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Fly to the BLUE

2006.7.13 更新終了

これが噂の逆ナンですか

2006-03-13 | 
晩飯も昨日と同じ「緑の梅じそさっぱりパスタみっしー風」
仲良くなった人たちに、少しずつ食べてもらって好評を頂いた。
しかも、逆におすそ分けをもらって、いろいろ食べれるし。
食事をしていて、明日の予定が話題になった。
僕はまだ特に決めてなかったので、いろいろと勧誘があった。
「ツアーに参加しようよ~。お昼にラーメン食べさせてくれるみたいだし」
「俺らと山に登んない?今なら隊員三号になれるよ」
「いやいや、いっしょにサイクリングしましょうよ!」
う~む、どれも面白そうだ。
僕としては、島一周したいんだよな。
でもツアーはやっぱり値が張るし、サイクリングでは無理っぽい。

食後に宿サービスの屋久島名物タンカン(ミカンみたいなやつ)とお茶でくつろいぎつつ、二人の女子大生と話していた。
明日はどこに行くのか聞くと、レンタカーを借りて島巡りと言う。
「でも、運転ちょっと怖いんですよね~。代わりに運転してくれませんか?」
「ん?」
「明日、予定あります?」
「いや、おっちゃんに山登り誘われてるけど、まだ特には決めてないっすね」
「じゃあ、一緒に島を回りましょ。西側の林道が危ないらしいんで運転してください」
おうおう、これが噂の逆ナンってやつですか。
もちろんその申し出を即決でお受けしましたよ。

予定は、車で行ける島の見所を回りつつ、ぐるっと島を反時計回りに一周する。
ちょうど僕のやりたいことができるじゃないか。
特に島西部の林道は世界自然遺産の区域に入っているから、走りたかったところなのだ。
なんかもうウハウハですな。

3人でガイドブックを見ながら行きたいところをチェックしてたら、なんだかもののけ姫が見たくなってしまった。
なので、宿にあったもののけ姫のDVDを上映すると、宿泊者がいっぱい集まって来る。
しかし、最後のいいところで消灯の時間になってしまい、退散することになった。
もののけ姫は尻切れトンボであったが、気分が盛り上がってきたぞ!

帰り道

2006-03-13 | 
一人黙々と下山していると、対向者が結構いるもんだ。
今日は、恐らく30~40人くらいが縄文杉を目指して歩いたんじゃないかな。

ウィルソン株のあたりはルートが2つあって、来た道と違う「自然観察歩道」とやらの方を歩いてみた。
ちょいと荒れた道で迷いそうになるが、木にくっついてるリボンをたどっていけば
とくに問題はない。
植物の解説がついた札がところどころにある道であった。

結構遠回りになったようだが、時間は充分余裕がある。
恐らく3時くらいに下山できるだろう。
すると、バスには大分時間があることになる。
ここはヒッチハイクを狙うかな。
なんてことを考えつつ、縄文杉でもらった飴をなめつつ、どんどん下る。
大株歩道入り口まで戻ると、なぜかツアーの連中が先にいた。
お互い「あれっ?」て感じになったね。
う~ん、遠回りがあったとしても、結構早く降りたつもりだったんだが…。

さて、後はトロッコ道を2時間歩けば入り口の荒川登山口まで戻れる。
ツアーが出発するとき、ガイドのおじちゃんが「ついでだから、帰り車に乗っていきな」と言ってくれた。
これまた有り難い。
「ヒッチハイクの手間が省けましたよ」と僕。
「今どきヒッチハイクなんて笑われるよ。明日のツアーは申し込んでおきな」とおじちゃん。

ツアー一行はときどき立ち止まって、ガイドのおじちゃんの解説を聞いたりしながら、2時間の距離を歩いていった。
ちょっと隠れたところにある、すばらしいコケのある場所を見せてくれたり、もののけ姫に出てきそうな沼を見せてくれたりして、これはもうガイド様様でした。

このおじちゃん、遭難者の捜索に関しても凄腕らしく、遭難者が出ると警察に一番に呼び出されるのだそうな。
つい最近、1週間前にも遭難者が出て、がけから落っこちて動けなくなったその遭難者を発見したらしい。
おじちゃんが言うに、遭難してしまったら、あまり動かずに木の穴などにもぐって助けを待つのが良いそうだ。
屋久島は滝が多いから、沢沿いに下ろうとすると転落の危険性があるという。

一行は無事、荒川登山道まで戻って来れた。
車に乗り込んで道路を下って行く。
標高が下がって、いつのまにか雪が止んでいた。
途中、尾之間温泉に寄って、ひとっ風呂浴びて帰る。
尾之間温泉は硫黄のにおいが漂う温泉であった。
源泉が結構熱めなので、勝手に水で薄めてよいのだそうだ。
200円とリーズナブルなので、地元の利用者が多いようだった。

一行は屋久島ユースに戻ってきた。
ガイドのおじちゃんはメンバーを車から降ろすと帰ることになっているので、別れ際には特に深く礼を言っておいた。
結局なんだかんだでツアーに参加しちゃってたね。
う~ん、明日のツアーにも参加したいところだな~。

縄文杉でのひととき

2006-03-13 | 
午前10時過ぎ、僕は縄文杉にたどり着いた。
それはまさに木々の長老とも言うべき、堂々としたたたずまいをしていた。
ここまで見てきた巨大な杉と比べても、その力強さは圧倒的であった。
日本という国が興るよりもはるか昔から生きてきて、この縄文杉はこれまで何を見てきたのであろう。
そして、どんな未来を見るのであろう。



雪で根元の地面は白くなっていて、なんとも不思議な雰囲気。
そこへ、屋久ジカの親子が歩いてきて、草を食べる姿を僕に見せてくれた。
偶然の産物だが、これ以上ない演出。
長い旅であったが、ここまで来た甲斐があったというもんだ。



縄文杉を十分に堪能した後、すぐ先の休憩所で昼飯ということにした。
そこにツアーの5人とガイドのおじちゃんがやって来た。
ツアーもここで昼飯ということだ。
先頭のガイドのおじちゃんは僕に聞いた。
「どこの宿から来たんだい?」
「ええ、実は・・・」
せっかくなので、僕も屋久島ユースの宿泊者なのだということを白状した。
「なんだい、何の説明もなかったらつまんないだろう。ツアーに申し込んだら良かったのに」
と、おじちゃん。

さて、僕の昼飯は焼き鳥の缶詰のみ。
爪楊枝でちょっとずつつまんでいると、ツアーの一人が親切にも、お弁当のごはんを半分分けてくれた。
昨日、サバの刺身を分けてくれたから、そのお返しだよって。
正直これにはかなり助かった。
今夜のスパゲッティ、お礼に少し分けましょうと約束し、僕は先に下山しようとした。
「待って。お菓子も少しあげるよ」
「じゃあ、僕も」「私も」
メンバーの皆さんから、飴やチョコレートをたくさんもらってしまった。
ポケットをお菓子でいっぱいにして、僕は一足先に下山し始めた。

大株歩道入り口~縄文杉

2006-03-13 | 
大株歩道からは確かに山道で起伏に富むのだが、普通の登山に比べれば大分楽であると感じられた。
というのも、その名の通り「歩道」というだけあって、ルートには木材で作られた階段が幾度となく出てくる。
だから、坂道を登るというよりも、高層ビルを階段でどんどん上がっていくイメージであった。

大株歩道に入ってすぐに雪が降り始めた。
粉のように細かい雪で、木々の葉を白く輝かせる。
その風景は、自分が南の島にいるということを忘れさせてしまうようだ。





登山中だから、特別寒さは感じないが、木の根が滑りやすくなるので注意である。

途中、喉の渇きを潤すため小川の水を片手ですくって飲む。
そのような小川はそこかしこにあるので、水がなくなるという心配はあまりいらないのがいいところ。
というか、実は今回水を用意してくるのを忘れてしまっていた。
バスに乗ってから気づいたのだが、ここまで自販機すらなく、ちょっといかんなあという感じだった。
準備不足も甚だしい。

さて、屋久島もここまで入ってくると、グレイトな杉が次々と出てくる。
見て歩いてるだけで、ひっきりなしに歓心してしまうため、疲れることなくどんどん登っていけるのだ。
やがて、大きな見所に到着する。
突如目の前に現れたのは、巨大な切り株であった。
それは「ウィルソン株」という切り株で、ウィルソンという人が発見したことから名付けられたらしい。



中は空洞になっていて、切り株中にもぐることができるのだ。
さっそく入ってみた。
その中は10畳ほどの空洞、そして、天井には大きな穴が開いていて、周りに生えている空高く伸びる杉の大森林を見上げることができるのだ。
僕は自然に対してこれ以上深く感動したことはない。



それはまるでトトロの世界にいるようだった。

ウィルソン株を過ぎて、さらにさらに歩く。
降り続ける雪は階段を白く染めて、先行者の足跡を示した。
いつのまにか、僕はかなり先頭のほうに来ているようだった。
足跡から察するに、僕のより先に歩いている人は一人か二人といったところ。
立ち止まったと思われる場所も、はっきり分かる。
僕もそこで立ち止まってみて、あたりを見渡してみる。
先に歩いた人が何にひきつけられたのか想像するのも楽しいものだ。

「大王杉」という杉のところで、僕は先行者に追いついた。
おばさん2人組みだったが、ずいぶんペースが速いもんだ。
ところで、この大王杉、ものすげーでかい。
「でけー」って感想しか出ないくらいでかい。
この大王杉まで来れば、縄文杉まであとちょっとである。

大王杉を過ぎて、少しすると出てくるのが「夫婦杉」。
夫婦杉は2本の杉なのだが、片方の杉から伸びた枝がもう片方の杉に伸び、相手の杉の表面を削ってしまい、ついには同化してしてしまったというのだ。
だから、2本の杉はお互いに水分や養分をやり取りしているという。
なんとも不思議な杉でした。



その後、比較的長い階段を上り下りして、僕はついに縄文杉にたどり着いた。

出発~大株歩道入り口

2006-03-13 | 
きっかり4時起床で、すぐさま身支度を整える。
朝食はスパゲッティ。
さっさと茹で、さっさと平らげ、さっさと片付け。
4時半ごろ、ツアーのメンバー5人は先に出発したようだ。

バックパックの中身は雨がっぱとガイドブック、そして小さいチョコレート2個、ガム2個、100円の焼き鳥のカンズメ1個。
食料はなんとも心もとないが、手持ちはこれしかない。
まあ、我慢できるだろう。
5時10分、外はまだまだ真っ暗であるが、僕は荒川登山口行きのバスに乗った。
途中でバスの乗換があったが、バスの中ではおおむねバックパックに寄りかかって眠っていた。

6時半ごろ、バスは荒川登山口に到着した。
この時間になってもまだ薄暗い。
それは西に行くほど、日の出の時刻は遅くなるから。
周りには、これから登山するグループが何組かいて、おのおの準備体操などしていた。
僕も軽く体をほぐしてから、さっそく歩き出した。

荒川登山口からはトロッコの線路をずっと歩くことになる。
昔、山から木を切り出して運ぶために使われていたトロッコ道ある。
道は山と山の間を流れる川沿いに続くため、ほとんど起伏はない。
朝の散歩という感じだが、足場に枕木がしかれているので、気を抜くと転ぶかも。
道端にてガイドさんの解説で立ち止まっているグループを追い越しつつ、ガイドさんの解説を盗み聞きしつつ、どんどん先へと進んでいった。

45分ほど歩くと、以前に集落があった場所の跡地にたどり着いた。
休憩所があって、十数人の人たちがベンチに座って休んでいた。
なんとその中のグループに屋久島ユースのツアーのメンバーがいるではないか。
ツアーグループはそこで朝食を食べていたのだという。
ツアーが再び歩き始めたので、僕はちょっと距離を開けて、後ろから付いていった。

しばらくして、第一の見所「三代杉」へとやってきた。
三代杉とは、初代の杉が死んだ後、その杉の上に新しい杉が育ち、またその杉が死んだ後、その上に再び新しく育った杉なのである。
死んだ杉というのは、新しい命が育つのに絶好の環境らしい。
雷に打たれて倒れた杉や、切り株となった杉の上に新しい命が宿るということで、二代杉程度なら、ざらにあるようだ。

途中ツアーのガイドさんが近道を進んだので、僕もそれについていったら、ガイドさんに先に行くよう促されてしまった。
仕方がないので、一人黙々と進んだが、人がほとんど見られなくなってしまったので、道があっているのか不安になってしまう。
それでも歩き続けて、8時過ぎ、やっと大株歩道入り口に到着した。
トロッコ道はここまでで、これから本格的に山に入る。
トイレもここが最後でこの先にはないので、用をたしておく。
ツアーが追いついてきた頃、僕は気合を入れ直し、大株歩道に入った。