せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

散菊紋

2009-02-16 12:45:10 | 小説
さらり、と黒髪が落ちる。
この世界で魔術というものは珍しくなく、それこそ初歩的なもので何かの色を染めたり、高等なものになれば幻術でそう見せる事もできてしまう。だから、鬼が鬼喰に紛れてしまう事だって難しくはないのだ―特に、何百年も生きた彼なら。

「蒼遠は…」
「ああ。…完全に鬼というわけではないが、鬼の血が入っている」

鬼喰と、人狼と、鬼と、人。人狼はさほど気性も荒くなく、人に近い形をした聖獣だから、鬼喰と結ばれても問題はない。けれど、鬼と、人。間違いなく何かが起こらない限り、鬼は人を喰う。そこに愛があったのか、それとも―

「俺の先祖は、フェンリルと、鬼喰。遠菊犀弥と―カイ・ルシフェルだ」

―――


カイが好きです(ry