みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

行動できる範囲を手探り

2009年04月15日 22時52分23秒 | 性同一性障害 (GID)
私は性同一性障害 (GID) を抱えているので、定期的に精神科のカウンセリングを受ける必要があります。特に相談することもなく、形式的に顔を合わせた程度で終わることも多いのですが、先日は最近の私の行動について報告してきました。

世界を広げたいと思っています。

私は、もともと男の子の体で生まれましたが、現在は女性として生活しています。何かの拍子に元の性別が知られたときに好奇の視線にさらされるなど、何度も肩身の狭い思いをしてきました。気がつくと、社会との接触を避けるようになっていました。しかし、それでは狭く閉じた人生にしかなりません。

果たして私はどの程度まで社会に溶け込めるのでしょうか。楽しく人生を送れる行動範囲はどこまででしょうか。自分がどの程度まで行動範囲を広げられるかは、誰も教えてくれません。実際に自分で行動を起こしてみないと分からないのです。暗闇 (やみ) の中で手探りで歩き回るようで、とても怖いです。今の生活範囲で平穏な生活を送れることは分かっています。しかし、元の性別が知られたときに周囲との摩擦が起きることを恐れて狭い範囲に閉じこもっていては世界は広がりません。

世界を広げたい。

そんな思いから、ダブルワークをしようと、アルバイトを探してみました。

問い合わせの電話をかけるまで、迷いに迷いました。性別の移行については世間の理解が得にくいので、性別を移行した人は知人を頼ったり独立したり在宅で仕事をしたりする人が多いです。私が普通の人と同じ土俵で就職活動をしていいのか、居場所を社会の中に求めていいのか、真剣に迷いました。

証明写真を撮り、履歴書を郵送しました。書類選考を通過しました。
「私でも書類選考に通るんだ」
ひとつ自信がつきました。

面接を受けました。面接は無事に終わりました。
「私も普通に面接を受けられるんだ」
またひとつ自信がつきました。

最初に応募した仕事には採用されませんでしたが、また次の仕事に応募しました。この会社の面接も、何事もなく終わりました。経験をひとつひとつ積み上げることで、新しいことに挑戦するときの恐怖がかなり薄らいできました。

友達に不安を訴えたり弱音を吐いたりもしました。先日は医師と看護師さんにも不安を訴えました。今まで自分の感情をひとりで抱え込んできましたが、素直に人に弱音を吐く経験を積みました。

そんな弱気な私を、みんなは温かく応援してくれました。人に支えられていることを実感しました。

そして、今は面接の結果待ち。

「いいですね。かなりいいですね」
精神科の主治医の感想。
*  *  *

面接の結果が出ました。

今回も採用されませんでした。条件が折り合わなかったのでしょう。

しかし、求人に応募したり面接に行ったりと行動を起こしたことが重要です。行動を起こしたことで、私の中で何かが確実に変わりました。性別を移行したこんな私でも、普通の人と同じように履歴書を出して面接を受けられることが分かったんだもの。門前払いされずに、勤務条件の交渉までできたんだもの。行動を起こした分、世界が広がったんだもの。アルバイトに応募するときの不安や抵抗感はだいぶ薄らいだもの。面接にも慣れたもの。



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