峠
2006-05-04 | 旅
3日目は最も過酷な日。
朝6時に出発して昨日走った川沿いの道を海岸に出るまで下る。
朝は非常に肌寒く、通気性の良すぎなシャツだけでは鳥肌モノであった。
せっかくウインドブレーカー持ってたんだから着ればよかったのだが。
海岸手前のファミリーマートで朝飯を買う。
鶏のミニ3色ごはんとゼリー飲料をすばやく胃袋に流し込んでから河津を出た。

今日も天気がいいぜ!
河津ー下田:
特に大きな起伏もなく走りやすい道のりであった。
7時過ぎに下田着。
下田はペリー来航の地であり、伊豆では大きめの町で道の駅もあるのだが、まだ朝早いため道の駅は開いていなかった。
特にどこに寄るでなく、下田を通過してしまう。
1時間しか走ってないが早くも腹が減り、コンビニでヨーグルトを買って食う。
ついでに非常食としてバナナも1本買っておく。
下田ー下賀茂:
伊豆半島も南側まで来て、ようやっと半分というところだ。
天気も良いまま気温が上がってきて絶好のサイクリング日和である。
本来ならば最南端の石廊崎まで行きたいところなのだが、海岸沿いは起伏が激しそうであった。
少しショートカットなのだが、川沿いの平坦な国道135号をそのまま走り、伊豆半島の西側へ出る。
小田原からずっと走ってきた135号は、南伊豆町の差田交差点でおしまい。
国道1本走りきりました!
下賀茂ー子浦:
今回の旅、1番の鬼門。
それは松崎まで結ぶ道で、通称マーガレットラインと呼ばれる。
沿道は花畑でライダーに人気のコースらしいが、自転車にとっては地獄のコースであった。
松崎までの距離は約25キロ。
さっそく上り坂から始まるのだが、ここまで楽だった分勢いよく走り出す。
それが大きく裏目に出てしまった。
どこまでいっても上り坂が続く。
上れども上れども一向に下りが出てくる気配がない。
むしろ坂が徐々にきつくなっていく感じである。
口からは「ぐぅへぁ~、ごひぃぇ」と意味の分からないうめき声が漏れ、頭の中では「いっそ楽にしてくれ…」という願いが繰り返し流れてくるのだ。
そんなこんなで苦しみ続けること小1時間、道路沿いの海の見える見晴らしのいい場所に、生ジュースという看板を掲げた売店にたどり着いたので、しばらくそこで休憩をとることにした。
網で囲まれた区画には、鶏が何十匹も放し飼いにされていて、「コッコッコ」という鳴き声が絶え間なく聞こえてくる。
自転車を止めると、売店から「どうぞー」という声。
僕は売店に入った。
その売店は老夫婦が経営しているようで、僕はおかみさんに話しかけた。
「生ジュースいくらっすか?」
「はい、500円です。ちょっと高いけど」
「う~ん、ちょっと高いっすね…」
「缶ジュースもあるわよ。すごいわね、自転車で上ってきたの?」
「じゃ缶ジュース頂きます。いや~、すごい坂ですね、もう本当に地獄でしたよ。」
「そうでしょうねぇ。前に自転車で上ろうとした人がいたんだけど、その人ギブアップって、たまたま私が車で通りかかって上まで乗せたことがあるのよ」
「分かりますね~。僕もギブアップ寸前でしたし」
「せっかくだから、夏みかんあげるわ。水分補給になるでしょ」
おかみさんはそう言って、売り物の大きな夏みかんを1個手渡してくれた。
僕はお礼を言い、外に出て海を見ながらジュースを飲み、下田で買ったバナナを平らげた。
そして、夏みかんは大切にバッグに閉まっておいた。
僕の立っている横を放し飼いにされている鶏が2,3匹通り過ぎた。

自分で言うのもなんだが、ここまで上りきったのは偉業である
子浦ー雲見:
さっきの売店がどうやら峠だったようで、あとはひたすら下り。
今まで溜め込んだ位置エネルギーを一気に放出するように、快調に自転車を走らせ、猛スピードで坂を下っていった。
11時過ぎ雲見に到着。
「雲見温泉露天風呂」という無料混浴温泉が目当てなのである。
昨日の混浴温泉同好会で見つけた今日1番目の温泉が雲見にはあるのだ。
ひとまず海水浴場へ下る階段付近に自転車を止め、海岸付近を散策してみる。
遠くから人がたくさん集まっているのが見えたので、近づいてみるとそれはスキューバダイビングの講習会をやっているようだった。
スキューバはやったことないけど、海がとてもきれいだからきっと楽しいだろう。
スキューバの集団を抜け、岩場の階段を上がると展望台があったが、目的の温泉は見つからず。

釣りだったり、ボートだったり、ただ眺めたり、人々は思い思いに伊豆の海と遊ぶ

西伊豆の集落は海岸沿いの山間にぽつりぽつりと点在する
今度は海水浴場を横断し、逆方向にある観光案内所へ行ってみる。
そこはくじら博物館も付随しているのだが、見学はせず西伊豆の観光案内地図をゲットして案内所を出た。
小さく動く時はロードマップより地元で入手した地図の方が使える。
ウエストバッグのベルトに挟んでおいて、いつでも見れるようにするのだ。
さて、肝心の「雲見温泉露天風呂」がどうしても見つからない。
地図上には確かにあるのだが、一体どこにあるのやら。
よくよく地図を見ると、その温泉はどうやら6月から開くらしい。
仕方ないが、ここは海水浴場のほとりにある足湯で我慢しよう。
まあ看板には足湯とあるのだが、小さい子が水着で肩まで浸かってたりするけど。
僕は靴下を脱いでから、その苦難を乗り越えてきた両足をどっぷりと足湯に浸けて、マッサージをしながらしばし足の疲れを癒した。

手前が足湯で奥が海
朝6時に出発して昨日走った川沿いの道を海岸に出るまで下る。
朝は非常に肌寒く、通気性の良すぎなシャツだけでは鳥肌モノであった。
せっかくウインドブレーカー持ってたんだから着ればよかったのだが。
海岸手前のファミリーマートで朝飯を買う。
鶏のミニ3色ごはんとゼリー飲料をすばやく胃袋に流し込んでから河津を出た。

今日も天気がいいぜ!
河津ー下田:
特に大きな起伏もなく走りやすい道のりであった。
7時過ぎに下田着。
下田はペリー来航の地であり、伊豆では大きめの町で道の駅もあるのだが、まだ朝早いため道の駅は開いていなかった。
特にどこに寄るでなく、下田を通過してしまう。
1時間しか走ってないが早くも腹が減り、コンビニでヨーグルトを買って食う。
ついでに非常食としてバナナも1本買っておく。
下田ー下賀茂:
伊豆半島も南側まで来て、ようやっと半分というところだ。
天気も良いまま気温が上がってきて絶好のサイクリング日和である。
本来ならば最南端の石廊崎まで行きたいところなのだが、海岸沿いは起伏が激しそうであった。
少しショートカットなのだが、川沿いの平坦な国道135号をそのまま走り、伊豆半島の西側へ出る。
小田原からずっと走ってきた135号は、南伊豆町の差田交差点でおしまい。
国道1本走りきりました!
下賀茂ー子浦:
今回の旅、1番の鬼門。
それは松崎まで結ぶ道で、通称マーガレットラインと呼ばれる。
沿道は花畑でライダーに人気のコースらしいが、自転車にとっては地獄のコースであった。
松崎までの距離は約25キロ。
さっそく上り坂から始まるのだが、ここまで楽だった分勢いよく走り出す。
それが大きく裏目に出てしまった。
どこまでいっても上り坂が続く。
上れども上れども一向に下りが出てくる気配がない。
むしろ坂が徐々にきつくなっていく感じである。
口からは「ぐぅへぁ~、ごひぃぇ」と意味の分からないうめき声が漏れ、頭の中では「いっそ楽にしてくれ…」という願いが繰り返し流れてくるのだ。
そんなこんなで苦しみ続けること小1時間、道路沿いの海の見える見晴らしのいい場所に、生ジュースという看板を掲げた売店にたどり着いたので、しばらくそこで休憩をとることにした。
網で囲まれた区画には、鶏が何十匹も放し飼いにされていて、「コッコッコ」という鳴き声が絶え間なく聞こえてくる。
自転車を止めると、売店から「どうぞー」という声。
僕は売店に入った。
その売店は老夫婦が経営しているようで、僕はおかみさんに話しかけた。
「生ジュースいくらっすか?」
「はい、500円です。ちょっと高いけど」
「う~ん、ちょっと高いっすね…」
「缶ジュースもあるわよ。すごいわね、自転車で上ってきたの?」
「じゃ缶ジュース頂きます。いや~、すごい坂ですね、もう本当に地獄でしたよ。」
「そうでしょうねぇ。前に自転車で上ろうとした人がいたんだけど、その人ギブアップって、たまたま私が車で通りかかって上まで乗せたことがあるのよ」
「分かりますね~。僕もギブアップ寸前でしたし」
「せっかくだから、夏みかんあげるわ。水分補給になるでしょ」
おかみさんはそう言って、売り物の大きな夏みかんを1個手渡してくれた。
僕はお礼を言い、外に出て海を見ながらジュースを飲み、下田で買ったバナナを平らげた。
そして、夏みかんは大切にバッグに閉まっておいた。
僕の立っている横を放し飼いにされている鶏が2,3匹通り過ぎた。

自分で言うのもなんだが、ここまで上りきったのは偉業である
子浦ー雲見:
さっきの売店がどうやら峠だったようで、あとはひたすら下り。
今まで溜め込んだ位置エネルギーを一気に放出するように、快調に自転車を走らせ、猛スピードで坂を下っていった。
11時過ぎ雲見に到着。
「雲見温泉露天風呂」という無料混浴温泉が目当てなのである。
昨日の混浴温泉同好会で見つけた今日1番目の温泉が雲見にはあるのだ。
ひとまず海水浴場へ下る階段付近に自転車を止め、海岸付近を散策してみる。
遠くから人がたくさん集まっているのが見えたので、近づいてみるとそれはスキューバダイビングの講習会をやっているようだった。
スキューバはやったことないけど、海がとてもきれいだからきっと楽しいだろう。
スキューバの集団を抜け、岩場の階段を上がると展望台があったが、目的の温泉は見つからず。

釣りだったり、ボートだったり、ただ眺めたり、人々は思い思いに伊豆の海と遊ぶ

西伊豆の集落は海岸沿いの山間にぽつりぽつりと点在する
今度は海水浴場を横断し、逆方向にある観光案内所へ行ってみる。
そこはくじら博物館も付随しているのだが、見学はせず西伊豆の観光案内地図をゲットして案内所を出た。
小さく動く時はロードマップより地元で入手した地図の方が使える。
ウエストバッグのベルトに挟んでおいて、いつでも見れるようにするのだ。
さて、肝心の「雲見温泉露天風呂」がどうしても見つからない。
地図上には確かにあるのだが、一体どこにあるのやら。
よくよく地図を見ると、その温泉はどうやら6月から開くらしい。
仕方ないが、ここは海水浴場のほとりにある足湯で我慢しよう。
まあ看板には足湯とあるのだが、小さい子が水着で肩まで浸かってたりするけど。
僕は靴下を脱いでから、その苦難を乗り越えてきた両足をどっぷりと足湯に浸けて、マッサージをしながらしばし足の疲れを癒した。

手前が足湯で奥が海