧宮家の復帰」というものだ。戦後すぐに皇族から離れた旧皇族がいる。彼らは明治天皇の孫やひ孫であり、当然のことながら男系男子も多数いる。彼らが皇族に復帰すれば、次の次の天皇を彼らから選ぶことが可能になる。
もし、一般人として生活していた人を突然天皇にしたくないというのなら、彼らの次の世代、これから生まれる子についてから、皇族復帰ということも出来る。
この方法ならば、血統も守られるし、継承権の順番に、歴代天皇の男系男子の子孫という一文を最後に加えるだけでいい。別段奇妙なことをしなくても済むし、一番自然な解決法だと思われる。

ウルトラCとしては、その旧皇族の男子と愛子様が結婚するというのがあるが、そうはうまくいかないだろうが、実現すれば一番丸く収まる方法ではある。。


ともかく、小泉首相よ、自分の強権を発動するのは気持ちいいのかもしれないが、今一度天皇とはなにかを勉強してから発言してほしいものだ。女系天皇容認は、国益にそぐわないことを理解したうえで言ってくれ。