遠藤雷太のうろうろブログ

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山田洋二監督『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』(1975年)

2024-03-17 22:21:35 | 演劇を見てきた

2024/3/16

・寅次郎が飲み屋で謎の爺さんを拾ってきたことをきっかけに、なぜか市役所の接待を受けたり、金をだまし取られた芸者の話を聞いて、我が事のように怒ったりする話。

・最初の夢シーンは『ジョーズ』のパロディ。ジョーズが1975年、本作が1976年。早い。想像していたより死に方が雑すぎて笑った。源公むごい。

・こういうバカバカしいシーンの場合、味付け濃いめの渥美清の演技と、自然な感じの倍賞千恵子の演技を並べると、さくらのほうに違和感と面白味を感じてしまう。

・寅次郎が目まぐるしい。

・甥っ子のお祝いをしてくれる。人からバカにされたと拗ねる。居酒屋で無一文の爺さんを見かけたから立て替えてやる。家に泊めてやる。高名な先生だとわかると金づるにしか見えなくなる。接待を受けたあとにとらやの飯に文句を言ってイヤな顔をされる。

・満男の入学式の出来事。義憤で始まったのに、最終的に周りにあたり散らかしてしまう寅次郎。

・このシーンに出ている役者さん全員おもしろい。

・社長なのに寅次郎にちゃんと謝れるタコ社長はえらい。

・真顔で「お芋の煮っころがし」と囁くおばちゃん。

・寅次郎に対するさくらの表情。不安8憐れみ2くらいの感情が地層のように積み重なった結果、それ以外の表情ができなくなっている感じ。

・泥棒扱いされても、さくらには甘い寅さん。

・説得されてしんみりしているとらやの人たち。

・わりと急場なのに「姉ちゃん、国はどこだい?」で始まる説得。

・高名な画家の役に宇野重吉さん。言葉数が少なくても、たしかにその道の専門家に見える。

・おいちゃんが転んだのは何だったんだろう。台本なのかアドリブなのかアクシデントなのか。「危ないよ」の一言が効いている。

・鑑定のくだりがやたらと生々しい。

・彼の正体が判明したところで一回話が終わっているように見えるけど、全体の尺の半分手前くらい。

・そのあとの展開は全体的にふわっとしていたけど、予想できるところから、もうひとひねり入れていて、ものすごくきれいにまとめていた。

(U-NEXT)


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