遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ラボチプロデュース のと☆えれき『葉桜とセレナーデ』

2024-08-29 19:41:26 | 演劇を見てきた

2024/8/29

・娘が出産する病院の駐車場で、実の父親と育ての父親がやり場のない感情を発散しあう話。

・初演も見ているので二回目。

・正直、見た演劇の内容はすぐ忘れてしまうので、細かいことはわからないけど、だいぶ印象が変わった。

・たぶん情報の出し方の調整が効いていて、かなり見やすくなっていたと思う。

・具体的には実の父親が警察を名乗るウソの回収と、育ての親夫婦に子供ができなかったくだり。

・初演時には、身分を偽ることによるハラハラが軸になりそうなところを途中で方向転換した感じだったけど、今回は自然に展開、着地させていたと思う。

・出産に立ち会うシミュレーションをしている時に、バレる前の段階なのに「お父さん」って言っちゃってるけど、能登くんの役が瞬時にそれらしい設定を考えたのか、うすうす気づいていたのか、どちらも可能ではある。

・もう一つの能登くんの役の子供ができなかったくだりは、前回もう少し言葉で説明していたと思うけど、今回くらいのバランスで十分伝わる。演技や演出の配分のほうかも。

・エレキ君が立ってるだけで、たしかに違和感なく警察にもヤクザにも見える感じがおもしろい。

・能登くんの、コンビニおにぎりのフィルムを向いて一口食べるまでの所作がきれい。隠れた見どころ。

・役柄や状況にもよるけど、こういう意外と複雑な動きをノイズなく見せられるところがすごい。

・クラップ式の腕立てをやってから、だんだん感情が高ぶっていくうちに、トレーニング的には全く意味のないスクワットにまでクラップ入れていたところが楽しい。

・「父親になれ」「なれない」のくだりで、一人の人間の中で、強い感情が混ざりあわず、原色のまだら模様のまま喋っている様子も好き。

・ゲストは福地美乃さん。声だけでなく、舞台上にも登場する。

・おじさんたちの残念さを俯瞰する役割で、自己憐憫に陥りそうな雰囲気をうまくかき消していた。

・たくさん演者がいる中の3人なら何度も見ているけど、今回は3人だけ。

・初期のyhs成分が濃いせいか、急に三人芝居になったのに、なんだかおさまりがよかった。

・諸条件あって難しいのはわかるけど、ぷらすのと☆エレキの福地さんバージョンも見てみたい。

(8/29 14:00 シアターZOO)


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