原作名:鋼殻のレギオス
作者:粒子案
最終更新日:2011年10月19日 2013年11月20日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=14064&n
[あらすじ]
グレンダンを着の身着のままで飛び出し、流れ着いた最初の街ヨルテム。
心許ない路銀に、傭兵でも始めようかと悩むレイフォンの耳に届く、助けを求める婦女子の声。そちらを伺えば、黒髪の少女が武芸者3人に絡まれている構図。
天剣がなくとも負けるはずがなく、あっさりと3人をねじ伏せた後、なぜか彼女の友人の武芸者に絡まれる不運よ。加えて心の傷を開いて塩を塗り込む毒舌に現実逃避。
いつの間にやら、助けた少女の実家トリンデン家に居候が決まり、3人娘とその家族に弄くり倒されまくるレイフォンの新生活が始まる。
[文章]
三人称。ギャグとシリアスを使い分けており、シリアスな戦闘パートをギャグでぶち壊したりしないし、その逆も然り。緩急の付け方が上手く読者を飽きさせない。
惜しいのは、誤字が少し目立つ点。話の腰を折られてしまう。
[総評]
殺人ウイルスが全世界に拡散され、南極を除いて人類が死滅。死滅に到るまでのパニックと、南極からの人類再出発を描いた物語……ではない。それは『復活の日』。
ガハルドを再起不能にした咎でグレンダン追放を言い渡され、衝動的にグレンダンを飛び出したレイフォンが、ヨルテムでメイシェン達かしまし3人娘と知り合い、なし崩し的に居候を始める所からの、レイフォン再構成物。
3人娘のオリキャラ家族、特に母親勢を鬱陶しく感じたため、ヨルテムが舞台となる第一話を読むのは苦行だったが、ツェルニに移ってからの第二話からはずっと良くなった。
ヨルテムでの社会経験から、カリアンの半強制な武芸科転科にも流されるのでなく、自分なりの思考を混ぜられた点、グレンダンの時のような一人で戦う姿勢を良しとせず、作戦やバックアップを配置する戦い方には好印象を持てる。そのための頭脳として配置された武芸者としては落第生なオリキャラ、ウォリアスが地味に渋い。ニーナは原作準拠のウザさ。
さり気ない程度に腹黒くなったレイフォンと、何気にレイフォンに強化されたナルキが光る作品。
原作名:鋼殻のレギオス
作者:粒子案
最終更新日:2011年5月18日 2013年6月26日
評価:B
サイト:Arcadia
http://www.mai-net.net/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=18444&n
[あらすじ]
レイフォン・サイハーデンは自他共に認める優秀な武芸者。今日も今日とて孤児院の兄弟達のため、生活費のために汚染獣戦に精を出します。
そして戦場で出会った少女、リーリン・ヴォルフシュテイン・ユートノール。天剣授受者。
ありきたりなボーイ・ミーツ・ガール。
リーリンにレイフォンは興味を持たれます。
「必死で避ける姿がとても可愛いから」
そんな理由で、老生体より怖い天剣授受者に命を狙われる羽目になったレイフォン。
さらにサヴァリスやクラリーベル、他の天剣授受者に果てはデルクまで加わり、レイフォンの日常はヘルモードに突入。その様子を王宮から覗き見するアルシェイラは大笑い。
平穏な日常を求めるレイフォンの奮闘記。
[文章]
三人称。
ギャグストーリーなので、勢いで読ませる必要があり、その点は十分にクリアしている。ただ、所々誤字を見かけるのが少し残念。話の腰を折っている。
[総評]
リーリンが孤児院に行かず、ユートノール家で天剣授受者に育ち、性格はサヴァリスと双璧を成す危険人物。レイフォンは棘を打ち込まれなかったので、優秀な武芸者止まりのサイハーデン継承者。
そんな二人が汚染獣戦で出会い、リーリンに興味を持たれたレイフォンは逃げ惑うドタバタ劇。クラリーベルの参戦で、二人の恋のさや当て(?)にもニヤニヤできる。惜しむらくは、二人とも常識欠乏が酷く、その気はあるのに色っぽい話には辿り着けない事。
アルシェイラはアルシェイラで変な趣味に目覚め、「大丈夫か、王宮?」と心配になるカオスぶり。でも一部を除けばグレンダンはいつも通りの通常運転。問題なし。
同梱の『B B R』は微ギャグの別物語。こちらも捨て難い良作。
他にも色々と本編とは関係ない短編が入っているので、元ネタが分かる人なら腹筋を鍛えるのに丁度良いだろう。それ位に笑える。