昨年末オープンの富士シティオの新型ショップに、今日初めて行ってきた。富士シティオとは神奈川、東京の山の手住宅街を中心にスーパーフジや、コンビニのスリーエフを展開している中堅スーパー。デリドは、山の手立地を抑えながらオーソドックスな地域密着型食品スーパーのイメージの富士シティオが、多摩美術大学との産学協同事業で開発した新型店である。平塚に続く2号店だが、今回は場所が超都心ということで、同社にとっては初挑戦といってもよいかもしれない。
千代田区というのは、元来は夜間過疎の代表的な地域で小学校の児童数が本当の過疎地並みに少なく、廃校を余儀なくされるケースもあるような場所だ。でも最近では都心回帰による新築マンションの急増で、むしろ生活圏としての機能性欠如が課題となりつつある。かといって、総合スーパーが進出するほどの必要性も、場所もなく、コスト倒れすることから、食品スーパーが目をつけている。現に市ヶ谷にはポロロッカがある。千代田区以外も含め、他の都心地域では大丸ピーコックや成城石井などが積極出店している。
デリドは麹町郵便局の真向かいに位置する。オフィスビルの1Fというポジション。特筆すべきは唐突な場所にある、結構しっかり品揃えされた雑誌コーナーと、店頭近くのセルフのコーヒーコーナー。また店頭はオープンエアで座って寛げるようになっている。
中に入るといきなりご意見箱があり、生の要望と回答が貼られている。
客「宅配をしてほしいのですが…」
店「今のところ宅配システムを導入する予定はございません…」
という感じで、なぜかほとんどの要望に前向きな回答はなし。唯一アールグレーの紅茶を置いてほしいという要望にだけは応えてくれるようだ(何でなかったのか不思議)。
全体的な感想は可もなく不可もなく、特徴もあまりなく、といった感じだった。例えばミネラルウォーターやシリアル、インスタント加工食品などの品揃えは悪くない。比較的小パックものも多く、近隣の1~2人世帯、オフィスなどに対応しているのはわかる。デリカ、パンについてはゾーニングには工夫があるが、品揃え、内容は普通。いや、近隣オフィス需要を考えればむしろ少ない。
価格も高すぎず、品揃えもまあオーソドックスなので、近くに住んでいる人にとっては便利な店だとは思う。だけど商圏住民の世帯数だけ見れば明らかに運営するに足らないらしい。駅から近いわけでもないので、もう少し商圏を広げた品揃えがあってもいい。麹町とか九段下とか曙橋方面にもマンションは建っている。これらの地域は近くにスーパーはあっても選択肢がない。選択肢として提案する独自の品揃えをもう少し考えたら、自転車商圏レベルは取り込めるような気がする。ちなみに私はチェリモヤを買った。うちの近くのスーパー、フルーツの品揃えが弱いので。それ以外にも近所にないものを中心に買物をしたが、ドライアイスの準備はなかった。
スーパーマーケットというのはどこでも「帯に短し襷に長し」のような感じで、ちょうどいいところがないものですね。私の住む町では郊外型店舗が続々進出で、それでもお互いに商圏はそれなりに持てて儲かっている…ような状況のようです。(昔からの商店街は逆に低落傾向まっしぐら。)格差社会の一つがここにあります。
子供の頃、おつかいに行った肉屋さん、魚屋さん。「よく買い物に来たねぇ。今日は何だい?」とたずねてくれるお店のおじさん・おばさん…。そういう感覚で買い物を出来るところはどこかに残っているのでしょうかね?懐古趣味が過ぎるでしょうか?(苦笑)
> 「よく買い物に来たねぇ。今日は何だい?」とたずねてくれるお店のおじさん・おばさん…。
お客さんの方がこういうのを面倒だと思っているってことも、衰退の一因ではないでしょうか。でも仮にスーパーのテナントとして入っていても、もっといえばスーパーそのもののスタッフであっても、こういう気持ちで仕事をしている人はいると思いますよ。知人が20代で親の代を継ぐわけではなく、魚屋を始めました。切り身しか見たことがない同世代もいるなか、20代で今時、魚屋です。綿々と親から子へと商店街の店舗を受け継ぐだけでは、商店街の復権は難しいと思います。そもそも商店街の衰退は大型店の進出だけが要因ではなく、跡継ぎ不足もあるので。
商店街そのものにアイディアがない…というのも事実ではありますが、車がなければ買い物に行けないというのは高齢者にとってかなりきびしいものですよ。(田舎では…。)
確かにそうですね。
だからなのか、高齢者の都心回帰も最近話題です。買物に限らず、病院などでも車がないと、田舎は不便ですよね。
でももちろん引っ越せない人もたくさんいるので、それは宅配とか往診とかそういうことで対応していくしかないのでしょうが、高齢者自らが外に出るということも、健康維持には大事なことなので、難しいところです。