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平和な人権が尊重される社会を目指し、マスゴミに替わって不正、腐敗した社会を追求したい。

加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」

2018-07-13 11:32:08 | 杉並からの情報発信


加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」

亡くなった俳優の加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」!生前繰り返し語った戦争への危機感と憲法への思い

2018.07.11 Litera

http://lite-ra.com/2018/07/post-4118.html

加藤の出演した『この子を残して』(DVD版)

今月9日、俳優の加藤剛氏が亡くなっていたことがわかった。80歳だった。

加藤剛氏といえば、30年近くにわたって続いた『大岡越前』(TBS)での大岡忠相役が印象的だが、もうひとつ知られている側面が、戦争を知る世代として、「俳優」の仕事を通して、平和への思いを伝え続けてきた姿だ。

 加藤氏は1962年にテレビドラマ版『人間の條件』(TBS)で本格的なデビューをしている。『人間の條件』では、第二次世界大戦中の満州を舞台に、激化する戦争のなかにおいても、自らの正義を貫き通す役を演じた。デビュー作が『人間の條件』であったということは、加藤氏の俳優としてのキャリアの方向性を決定づけたようだ。2015年4月12日付しんぶん赤旗日曜版で彼はこのように語っている。

「「人間の條件」で、平和な世の中をつくり、戦争に反対することが、僕の俳優という仕事の基本になりました。以来、どの作品に出ても、平和のために自分は何ができるかと考えてきました」

その後、加藤氏は『大岡越前』や、映画『砂の器』といった作品をヒットに導く一方で、「戦争」を題材にした作品にも多く出演している。木下恵介監督作品『この子を残して』では長崎で原爆により被爆した放射線医学の永井隆博士を演じ、また、舞台『コルチャック先生』ではユダヤ人孤児院の院長でナチスの弾圧のもとガス室におくられたヤヌシュ・コルチャックを演じた。2014年の読売新聞のインタビューでも、「僕は戦争反対の一心で俳優を続けてきましたから、観客の心に平和への思い、弱い人への思いやりをこれからも与え続けられるよう、仕事を続けたい」(読売新聞2014年6月9日夕刊)と語り、その俳優人生をかけて戦争反対の思いを貫いてきたことを明かしている。

加藤氏のこうした反戦への強い思いは、加藤氏自身の生い立ちと無縁ではないだろう。
加藤氏は1938年に静岡で生まれた。東京方面に向かうB29から焼夷弾が落とされることも珍しくない環境で育つ。加藤氏はこの戦争で身内を二人も亡くしている。

ひとりは、実の兄のように慕っていた義兄。軍医だった義兄は北マリアナ諸島のテニアン島で頭部を撃たれて即死した。また、二番目の姉は結核を患っており、戦後の厳しい食糧難と物資不足のなかでまともな医療を受けられなかったことが災いして亡くなってしまった。まだ28歳の若さだった。

そんな加藤氏にとって、近年の日本の状況は看過できるものではなかった。特に、第二次安倍晋三政権以降の動きには、直接的な表現を用いて痛罵している。

「今の政権は、憲法違反の政権です。アメリカの戦争に協力するため、勝手に憲法の解釈を変えて、戦争法を通してしまった。
 安倍首相は、「国民に理解されていないから反対されている」などと言いますが、私たちは戦争への道を開くことになる法律だとよく理解しているから反対しているんです」(2015年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

戦争が終わったことで、「もう枕元に防空頭巾を置いて寝なくていいんだ」(15年4月12日付しんぶん赤旗日曜版)と心からの安堵を抱いた経験をもつ世代として、日本国憲法、特に9条は何ものにも代え難い希望だった。加藤氏は日本国憲法を「戦争で命を奪われた人たちの夢の形見」とまで呼んでいる。

「私は、憲法は、戦争で命を奪われた人たちの夢の形見だと思っています。多くの犠牲の上に、今の平和な世の中がある。だから私たちには、子どもたちのために憲法を守る使命があると思います」(15年11月29日付しんぶん赤旗日曜版)

しかし、その憲法がいま危うい立場に追いやられようとしている。この国は過去の教訓を忘れ、再び「戦争ができる国」へ戻る方向へ舵を切りつつある。その先にあるのは、70年以上前に体験し、二度と繰り返さないと誓ったはずの悲劇の再来だ。

加藤剛、桂歌丸が生前語った戦争への危機感「戦争を知らない人が、国を動かしている」
今月2日に亡くなった落語家の桂歌丸は、17年8月5日放送『報道特集』(TBS)で、戦争を知らない世代の政治家たちがまともな勉強もせず、安易な気持ちで戦争に関わる法整備へ踏み出すことを、「戦争を知らない政治家が戦争に触れるなと言いたくなるんです。戦争を知らなかったら、戦争をもっと研究しろって言うんです。戦争っていうのは良い物なのか悪い物なのか、この判断をきっちりとしろって言いたくなるんです。それをただ上辺だけで話しているからおかしくなっちゃうんです」と痛罵していた。同じことを加藤氏も語っている。
「国を動かしている人たちが、なぜそんな世の中にしたいのか、戦争を体験した僕にはまったく理解できません。本当の戦争というものを知らないからでしょうか」(15年4月12日付しんぶん赤旗日曜版)

戦争を知る世代が最期に残した「平和」への思いを、私たちはしっかりと受け止めなければいけない。

(編集部)






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三選の狙いは国家改造 この政権では「防災」は二の次だ

2018-07-13 10:21:28 | 杉並からの情報発信

三選の狙いは国家改造 この政権では「防災」は二の次だ

2018年7月12日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/233187

市民生活への影響が長期化するのは避けられない見通しだ。広島や岡山など西日本を中心に175人もの死者を出した「平成30年7月豪雨」。自衛隊や警察、消防などは、11日も、気温30度を超える酷暑の中、80人近くに上る行方不明者の捜索活動を行った

被災した多くの自治体では、河川近くにあった水道施設が被害を受けたために断水が続き、いまだに復旧のメドが立たない状況。記録的な豪雨によって地盤が緩んでいる場所も少なくなく、引き続き土砂災害や河川の氾濫といった二次災害に対する警戒が欠かせないという。厳しい避難生活を余儀なくされる被災者の負担を思うと、やり切れないが、それにしても酷いのが未曽有の豪雨災害に対して明らかに後手後手に回っている政府のデタラメ対応だろう。

「非常に激しい雨が断続的に数日間降り続き、記録的な大雨となる恐れがある」。経緯を振り返ると、気象庁が異例の緊急会見を開いて豪雨への警戒を呼びかけたのは5日の午後2時。これを受け、2週間余り前に最大震度6弱を観測した「大阪北部地震」の直撃を受けた大阪や京都、兵庫では、大雨による土砂災害を懸念して計約16万人に避難勧告が出された。

さらに気象庁は翌6~7日に「数十年に一度レベルの非常事態」として、大雨特別警報を発令したのだが、安倍首相が関係閣僚会議を開いたのは、メディアで〈中国地方で多数の行方不明者が出ている〉などと報じられ始めた7日午前。政府が「非常災害対策本部」を設置したのは、気象庁の緊急会見から60時間以上も経った8日だ。

■初動対応に批判が出た韓国「セウォル号沈没事故」より酷い
官邸で開かれた対策本部の初会合で、安倍は「救命救助、避難は時間との戦い」なんてもっともらしく言っていたが、それならなぜ、もっと早く対策本部を立ち上げなかったのか。政府が主導し、各自治体が住民避難やライフラインの確保を強く呼び掛けていれば、少なくとも今より被害は抑えられていたはずだ。

 中四国地方を豪雨が襲った5~8日の首相動静を確認すると、安倍が公邸に宿泊したのは1日だけで、あとは都内の自宅でノホホンと過ごしていたから、危機意識ゼロ。2014年4月に韓国南西部の珍島沖で起きた「旅客船セウォル号沈没事故」では、救助活動の初動対応の遅れが問題視され、当時の朴槿恵大統領の「空白の7時間」に批判が殺到したが、今回の豪雨災害に対する安倍の鈍くささはそれ以上と言っていい。多数の死者、行方不明者が明らかになり、ようやく「平成最悪の豪雨災害」に気付いた安倍は、慌てて欧州や中東など4カ国の外遊中止を決定。11日は岡山・倉敷市の避難所を訪問して被災者の手を握り、「体に気を付けて」なんて声を掛けていたが、初動対応の遅れに対する世論批判をかわすためのパフォーマンスだったのは明々白々だ。

政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。

「現地視察で初動対応の遅れを謝罪するどころか、開き直りの態度を見せてふんぞり返っている。全く理解に苦しみます。被災者に寄り添う姿勢を見せながら、一方ではカジノ法や参院定数増などの国会審議を強引に継続し、好き勝手やっている。これほど悪辣な政府、与党はありません」

被災者もはらわたが煮えくり返っているに違いない。

麻原死刑囚を信じたオウム信者と安倍政権の支持者の思想は共通する

〈災害から国民の生命と財産を守るため、これまでの災害から得た貴重な経験、教訓をしっかりと踏まえて、防災対策を不断に見直していくことが重要〉〈災害に際し、一人でも多くの人が被害から免れ生命が救われるよう、私が先頭に立って、ソフトとハードの対策を適切に組み合わせた総合的な防災対策に政府一丸となって取り組んでまいりたい〉

昨年1月の衆院予算委。近年、日本各地で多発している大地震や豪雨災害に対する政府の姿勢を問われた安倍はこう答弁していたが、今回の対応を見る限り、この言葉が詭弁、大ウソだったことがハッキリした。

仮に政府一丸となって防災対策に取り組んでいたのであれば、気象庁が異例の豪雨警報を出した当日夜に、首相出席の宴席が開かれることはなかっただろうし、国交相が「(河川氾濫は)ニュースで知った」なんて仰天発言するハズはない。今の国会審議もいったんストップさせて復旧、支援に取り組むのがスジだが、そんな話は一切ない。要するに安倍政権の「防災・減災」なんて口先だけで、本気で取り組む気はサラサラないのだ。

そもそもこの5年半、安倍が「先頭に立って」やってきたことといえば、特定秘密保護法の強行成立から始まり、武器輸出を認める「防衛装備移転3原則」の閣議決定や、集団的自衛権の行使容認など、米国と一緒に戦争するための国家改造だ。そのための手段として北朝鮮の脅威を煽り、防衛予算の拡大に血道を上げてきた。

6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針2018」では、「防衛力を大幅に強化する」と明記され、慢性的な赤字財政でも防衛費だけは特別扱いする方針が示された。防衛費(当初予算)は第2次安倍政権発足後の13年度から6年連続で増加。今年度は約4兆9388億円で、来年度は概算要求で過去最大の5兆円超になる見通しだ。

これに対し、急場の措置とはいうものの、安倍政権が「平成30年7月豪雨」の被災地支援のために支出を決めた金額はたった20億円。「武器」と「防災」のどちらを重視しているのかは一目瞭然ではないか。

■国民の生命、財産よりも軍拡優先の安倍政権はナチスと同じ

〈権力の座に就こうとする、あるいは一部就いた右翼やポピュリストたちは、民衆の不安や憎悪を煽り立てます。かつてのナチスで言えば、ユダヤ人がドイツ民族の脅威だと喧伝した〉〈ワイマール共和国からナチスへと移行した事実が示すように、民主主義から独裁への流れは皆知っているはずですが、今はその危険な流れへの過渡期にある気がします。小さな手順が踏まれていき、その先に何があるかを考える必要がある。私たちが権力をコントロールするという、民主主義本来の姿を取り返さないといけない〉〈あれよあれよという間に独裁体制が築かれ、気付いた時には誰も反対の声をあげられなかった。だからこそ立ち上がる時が大切なのです〉

月刊誌「世界」(岩波書店)の8月号。映画「ゲッベルスと私」の監督らが、ナチスと共通する現代の右傾化の要素について答えていたが、これは今の安倍政権の姿にも当てはまる。何せ国民の生命や財産よりも軍拡最優先なのだ。

戦前の日本も「国難だ」「非常時だ」という大義名分で陸海軍予算を肥大化させた揚げ句、軍事力の過信から自滅的な戦争を始めた。安倍が9月の党総裁選で3選したら、今以上に日本のナチ化が進むだろう。

戦前思想を復活させるために教育現場に不当介入し、原発もどんどん再稼働させる。それこそ、やりたい放題になるのだ。政治評論家の森田実氏がこう言う。

「頭の中にあるのは国民の生命、財産ではなく自分が3選することだけ。安倍首相という男は一体、何のために政治家になったのでしょうか。中国に『利して利する勿れ』(政治家は人民の利益だけを考え、自分の利益を図ってはいけない)ということわざがありますが、安倍首相は権力=利益の維持に汲々としている。国民はこんな政治を許してはなりません」

「なぜ、麻原のような男を(他の死刑囚は)信じたのか」。オウム真理教元代表の麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚ら7人の死刑執行を報じた民放テレビのキャスターはこう嘆いていたが、恐らく良識ある国民は安倍の支持者にも同じ疑問を抱いているに違いない。最悪の事態を招く前に権力の座から早く引きずり降ろすべきだ。






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安倍首相の豪雨被災地ないがしろは続いている! 災害対応よりカジノ優先、宴会参加の官房副長官は自治体に責任転嫁

2018-07-13 09:55:48 | 杉並からの情報発信


安倍首相の豪雨被災地ないがしろは続いている! 災害対応よりカジノ優先、宴会参加の官房副長官は自治体に責任転嫁

2018.07.10 Litera

http://lite-ra.com/i/2018/07/post-4117-entry.html

平成で最悪となった西日本豪雨だが、安倍首相の初動対応への批判が止まらない。ついにはフランスの高級紙「ル・モンド」も、安倍首相の姿勢を疑問視し、2日間も放置しておいて「時間との戦い」と言い出したことを批判した本サイトの記事を紹介。同記事をリツイートした映画監督・想田和弘氏の〈首相はもはや自分が何をやっても主権者から罰せられないと感じているのだと思う〉というツイートを掲載した。

だが、国内に目を向けると、安倍首相の初動対応に批判をおこなっているのはほとんどがネットメディア。なかでも、十数万人に避難勧告が出されるなど警戒が高まっていた最中に安倍首相が総裁選を睨んで「赤坂自民亭」なる内輪の飲み会に参加していた問題を批判的に取り上げたのは、西日本新聞や静岡新聞、毎日新聞くらい。昔ならワイドショーがすぐに食いつきそうなネタだが、いまのところキー局で紹介したのはTBSの『Nスタ』『はやドキ!』『あさチャン!』くらいだ。

しかも、安倍首相が昨日になってようやく決めた外遊取りやめについても、多くのメディアは「豪雨対応を優先」「速やかに被災地域を訪れることも検討」などと報道。まるで安倍首相が英断したかのような伝え方だが、実際はネット上で初動対応に批判が高まっていたことから仕方なく決定しただけで、朝日新聞によれば〈首相官邸は最後まで実現を模索〉していたというのだから呆れ果てる。そもそも、与党の勝手で国会を延長しておいて緊急性のない長期外遊に出るという行動事態が異常で、実際に衆院議院運営委員会は安倍首相のこの出張を了承していなかったのだ。

こうしたメディアの弱腰に高を括ったのか、安倍政権はきょうも災害対応を疎かにし、被災地をないがしろにする行動に出た。被災地への対応に全力をあげるべき局面にも関わらず、安倍政権は内閣委員会の開催を強行、災害対応の先頭に立つべき石井啓一国土交通相を、なんと6時間も委員会に張り付かせるという信じがたい暴挙に出たのだ。

土砂崩れや浸水といった被害が相次いだのは6日午後?7日未明のことで、きょうは生存率が急激に下がる「発生後72時間」を迎えた。しかも、今回の豪雨では交通インフラが直撃を受け、避難所に救援物資が届きにくいという問題も起きている。さらに、被災地では暑さが襲っており、避難所生活への不安も増している。人命救助、被害状況の把握、インフラの復旧、被災者支援、仮設住宅や公営住宅の確保──こうした指示を出すのは、石井国交相の重要な責務だ。
だからこそ、野党6党派は昨日、菅義偉官房長官に政府は豪雨災害対応に最優先で取り組むよう申し入れをおこない、安倍首相や石井国交相といった担当大臣が最優先で災害対応に当たることを求めた。だが、自民党は「6時間の質疑をおこないたい」とし、反発する野党を尻目に自民党の柘植芳文委員長の職権で委員会開催を強行したのである。

すぐさま対応するべき問題が山積し、その上、きょうも11時過ぎに広島県府中町の榎川が氾濫するなど、いまだに被害は拡大しつづけているというのに、安倍政権は会期末までにカジノ法案を成立したいがために、こんなタイミングでさえ審議を続行するとは……。

ようするに、安倍政権はこの非常事態に「災害対応よりもカジノ審議」を優先させたのだ。

赤坂自民亭で大はしゃぎの西村官房副長官は「自治体がどう反応したか」と責任転嫁

安倍首相は「救命救助に全力を尽くします」「『できることはすべてやる』との考え方のもと、被災者の皆さんの生活支援に全力であたってまいります」などと言うが、実際は災害対応の指揮に立つ石井国交相を出席させてカジノ法案の審議を強行する。一体、この態度のどこが「全力」だと言うのだろう。

 しかも、安倍政権からは、びっくりするような言い訳も飛び出しはじめている。本サイトは昨日、「赤坂自民亭」に安倍首相と一緒に参加した西村康稔・内閣官房副長官が、宴会の模様を嬉々として投稿し、批判が高まると、被害状況や自衛隊の態勢にかんするデマを垂れ流したことを伝えたが(参照http://lite-ra.com/2018/07/post-4115.html)、この西村官房副長官が昨晩、『深層NEWS』(BS日テレ)に生出演。大雨特別警報が出ていながら犠牲者が多く出たことについて、西村官房副長官はこう主張したというのだ。

「それぞれの自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか検証していくことが大事だ」

……政府の呼びかけ、だと? 気象庁が大雨では異例の緊急会見を開いて「記録的な大雨となる恐れ」「厳重な警戒が必要」と警告したのは、5日の14時だ。なのに、その夜に何事も起きてないかのように宴会を開き、いまにも氾濫しそうな河川の状況に不安で怯える人びとがいることも無視したのは、安倍首相や西村官房副長官をはじめ、自民党の面々ではないか。
いや、そればかりか、西村官房副長官は宴会後、言い訳するかのように〈地元明石淡路の雨は、山を越えた〉などと、現実とはかけ離れたデマまがいのツイートまでしていた。政府高官が公式アカウントで、警戒感を削ぐようなアナウンスをおこなっていたのである。
6日、気象庁が異常事態を警告したあと、安倍と菅は何をしたのか?

だいたい、西村官房副長官は「大雨特別警報」の発令を「政府の呼びかけ」にすり替えているが、本来、政府が災害時におこなうべき「呼びかけ」とは、第一に、安倍首相がカメラの前で強い警戒を求め、勧告が出ている地域の住民に対してただちに避難を促すこと、そして菅官房長官が随時、把握している状況を伝えることだ。

しかし、今回の安倍首相の対応はどうだったか。6日午後には福岡県、佐賀県、長崎県、広島県、岡山県、鳥取県、京都府、兵庫県に大雨特別警報が出され、気象庁も「重大な危険が差し迫った異常事態」と警戒を呼びかけたが、安倍首相は会見を開くこともなかった。その上、菅官房長官の午後の定例記者会見では、注意喚起をすることもなかったばかりか、被害が出ているなかで宴会を開いて複数の参加議員がSNSに写真を投稿していた問題を問われると、「大雨は官邸でも対応している」「大きなやるべきことをしっかりやっていれば問題ない」などと答えた。

さらに、翌日7日朝には岡山県倉敷市真備町の冠水をはじめ、多くの地域で大勢の人びとが救助を待っている現状が伝えられ、事態の深刻さは誰の目にもあきらかなものとなった。だが、安倍首相はそれでも非常災害対策本部の設置をおこなわず、15分間だけの関係閣僚会議を開くと、やはり記者会見をおこなうこともなく、さっさと官邸をあとにして渋谷の私邸に戻っていったのだ。

ようするに、大雨特別警報が出ても、安倍首相は何一つ国民に「呼びかけ」をすることはなく、政府としての態度を示す非常災害対策本部の設置さえしなかった。気象庁の緊急会見から約66時間、大雨特別警報の発令から約38時間ものあいだ、安倍首相は「緊急事態」であることを示さなかったのである。

このように、初動が遅れに遅れたというのに、西村官房副長官は「自治体が政府の呼びかけに対し、どう反応したか」などと言い、自治体に責任を押し付けようとする──。「災害対応よりカジノ」を優先させたことをあわせれば、安倍政権の非情さ、下劣さが、これでよくおわかりいただけるだろう。

 だが、こうした安倍政権の国民の命を軽んじつづけている実態も、海外では報じられても国内ではネット止まり。本日の参院内閣委員会で質疑に立った自由党・山本太郎議員は「7月8日午前、安倍総理が非常災害対策本部の初会合の際、『先手先手で被災地の支援に当たってほしい』と発言されているんですけど、この時点で完全に後手なんですよ。後手後手。完全に出遅れている状態」と指摘し、こう訴えた。

「多くの方々が命の危険に晒されたんですよ? 官邸のボケ具合で。実際に命を落とされたということにもつながっている可能性が高い。当たり前ですよね? 5日の時点で数十万人単位で避難勧告さえ出ていた状態なのに、政府として注意喚起がおこなわれていないじゃないですか」
「(カジノ法案の審議を)やってる場合かよ! カジノじゃないだろって。災害対応だろって、当たり前の話ですよ!」

この至極当然すぎる指摘が、果たして電波や紙面で伝えられることはあるのだろうか。

(編集部)





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