やっと合格しました！！

うちには2浪を許した子がいます。でも行きたい学部に行く事はできませんでした。本人は3浪を希望しましたが、それはさせられないと、後期で受かったところに行かせました。数年前の話です。結局行った大学はかなりマニアックで、その分野においては日本で唯一の大学です。私はその大学に息子が入ったことを誇りに思っていましたし、本人も授業料が免除になるほど勉強を頑張っていました。ですからさぞかし学校での生活を楽しんでいるのだろうと思いきや、どうにも夢が諦められない、だから休学させてくれと言うではありませんか。あの苦しい世界に戻すことに躊躇いがありましたが、言うことを聞く子ではありません。もうお金は出せないが、それでも良いかと聞くと、それで良いと。渋々でしたが、今回だけという条件で休学を許しました。

思えば小学生の時にはすでにこの学部を目標としていました。難易度の高い学部ですし、戦う相手は小学校から毎日何時間も勉強をしている猛者ばかり。そんな子たちと戦うのだ、その道に進みたいのなら、少なくともかなりのレベルの都立高校に行かないと話にならない、と言ったらなんとそこにくらいつき、中学での猛勉強で、5教科だけでなく音楽や体育等、全てオール5、それだけでなく生徒会長に送辞に答辞、全てを引っ提げて、都立で一番か二番には入る学校に行きました。

そんなこんなでのぞんだ共通テストでしたが、今回もあまりうまくいかなかったみたいです。それから何日かして、話があると呼び出されました。なんでもこの共通テストの点数だとどの大学も難しい。だから受験する学部を変更したいと。休学ラストイヤーということもあり、日和ってしまったというのもあるのでしょう。でもそれをしたら絶対に後悔するぞと、人目もはばからず、大戸屋でご飯を食べながら怒鳴り散らしてしまいました。どうもその言葉が彼の琴線に触れたみたいです、共通テストでの点数で、可能性のある大学を調べ上げ、ある大学に焦点を当てました。

そう言えば、これまで物理と何かの科目の点がなかなか上がらず、ずっと苦労をしていました。でも今年はその苦手だった科目を克服できたみたいです。そしてその大学の2次試験と自分との相性も相まり、物理は満点だったと言うではありませんか。あんなに苦労していた科目なのに、彼の口から満点という言葉が出る日が来るだなんて。あとで話を聞くと、手応えがありすぎ怖いほどたと。そして、これで落ちたら悔いはない、とまで言わしめるほどに。それを言えるまでに頑張っただなんて、その高みにまで至ったことは、誇りでしかありません。

ここ何年も、友達との交流もそのほとんどを断ち、悶々としながら勉強を続けていました。でも、なぜあそこまで頑張れたのでしょう。会えば小言を言ってしまいそうな気がして、私は全く会わないようにしていました。なので毎日をどう過ごしていたのか知りません。後で聞くと、どうも兄弟がその息抜きになっていたみたいです。その話を聞いて、兄弟っていいなぁ、ってつくづく思った次第です。

合格したその日から目つきがはっきりと変わりました。そしてただただ謎の浮かれポンチを発揮しています。でもこの長い年月を思うと、大いに浮かれまくっていて欲しい。うん、これでようやくスタートラインに立てましたね。これからが本番、大変な日々が続きますが、これまでの苦労を考えたらね、絶対に乗り越えられます。

合格おめでとう！