原作名:オリジナル
作者:小声早田
終更新日:2012年12月27日
評価:C
サイト:小説家になろう
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[あらすじ]
今日一日の仕事の疲れを、大好きな風呂に浸かって癒していた会社員(女)。
と、突如、ガラリと大きく開けられた窓。そこには頭の天辺からつま先まで、青い衣装を纏った妙齢の男が。窓から吹き込むは砂塵混じりの熱い風。
「水を一杯くれないか」
真剣な口調で語る男の視線は、女体の浸かっているお湯に固定され。
のぞきか痴漢か、はたまた特殊な性癖持ちの変態か。それでも追い払わなかった主人公はわりかし呑気者?
それが、浴室が異世界につながってしまった主人公の、異世界とのファーストコンタクトだった。
[文章]
三人称。誤字脱字の類は気が付かない程度で読み易い。一話辺り6千文字近い文量も、程良い手頃感。
[総評]
異世界トリップ物。ただし主人公は浴室から異世界には出ないし、脱衣所の方は元の世界。窓だけが異世界と繋がっている設定。また、異世界の物品も浴室の外に出ると消えてしまうので、そこから出す事のできない制限がある。
浴室の窓が異世界に繋がっていると言っても、繋がっているのは同じ世界(大陸?)なだけで、その先はランダム。規則性があるとすれば、その話で入手したアイテムが、次の話で必要になる事と、元の持ち主と受取人に何らかの接点がある点。アイテムが色々と変わっていくところに、わらしべ長者的な楽しみがある。
全体的なストーリーは繋がっていて、さらにその中で、二話で一部の構成にもなっているのも良い。前編(?)の登場人物Aは、後編(?)の人物Bの視点では実は……。なオチが楽しい。その関係を主人公が知る事になるかどうかは、また別の話。
浴室が異世界に繋がっているからには、主人公は大抵入浴中かその準備中。当然、裸かそれに近い恰好な訳で……R-18的な展開にならないのは、異世界人が切羽詰まった状況にあるからか、主人公の人徳によるものか……。他の可能性を考えると、主人公が不憫すぎる。
今日も今日とて浴室の窓を開ければ、異世界人達が何やら修羅場っている現場に接近遭遇。
はてさて、前回持ち込んだアイテムが、今回どう役立つのやら……。
何を伝えたいの?