27 こおろぎ から あやとり まで
こおろぎ橋から すぐに 急な勾配を 下ることになった。
戻ることは できない。
川に 近づくためには 下らねば ならないのは、 必定。
手に持っていた カメラを
カバンに 入れる前に、と 1枚を 撮った。
1年前の ゾウさん。 同じような 川沿いの道。
天の岩戸への道で ズボンを 汚したことを 思い出した。
写真撮りに こり固まっていて、 足元を見なかったので
滑ったのだ。 転んでいませんように。
人のことを 気にしてる暇はないのだが、
ゾウさん の姿が ちらり とすると、 ちょっと 安心する。
講師先生の 説明を 聞く余裕はない。
なんとか くっついている そのことだけで 上々に思う。
勉強は あとですればよい。
なに橋は わからないが 写真だけは 撮った。
川を のぞきこんだとき
昨夜の 売店の女性との 会話を思い出した。
鰍の 写真を ながめていたら
ここへ泊った方が 撮って、 送ってくださった、という。
鳴き声きこえますか。…… ハイ。
大きいですか。…… ここのは 小さい方だそうです。
この写真を送った方 芭蕉の句を 知っていたのだろう。
いさり火にカジカや波の下むせび
xxx さっき 渡ってきた こおろぎ橋の 上流で
芭蕉さんは 「夜川漁」を みたそうな。
カジカガエル(河鹿蛙)の声を 「むせび鳴いた」と 表した。
曾良との 別れを 詠みこんだのだろうか。 xxxxxxxxxxxxx
川辺から撮ったのだが、 これ なんだ。 あやとり橋かなぁ。
公園があった。 木の椅子に ぺたんと座りたい気持ち。
西行さんは 春しなむ と 言ったそうだが 私は
この 美しい 紅葉の 頃が いいな、と 思った。
昨日。雨の 那谷寺。 そこの もみじも きれいだった。
この道を行く。下の写真は あやとり橋から 撮った。
呼んでいる。 ゆっくりしては いられない。
でも 再訪はない。 1枚だけ ね。
レシーバ―を つけていない人は 呑気なもんです。
「早く 来て」 と 叫ばれていても 聞こえないんですから。
まあ、 音はあっても、聴く耳は 持っていません。
では また