鍼灸師「おおしたさん」のブログです

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腎ときたら心との関係も考えないとね

2013年08月10日 | 東洋医学、東洋思想

腎…ときたら心との関係も考えてみたいところです。(となると…腎と肝、腎と脾もですね。どっかで書きますね) 


腎と心は互いに拮抗する相克関係にありますが、違う角度からその働きを考えてみましょう!

 

心火は腎水のところまで降りて腎陽を助けます。

そして腎水が冷えないように温めています


逆に腎水は心火のところに上がっていき、心の陰を潤わせます。

そして心陽を絶えずクールダウンしてます。


これを「水火既済」とか「心腎相交」とか言います。

 

この「心腎相交」の関係が狂うと、いろんな悪さをするんですね。

例えば心陽が不足して腎陽が温められないと、腎中の陰陽の平衡が乱れてしまいます。

そしたら腎陽は腎陰を温められず、腎陰であるところの腎水は冷え切ってしまい蒸化(気化)されなくなるんです。

 

この冷え切った水寒が心に影響して動悸や水腫等を表すんです。

だから腎を観察する時、動悸とか浮腫とかまで視野に入れて診断するんです。

 

この水寒が上逆して心臓の病変を起こすことを「水気凌心」と言います。

 

 

あと、心は血を、腎は精を蔵するのですが、この血と精はどちらかの不足を互いに補い合う関係にあります。

 

ここで考えたいのがココロの話。

心は神を蔵し、腎精は髄を生じます。

脳は精髄で組成されてるので腎精由来のもの。

だから心血や腎精が欠乏すると、失眠、健忘、多夢といった精神疾患に向かうので要注意!

 

 

今現在の精神状態もチャンと観察して治療に活かし、そこから精神状態をよくしていく。

 

こういうことも鍼灸はできるんです。

東洋医学って面白いですね。


おおした


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