野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

日本の山野を華やかなピンクの色で飾るムシトリナデシコ(20-109)

2020年06月02日 07時28分47秒 | 

もう咲き始めていたムシトリナデシコ。名前とは違って、虫を取って食べる食虫植物ではない。茎のネバネバは虫を捕るためのものではなく、アリよけなのだそうだ。江戸時代から日本の山野を華やかなピンクの色で飾ってきた花である。

(2020-05 川崎市 道端) 

 

 

ムシトリナデシコ

ムシトリナデシコ(虫取り撫子) Silene armeria は、ナデシコ科の越年草。ハエトリナデシコ、コマチソウ、ムシトリバナの別名がある。

原産地はヨーロッパで、現在は世界の温暖な地域に広く分布する。茎の高さ30-60cmに成長する。葉は卵形あるいは広披針形で対生し、基部は茎を抱く。また葉の根元から茎が分岐する。茎上部の葉の下に粘液を分泌する部分が帯状にあり、ここに虫が付着して捕らえられることがある。

5月から6月にかけて枝の先に紅色で直径1cmの5弁の花を多数つける。雄蕊は10本、萼は花弁と同じ紅色で長さ約15mmの筒状である。

名称の由来は上記の粘着部で小昆虫を捕らえることであるが、捕獲された昆虫を消化吸収することはなく食虫植物ではない。花の蜜を盗むだけで、効果的な受粉に与らないアリが、茎をよじ登って花に達するのを妨げていると考えられている。

日本では江戸時代に鑑賞用として移入されたものが各地で野生化しており、道端や空き地でも群生しているのを良く見かける。


淡いピンクの花が百合のようにもみえるグラジオラス‘ピュアベール’(20-108)

2020年06月02日 07時15分06秒 | 

淡いピンクの花が百合のようにもみえるグラジオラス‘ピュアベール’。あまりグラジオラスらしくない品種だ。花弁の末端が少し縮れて繊細な印象を与える。

(2020-05 川崎市 道端) 

 

 

グラジオラス‘ピュアベール’

グラジオラス‘ピュアベール’。花の色はごく淡いピンク、正面から見た時の花の幅は5.5cm前後。5月前後に開花する。花は昼間に開き、夜になると閉じる
グラジオラス(春咲き系) ハルザキグラジオラス(春咲きグラジオラス)
学 名 Gladiolus cvs.
分 類 アヤメ科グラジオラス属
原 産 南アフリカ共和国などに自生する、いくつかのグラジオラス属の植物を交配して作り出された園芸品種群
    *春咲きグラジオラスにはコルヴィリー系、チューベルゲニー系、ナヌス系、ほかいくつかの系統がある。
     グラジオラス・トリスティスの血を引くものもある


羽ばたく小鳥のような黄色の花が優雅な「オンシジウム・ケイロフォルム」(蘭シリーズ 20-28)

2020年06月02日 06時40分44秒 | 

小型のランのオンシジウムのうちで黄色の花弁が目立つラン「オンシジウム・ケイロフォルム」。羽ばたく小鳥のような黄色の花が優雅だ。

(2020-02 東京都神代植物公園) 

 

オンシジウム・ケイロフォルム Oncidium cheirophorum Rchb. f. は、ラン科植物の1種。花に香りが強く、小型の洋ランとして栽培される。

特徴
常緑性の多年草で着生植物。偽鱗茎は広卵形でやや扁平、長さ2.5cmほど。基部の苞には苞葉があり、偽鱗茎の先端にも葉が1枚つく。葉は倒披針形で長さ10-15cm、やや薄手の革質。

花期は冬で、花茎は偽鱗茎基部、苞葉の内側から伸び出し、弓なりに伸びて長さ15-25cmになる。花茎は枝分かれして多数の花をつける。花は黄色で、径が約1.5cmで香りがある。花被片は俯きに抱える。萼片と側花弁は円形で、長さ0.6cm。唇弁は側裂片と中裂片の3つに分かれるが、それらはほぼ同大。側裂片の基部は反り返り、その先端はやや内向き。中裂片も内向き。つまり唇弁の中央だけが前に突き出したような形になる。カルスは多肉質で角状をしており、やや白い。蕊柱の翼部は鎌状に発達する。

分布
コロンビア、パナマ。

利用
洋ランとして栽培される。本属では小型種であり、ミニオンシジウムとして重宝される。また美花種の一つとされる。また、栽培も容易で毎年のように開花させられる。ただし、夏の暑さにはやや弱いところがあり、木陰など涼しいところに置いた方がよいとのこと。香りがよくて強い。

本種そのものも原種として出回るが、交配親としても用いられる。特に、同じく小型で香りの良いオンシとして知られるオルニソリンクムの血を引くトゥインクルは香りの蘭として非常に広く普及している。

 


蘭シリーズ・リスト


「エピデンドラム・プリティーレディーミスミ」(蘭シリーズ 20-01)
「スリーピング ルナグラード 」(蘭シリーズ 20-02)
「シンビジウム・アリス・ルナ」(蘭シリーズ 20-03)
「オンキディウム・アンプリアツム」(蘭シリーズ 20-04)
「エピデンドラム 'スター・バレー'」(蘭シリーズ 20-05)
「デンドロビウム・スペルバウンド・ミュー」(蘭シリーズ 20-06)
「シンビジューム・スウィートワイン」(蘭シリーズ 20-07)
「カトリアンセ  ジュエル・ボックス シェヘラザード」(蘭シリーズ 20-08)
「カトレヤ・ウェンディーズ・バレンタイン」(蘭シリーズ 20-09)
「カトレア・コッキネア」(蘭シリーズ 20-10)
「デンドロビウム・フォーミディブル」(蘭シリーズ 20-11)
「ファレノプシス・サクラコ・ファレノ」(蘭シリーズ 20-12)
「ファレノプシス・シレリアナ」(蘭シリーズ 20-13)
「ファレノプシス・メモリア・アン・フェジェン」(蘭シリーズ 20-14)
「ファレノプシス・リトル・メリー・チェリー・ソング」(蘭シリーズ 20-15)
「ファレノプシス・シルク・オレンジ」(蘭シリーズ 20-16)
「ドリテノプシス・シティーガール モリタNo.2」(蘭シリーズ 20-17)
「ファレノプシス・ビーチアナ」(蘭シリーズ 20-18)
「ドリテノプシス・リビングストンズ・ジェム」(蘭シリーズ 20-19)
「ファレノプシス・オトヒメ」(蘭シリーズ 20-20)
「ファレノプシス・ゴールデン・エンペラー "スイート"」(蘭シリーズ 20-21)
「ホンコンシュスラン」(蘭シリーズ 20-22)
「エピデンドラム・コスモ・ドリームカラー アスカ」(蘭シリーズ 20-23)
「エピデンドラム・カショクサイサイ」(蘭シリーズ 20-24)
「デンドロビウム・アオヤマ」(蘭シリーズ 20-25)
「デンドロビウム・ラウシー・ビカラー」(蘭シリーズ 20-26)
「オンシジウム・トゥインクル」(蘭シリーズ 20-27)


ライラックピンクの多数の花弁が特徴的なバラ「インジニアス・ミスター・フェアチャイルド」(薔薇シリーズ209)

2020年06月02日 06時03分47秒 | 

ライラックピンクの多数の花弁が特徴的なバラ「インジニアス・ミスター・フェアチャイルド」。カップ咲きの花が重たげに咲く。花弁の内側が淡くなり、ピンクのグラデーションが目を引く。イギリスのデヴィッド・オースティンの作出によるものである。

(2019-11 川崎市 生田緑地バラ苑) 

 

バラ「インジニアス・ミスター・フェアチャイルド」

ジ インジニアス ミスター フェアチャイルド      The Ingenious Mr. Fairchild
作出  2003年 イギリス David Austin
系統  S シュラブ
交配  未発表

花色  濃いピンク~ライラックピンク
花形  カップ咲き
花径  中大輪
芳香  強香     ★★★★☆
香質  ダマスクにティー
開花  繰り返し咲き ★★★☆☆

樹高  1.5m