前記事でアイソン彗星の最新画像を紹介しましたが、その撮影では星空雲台ポラリエを使いました。
200mm望遠レンズでの撮影ということで、いつもなら中型赤道儀を架台として使うところですが、
その赤道儀は現在アップグレード改造中で手元にないため、仕方なくポラリエの出番となったわけです。
個人的にレンズ焦点距離75mmまでなら撮影実績がありましたが、200mm望遠は未体験ゾーンです。
まず心配なのは、積載重量的に大丈夫なのか?ってところ。
マニュアルによると搭載可能重量は「雲台も含めて2.0kg以下」となってます。
で、事前に載せる機材の重さを調べてみたら、雲台+カメラ+レンズ=1.74kgと2.0kg以下でしたので、
一応、ハード的には問題ない範囲ということが分かりました。
次に気になるのは追尾エラーですが、当然ながら望遠レンズになると高精度が要求されます。
最重要ポイントはセッティング時の極軸合わせの正確さということになりますが、
マニュアルには極軸が2度ずれた場合の追尾への影響について書かれており、
200mm望遠レンズだと星を点像に写せる最長露出時間は大体30~60秒程度(星の位置による)のようで、
ISO感度次第では結構暗い天体まで捉えられそうな感じ。
そこで、「すばる」を撮影対象にして試写してみました。
極軸はポラリエの端にある北極星覗き穴(ストロー併用)を使う簡易的な方法で合わせ、
30秒と60秒の露出時間で数コマ撮影したところ、問題なく星が点像に写ることを確認できました。
そうなると実際にどこまで露出時間を延ばせるか調べたくなって、2分と3分露出も試してみました。
その結果がこちら↓
(背景の明るさは画像処理で調整)
なんとまあ2分露出でも意外と星像が伸びてません。3分露出はさすがに厳しいようですが・・・
でもISO3200なら2分露出でも、すばるに纏わりついている星雲が写ってるんで十分実用レベルです。
ただし、ノイズは多めなので2分露出で撮った複数コマを合成してS/Nを稼ぐ必要があります。
ということで、16コマを合成し、適当に画像処理して得られた画像がこちら↓
すばるの星の密集部から離れた外縁部に広がる淡い星雲も描出できました。
恒星は15等星まで写っていることも確認できたので、予想以上に暗い天体まで捉えられます。
気を良くして、オリオン座の三ツ星~大星雲付近も撮ってみました↓
撮影対象の高度が低くて光害の影響があり、しかも月が昇ってきていたので、感度を少し落としてます。
それでもオリオン分子雲の淡いところまで確認できますから、おおむね満足できる写りです。
やるな!ポラリエ! アイソン彗星の最盛期の撮影でも活躍しそうです。
スバル(プレアデス星団)もバッチリですね。
オリオンの三ツ星での大星雲は好きだなぁ。
馬頭星雲もわかります。(凄)
ますますアイソン彗星、期待したいところです。
マニアックなネタにお付合いくださり恐れ入ります。
ポラリエは簡易赤道儀の割りになかなかの追尾性能で、凄いコストパフォーマンスです。
電源も携帯バッテリーで一晩以上持ちますし、セッティングも短時間で済むので、
あらためてよい買い物だったと思ってます。