Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 9/5夕 西の低空で月と金星が大接近

次に期待できそうな彗星(2023年秋)

2023-10-27 15:12:06 | ほうき星

約1か月に渡って写真で楽しめた西村彗星(C/2023 P1)は、もう観測困難な状況になってしまいましたが、
次に期待できそうなものとしてレモン彗星(C/2023 H2)というのがあります。
その最盛期にはこんな風に見える可能性が出てきてます。


 AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション(日時は2023/11/11 21:30)

彗星の下の添え字が光度×10ですので、3.6等の予想光度ってことになります。また、マス目は角度で10度のスケール
となってますが、彗星のイオンテイルの実長を0.1AU(AUは「天文単位」という距離スケールで、1AUは太陽-地球間の
平均距離である約1億5千万kmに相当)と仮定してシミュレーションしてみたら、見掛け上で尾が20度近い長さに達する
という驚きの推定結果になりました。11月中旬ですと18時過ぎには薄明が終了となり、早い時間帯であれば彗星の
地平高度が40度以上もある上に月明かりの影響も無いため観測条件は非常に良好で、シミュレーション通りの明るさに
なってくれれば肉眼で存在確認できそうです。双眼鏡を使えば尾が伸びた姿を楽しめるかもしれません。

この彗星は今年の4月下旬に米・アリゾナ州にあるレモン山天文台の観測で発見され、軌道計算の結果、10月29日に
近日点を通過した後、11月に地球へ約0.2AUまで接近することが判明。彗星本体はあまり大きくないとみられていて、
最大光度は7等台止まりと見積もられていましたが、今月に入って急に明るくなったらしく、そのままの増光ペースで
推移すれば、地球最接近時に光度が3等台まで達する可能性が出てきています。

なお、彗星の明るさは水物なので、もう少し様子を見ないと本当に肉眼光度になるのかどうか分かりませんけど、
ちょっと楽しみな状況になってきたので、ほうき星好きとしてはワクワク感が止まりません。シミュレーション通り、
黄色味を帯びた天の川をバックに青いイオンテイルを棚引かせた姿が捉えられたらイイなぁ・・・

<10/27 追記>
信頼スジによると、この彗星の10/25における明るさは9等台後半で、楽観的な予報に比べて3.5等ほど暗いようです。
この調子でいくと最終的に肉眼光度まで明るくなる可能性はかなり低くなり、最大光度は6等台中盤から後半くらいと
予想されます。空の暗い場所なら口径3cm程度の双眼鏡でも眼視確認できる程度の明るさですが、地球に接近する来月
10日前後には大きく広がった拡散像になって見辛くなることも考えられます。予期せぬアウトバーストでも起こして
くれるとイイのですが・・・



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