Entrance for Studies in Finance

The Panama Papersと有名企業

パナマ文書とは:パナマにある法律事務所モサック・フォンセカの内部文書 同社は24万社のオフショア企業づくりを手伝う 1977-2015年の間の顧客1万4000人の内部文書1000万件あまりが流出(約21万を超えるpaper companiesに関する情報)。税金逃れや資産隠しにどのような企業や個人が関係しているかに関心が集まった。南ドイツ新聞が入手 国際調査報道ジャーナリスト連合ICJJが検証 2016年4月3日文書の存在が公にされた。 依頼先は1万4000法人 金融機関や法律事務所 とのこと。 

日本については 400を超える個人と企業(日本在住者約300人)が明らかになった。中国の2万5000 が突出して多く 香港1万3000 英国5000など 目的として節税のほか 現地政府の介入排除 日本籍を隠すなど 英領バージン諸島:島内で事業をしていれば法人税なし パナマ:海外収益は非課税 バハマ:法人税がない (このほか モナコ リヒテンシュタイン モルデイブ ニューカレドニア 香港)

アイスランド グンロイグソン首相(2007年 妻と共有名義でバージン諸島に投資会社ウイントリスを設立 大手銀行3行の社債に5億クローナ=4億5000万円を投資 2009年国会議員に選出されたときに持ち分を1ドルで妻に譲渡) バージン諸島の企業を使い巨額投資 租税回避 国民の恥 ⇒ 4月7日辞任へ

アゼルバイジャン 親子2代大統領ノアリエフ氏の娘らがパナマ企業を介して金鉱山の権益にぎる

アルゼンチン マクリ大統領 バハマとパナマの企業2社に関与の疑い

イギリス キャメロン首相 株式ブローカー立った亡父がパナマに2000万ドルの投資ファンドを設立 2013年のサミットで企業の租税回避対策強化を打ち出すが自身がこのファンドに投資し売却益を得ながら租税回避をしていた。当初は個人的な事項として事実を隠し、7日になってようやく過去に行った行為(1997年に1万2497ポンドを投資し、2010年1月に3万1500ポンドで売却 売却益に対する課税は課税対象以下のため払っていないとしている)を明らかにした。

イラン 政府系企業

ウクライナ ポロシェンコ大統領

北朝鮮の大同信用銀行DCBのフロント企業DCBファイナンス

シリア アサド政権 アサド大統領のいとこラミ・マクルーフ 推定資産50億ドル 米の制裁対象 バージン諸島に法人設立

中国 習近平主席 親族(実姉の夫)がバージン諸島にペーパーカンパニーを保有

パキスタン シャリフ首相の一族が英領バージン諸島に会社設立 ロンドンにも不動産所有

マレーシア ナジブ首相の息子がバージン諸島のペーパーカンパニー2社の役員

ロシア プーチン大統領 友人らがオフショアの英領バージン諸島などを通じ20億ドルの金融取引

UCCホールデイングス 上島豪太

伊藤忠商事 銅関連のトレード拡大が目的 バージン諸島の投資会社に出資している。

丸紅 銅原材料の納入など商取引拡大が目的 1994年以降 台湾のメーカーが中国で銅製品を生産するために英領バージン諸島に設立した投資会社レナウンドインターナショナル経由に出資している。出資比率約8%。

ソフトバンク 中国IT企業の要請で事業に参加したがすでに撤退している

セコム科学技術振興財団 日本の税務当局から求められた必要な情報は開示している

セコム セコム創業者や親族 飯田亮 戸田寿一 なおこの問題をめぐっては、セコムの会長 社長の交代につながったとの報道がある。報道によると、火消し的対応だけで十分かを懸念する発言を、前田修司会長と伊藤博社長がしたことを、飯田亮最高顧問が激怒して、指名報酬委員会を設けて退任に追い込んだとされる。この退任劇はセコムの業績が好調であることからも、異例として注目された。後任の中山氏は日銀出身。この解職劇が取締役会で僅差のバトルがあったことを告白している。解職の理由は自由闊達な雰囲気を回復するためとしたが、解職により、創業者をも批判する、自由闊達な雰囲気が損なわれるようにも見える。

またセコムで登場した指名報酬委員会はイトーヨ―カ堂の鈴木敏文会長退任劇でも大事な役割をした。鈴木氏の出した社長交代案を否決したのである。世間的には社外取締役がその役割を果たしたと評価されている。しかしそう言い切れるか。問題は指名報酬委員会を誰が構成して、どのような議論を行うかだが、場合によっては経営者を追い落とす手段になりうることをこの2つのケースは示している。

着目点は社外取締役に適切な人材がいるかどうか。法的な位置付けのない(委員会設置会社でない会社が設置する)任意の指名委員会の評価。委員会内部の議論が公開されるかなど。

電通 電通 NHKについて 電通 NHKはそれぞれ無関係と主張している。このほか以下の企業名が見られた。 
バンダイ 大日本印刷 大和証券 ドリームインキュベータ ドワンゴ ファストリ ジャフコ JAL  石油資源開発 商船三井 日本製紙 双日 Orix 日本郵船
パナマ文書に挙げられた日本人 日本企業名リスト
パナマ文書に挙げられた日本企業 日本人名リスト
なおアグネス・チャンについて アグネス・チャンが別人だといったお話しもでている

楽天の三木谷っさんって名前もはいっていたとのこと。楽天創業前に英領バージン諸島の法人に出資。すでに法人は存在しない。
日本関連回避地法人 270社個人 大都市圏中心に32都道府県約400人

国外財産調書制度 2014年1月導入 海外で5000万超の財産を持つ人に報告を義務付け 14年分前年比47%超8184人(47%増) 3兆1000億円強(2割強増えた)。日本で純資産100万ドル超える富裕層は212万人。

財務省は2016年5月23日 パナマ政府と富裕層の税務情報を交換する協定をむすぶことで実質合意を発表した。国税庁が日本人がパナマにもつ預金や証券などの金融口座や金融取引明細を定期的に取り寄せられるというもの。

租税回避地を利用する大企業:注目されたスタバ、Apple、アマゾン

こうした個人の行為は、人を興奮させるが大企業の行為も問題だ。EUの欧州委員会は、アップル子会社がアイルランド政府(法人税率12.5%)から2003年から14年にかけて受けた税優遇措置は個別特例的で違法なものだったとして認定し、アイルランド政府に130億ユーロ(1兆4800億円)の追徴課税を指示した(2016年8月30日)。米国政府は、この措置が米国での税控除、税収減につながることと、米企業を狙い撃ちしてみえることと、遡及課税になることに、反発し撤回を求めた。他方でこの問題は、国際企業の課税逃れを許していることを暴露もしている。

同様の問題は2015年10月 スタバがオランダで受けていた優遇措置について既に発生。ルクセンブルグによるアマゾンドットコムへの優遇で生じている。14年6月から調査入り、15年10月スタバの違法性認定。16年8月 アップルの違法性認定。

今回はアイルランド子会社に欧州の利益が流れ込むようにしたうえで、税負担をさらに引き下げ、米税法の下、納税の繰り延べという複雑な方法で蓄え「税逃れ」をしていた。これに対しアップルだけでなくアイルランド政府もEUに対し争う構え。

2016年9月16日今度は日本で東京国税局が、アップルジャパンが、アップルのアイルランド子会社に支払った、2年間で600億円を「使用料」と認定。120億円の追徴課税と認定し、これはすぐに納付されたとのこと。

問題はこのような、大企業による「脱税」や「資産隠し」は、国家内において公平感を著しく損なうことだ。問題を複雑にするのは、一部の国(どちらかといえば弱くて小さな国)はこうした行為を手助けし、それを国策ともしていることだ。また複雑であるのは、たとえば、アップルやスタバの企業イメージはよいということだ。明らかに一つの方法は、こうした企業の悪徳行為を暴き、税金をそれぞれの国に収めさせることだ。

2016/09/17

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