Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 9/5夕 西の低空で月と金星が大接近

ほくとのななほし

2010-03-23 12:00:00 | 夜空のコラム

昨日、こちら東京でも桜の開花発表がありました。いよいよ春本番ですね。

さて、この季節の夜、北の空高く昇り詰めるのがこの星たち↓

【The Big Dipper】
 キヤノンEOS Kiss Digital X + 17-50mmレンズ(@35mm,F5) ISO800
 総露出時間30分(3分×10コマ加算) 赤道儀架台使用(電動追尾)
 輝星のみにガウスぼかしをかけて滲ませる画像処理を施してます。
 [静岡県東伊豆町にて3月20日撮影]
 ※画像クリックで、壁紙サイズの大きい画像をご覧になれます。
  今の季節、実際の空ではこの画像とほぼ逆さまの状態で見えます。

有名な「北斗七星」です。"The Big Dipper" は英語での呼び名で、柄杓(ひしゃく)の形を

していることに由来します。プラネタリウムの解説などでは、右端の2つの星を結んで、

その間隔を5倍延ばした先に北極星があるという風に、北の指針となる北極星探しに

便利に使える星の並びとして、よく引き合いに出されたりします。

とっても目立つので、これ自体が星座であると思っていらっしゃる方も多いようなんですが、

実は「おおぐま座」の腰から尻尾を構成する一部分であって、厳密には星座ではありません。

ちなみに、こういう特徴的な星の並びを「アステリズム」と呼んだりします。


ところで、これら7つの星のうちで両端の星を除く5つの星は、地球からほぼ同じ距離に

あって、銀河系内をほとんど同じ方向に同じ速度で移動していることがわかっています。

そのため、この5つは大昔に散開星団だったと推定されており、周辺にあるいくつかの星を

含めて「おおぐま座運動星団」と呼ぶことがあるようです。元々は密集して存在していた

ものの、宇宙スケールの長い時間の間に星たちの距離が少しずつ空いていって、ばらけて

しまったと考えられているのです。詳細についてはこちらをご覧になるとよいでしょう。

 

ということで、大雑把ですがそれらの距離感が分かるように、お遊びで7つの星を弄って

縦構図のステレオグラム(立体視画像)を作ってみました↓

いわゆる平行法で見ると各星が飛び出して見えると思いますが、どうでしょう?

(立体視での見え方は各星までの距離が正確に反映されているわけではありません。)