
誰もいないブランコ。誰の足跡もない まっさらな砂地を踏むと、
しゃく、しゃく、しゃく、
しゃく、しゃく、しゃく
足の裏に伝わるのは、ふんわりと焼きあがったバタークッキーをかじるような感触。
しゃく、しゃく、しゃく、
しゃく、しゃく、しゃく
音で遊んでいたら、ざーっと風が吹いて、木の葉がぱらぱらと降ってきました。
しゃく、しゃく、しゃく、
しゃく、しゃく、しゃく、……
芝生を踏むと、じゅっという音とともに少し足がめり込んで、表に水が現れました。
じゅっ、じゅっ、
じゅっ、じゅっ
芝生は、スポンジのように水をたっぷりと含んでいます。
じゅっ、じゅっ、
じゅっ、じゅっ、……
靴に水がしみてきちゃったけど、気にしない。この音と感触を楽しめるのは今だけだから。