ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

題詠blog2012 未投稿歌031~040

2012-09-20 02:35:16 | 題詠2012
031:大人
当麻寺行きて仏像に手を合わす大人の修学旅行流行りぬ

032:詰
詰襟の制服姿も晴れやかに君は卒業証書持ちたり

033:滝
近頃の女子に流行りし滝修行見栄やエゴなど洗い流して

034:聞
新聞を広げてみせて「これくらいだよ」と愛情の大きさ示す

035:むしろ
恋などといふよりむしろ愛かしら君の背中にそっと呟く

036:右
右目だけ鳶色だつたかの家のロシアンブルーのしなやかな風

037:牙
蝙蝠の舞ふ夕方は目に見えぬものたちの牙城昏き川床

038:的
端的にもの言ふばかりがいいでなし窓を見やりて雨音を聴く

039:蹴
幼き日缶蹴りをした公園のブランコの小さき影は変わらず

040:勉強
勉強は生涯逃れられぬもの道端の石が師匠にもなる

題詠blog2012 未投稿歌021~030

2012-09-20 02:06:27 | 題詠2012
021:示
桜色の人差し指で頁くり愛といふ字を君は示せり

022:突然

023:必

024:玩
耳元で玩具のマーチが響いてる子どもに戻る星月夜には
東北の瓦礫を拾い子供らの作る玩具の輝いており

025:触
指先の触れる音して早めたる歩調に君は気づいたろうか

026:シャワー
頭上より滝の如くのシャワー浴び「しゅぎょうみたい」と幼の歓声

027:損
損しても得とればよしといふ教え語りて君は改革をする

028:脂
脂身も骨もきれいに取り除き原型(もと)を知らぬ子ますます増える
青き背の魚の脂の成分で血液さらら長生きの素

029:座
くすくすと座敷わらしの笑ひ声君は聞いたかみちのくの夜
座布団を裏返し去る落語家の弟子は角帯きりと締めをり

030:敗
敗戦の記憶がかえる朝ドラの玉音放送を映像に見て