2024/8/1
・筆者がインティマシー・コーディネーター(主に映像作品で、性的行為やヌードなど、センシティブな撮影が行われる際に、それぞれの俳優や制作サイドなど、各役割間の調整とサポートを行う人)として仕事するまでの過程と、その仕事内容などを記録した本。
・本屋で見つけて、即買い即読み。
・そもそも著者の来歴がおもしろい。
・高2でアイルランド、二十代前半でチェコ。チェコの大学を卒業して日本でロケ・コーディネーターとしての経験を積む。主な守備範囲はアフリカ。
・アイルランドで彼氏ができたこと、別れたこと、次の彼氏と結婚して離婚したこともさらっと書いてある。
・仕事の見切り方。違うと思ったら辞める。そういう書き方をしているだけかもしれないけど、切れ味がいい。
・必要だと思ったら映画も作る。
・なんというか、人間としてのスケールが大きい。
・当初は表現の敵のような誤解があったけど、現場では調整役としての存在意義が少しずつ認められつつあるという話。
・ラジオ番組の特集を聴いていたので、少しはわかっていたつもりだけど、あらためてコミュニケーションの繊細さが必要なんだとわかる。
・大胆な人生と繊細な仕事ぶりにあこがれる。
・人脈を作るということの大事さは伝わるけど、自分のこととして考えるとなかなか絶望的な気持ちになる。
・アクションコーディネーターとの親和性。
・確かにアクションシーンなら、現場でいきなり「殴り合うシーンですが臨場感がほしいので振り付けはつけません。どうぞ」と言われても演者さんは困るし、専門家がいたほうがいいシーンになるのは誰でもわかる。
・性行為周辺のシーンに置き換えると、直接振り付けはしないまでも、何がOKで何がNGなのか、その現場のルールを明確にすることで、良い演技が生まれる。似ている。
・ただ、インティマ(現場で生まれた略称)は、他の役割との兼業はできない。
・他の役割も担うということは、何かしらのパワーバランスの中に組み込まれるということ。
・ルールの調整者がその影響を受けるべきではない。
・収入に関してもさらりと書いてあるが、重要な話だった。
・とりあえず、下請法や独占禁止法を学ばねばならないのかなと思った。