Entrance for Studies in Finance

bull bear funds ブルベアファンド

bull bear funds
Hiroshi Fukumitsu

ブルファンドbull fundsというのは指数の値上がりのとき指数の動き
以上の値上がり益を取ろうというファンド。
逆にベアファンドbear fundsというのは値下がりのときに指数の動きとは
逆に値下がりした以上に利益を出そうというファンド。

市場が極めて弱気である今 ベアファンドに関心が集まっている。
値下がりすると儲かるのだから。

株式についても債券についてもある。
相場が下がるととき儲かるベアファンド。あるいはベア型ファンド。
債券についてもある。ベアと反対の動きをするものをブルファンドという。
総称してブルベアファンドという。ブルベアファンドという商品があるわけではない。
存在するのはブルファンド、あるいはベアファンド。

仕組みは先物、指数先物を使っていると考えれば理解しやすい。
Bear Funds Business Week June 25, 2000
楽天証券のトリプルベアファンドの説明 変動が純資産に対してトリプルになる説明として純資産額の3倍を指数先物で売り立てるとしている。

これに対して株価が上がるときにそれ以上の儲かるのがブル型ファンド。これらのファンドの特性は
相場が逆の動きをしたときには、ファンドの収益は同様のレバレッジ(倍数)で逆の影響を受けるという
点にある。その結果、値段が上がったりさがっりもみ合いになると、手数料を考慮しなくても次第に基準価格が下がる特性がある。
新生銀行のブル・ベア投信の説明(モーニングスター)
仕組みと値動き

なぜそうなるのか。この点を数字で確認しよう。それぞれ相場がもみ合う状況を想定して試算すると、以下にみるように
ブルもベアも基準価格が次第に下がってゆく。ベアの方が下がり方が大きい(レバレッジ型のETFだといえる)。

ブル型の場合
ダブルの場合株価指数100 110(10%) 100(-9.1%) 110(10%) 100(-9.1%)
基準価格100120(20%) 98(-18.2%) 118(20%) 96(-18.2%)
ベアの場合
ダブルの場合 株価指数100 90(-10%) 100(11.1%) 90(-10%) 100(11.1%)
基準価格100 120(20%) 93(-22.2%) 112(20%) 88(-22.2%)


加えてレバレッジの背景として
信用取引をしていると考えれば、その金利が必要。ということは金利負担があるので、その分収益がさがる。また
信託報酬も高い。つまり保有コストは大きく指数の動きがない場合はすり減る速さの大きい投信。
だからリスキーだとされる。ブルベアを組み合して損益をゼロにすることも考えられるが保有コストの
大きさからは、疑問が出る。臨機応変にブルベアの組み合わせを変更することも考えられるが
相場の変化に追いつかない可能性もある。ブルベアファンドは相場の動きが読めればおもしろいけれど
素人には扱いにくいファンドだといえる。

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.

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