僕らは似ている

人形を作る時、目に入れるのはガラス玉だ。顔の形を作り、目の空洞に熱したガラスの玉を埋め込み、人に近くなるよう手を加えて漸くその形になる。人形は嫌いだったけど一つ一つのパーツでは、あまり見ていて気持ちの良いものなんかじゃなかった。特にあの、真っ青な、目なんか。

「こんにちは」

そうほら、こんな風、な？

「…こんにち、は？」

これだ、と思ったのは人の目で、生きていてたまに伏せられるそれを人形と勘違いしたのは、失礼な話だったと思う。バツが悪くなって顔を逸らすと"彼女"はにっこりと目を伏せがちに笑って首をかしげた。困っている風に見えるけれど、どこか睨まれているような気が、する。恐怖に似た感情で鼓動が早鐘を打つのを感じながら、もう一度そちらに目をやった。

「君は、海が好きなの？」

ああ、やっぱり、これだ。僕の嫌いな人形の目に、似ている。
微笑みの形を取った表情が恐ろしくて、いつものように上手く笑みを浮かべられなかった。引きつっていただろう。「あんまり、」ひと言返すのがやっとだ、喉が渇いて声が出なくなりそうな感覚に捕らわれる。―いや、もう乾いていたのかもしれない。彼女はしばらく黙り込んだ後、やっぱり困った風に笑いながら「そう」と短く返した。
それから何を話したかは覚えていない。気付いたら酒場でぼうっとしていて、らしくもなく怒られていた。


彼女の名前はヒカリというらしい。
ヒカリの目は人形に似ている。真っ青で芯が無くて、虚ろで表情は作り物。僕なんかよりよっぽど酷い、と思った。けれどどこか深い所で繋がっている。人を信じられない目をしていた。
きっと、


―――
（僕らは似ている）


牧場物語の主ってみんな希望に
満ち溢れた目をしているものだから、
つい死んだ目の子が居てもなんｔ（ｒｙ


一応チハヤの独白。
それにしても初対面の無愛想さは
辛抱たまらん（文字通りの意味で）
営業スマイルくらい出しなさいよｗ