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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第一部/2

2025-06-28 00:09:00 | 異邦人

2025/6/26

ムルソーは街に戻って残りの休暇を過ごす。海でマリイと会ってそのまま一晩を過ごす。母親が死んでも普段通りの日曜日だった。

思ったより1章が短かった。

とりあえず日本でいう昭和初期~中期くらいの時期で、場所はフランス(アンジェ)。

主人公が男性だとわかった。

海でブイと戯れる男女。球状のガラス玉を想像したけど、たぶん違う。わざわざ検索してしまった。ねばねばしている歩道も気になる。暑いからアスファルトが溶けているのかな。

映画館で時間を過ごしたり、駅から何かの競技場帰りの観客や選手も出てきたり、活気のある街並みの描写。現代と比較して、すごく古くも新しくもない時期なので、かえって想像しにくい部分をたっぷり描写してくれる。

どんなに大きな出来事があっても時間は経つし、生きている以上、生活は続くし、仕事もしなければならない。全人類が抱える悲哀を感じさせるパートだった。

 

「マリイの髪の毛が残した塩の香を求めた。」(p24)

「ママンは埋められてしまった。また私は勤めに戻るだろう。」(p27)

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カミュ『異邦人(窪田啓作訳)』第一部/1

2025-06-26 11:51:38 | 異邦人

2025/6/26

ムルソーは、母親が死んだので主人に休暇を願い養老院に行った。話好きの院長や守衛や入居者たちとともに時間を過ごし、お通夜と埋葬を終えて帰ってきた。

二十年以上前に買ってずっと放置していた作品。

短いのでいつでも読めると思って文庫を開いたら文字が小さい。目が疲れている夜にはもう読めない。

それでも「罪と罰」ほど大変ではないので、章ごとに読んでみるつもり。

1942年刊行の作品で、自分が読んでいるのは新潮文庫、初版は1953年で八十四刷。

主人公「私」の一人称視点。今の時点では男性か女性かもわからない。

母親が亡くなるというはじまり。自分も離れて暮らしているので、なんとも不快な共感を抱いてしまう。冒頭から人生の中の想像したくない部分を持ってきている。

主人公は養老院で、親は親で交友関係を築いていることを知る。

「夕暮れは、この地方では、憂愁に満ちた休息の一刻」(p19)。

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