つらい思い出を水に流すのではなく
りぼんをかけて大事にしまっておく
いつでもリボンをほどいて取り出せるように
きちんとしまっておく
私にしかわからない つらかった事柄を
いつまででも覚えておく
いつかなぜあんなことになったのか 理由がわかったときに
自然とりぼんがほどけて 思い出自体もそれほど重要じゃなくなるかも
入院中
2024年04月19日 | 詩
ひとり病室を離れて
つめたい月を見ていた 非常階段
下を見ると 飲み屋帰りのサラリーマン 仲間で群れ歩く
私と違って自由があっていいなとうらやましかった
学校にいけなくなって数ヶ月
これからどうしようか 考えても分からなかった
何もかもが不安定だった
ふと見上げると 冷たい月
今の自分を許すことで精一杯だった19のとき
友は皆 目標に向かって突き進んでいるというのに
自分は病室で立ち止まっている
そんなわたしをやさしく照らす 冷たい月
くやしい
2024年04月13日 | 詩
くやしい思い出は たくさんある
後悔しても仕方ないのに わたしの心を悔しさが覆う
思い通りにならないことは山のようにあって
いつもわたしを戸惑わせる
悔しくて戸惑いながら生きている
ほんの少しの楽しいを探しながら
帰り道
2024年03月31日 | 詩
学校からの帰り道 わたしは小学三年生
引っ越してきたばかりで 一緒に帰る友だちはまだいなかった
道端には春の花 シロツメクサ れんげ 名も知らない青い花
それをいくつか取って花冠にする
青臭い花の香り
歩きながら
風は温かい 春の風
日差しも降り注ぐ
穏やかな春の日の、学校からの帰り道
静かに楽しかった私の思い出
育ち
2024年03月26日 | 詩
育ちがいい、悪い
…という言い方が嫌いだ
あの人は育ちが悪い、などという言い方をする人間を
信用してはならない
自分のことを棚に上げて他人を口汚く避難する人間が大嫌いだ
育ちなど存在しない
どんな家に生まれようと
自分の意志次第でどんな人間にも化けられるはず
育ちが悪いねなどと そんな事を考えて悦に入っているほど
人生暇じゃないんだ
花粉症で目がかゆいと
「取り出して洗いたい」という人がいるが
私はそんな恐ろしいこと言えない
比喩だとわかっているがそれでも
私は目薬をそっと指し テッシュで拭き取る
そのくらいでいい
目玉を取り出して洗うなんてホラーだ
ほらね私の特性ってこんな感じに発揮される
新入学
2024年03月16日 | 詩
うっすらと記憶の奥にある春の日
母と小学校の校門をくぐった
これからの日々で起こることに胸踊らせながら
学校の先生 クラスメイト 新しいお道具箱
みんなぴかぴか光ってた
笑いながら光りながら私を呼んでいた
大間違い
2024年03月16日 | 詩
普段大人しくて 言うことを聞くからと言って
いつもそうでは無い
いざというときにはNOを言える
私だって言える
いつも言うとおりになると思ったら大間違い
何でも言うことを聞くと思ったら大間違いだよ
