松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

的前に立つ 後編

2007-11-28 20:39:02 | 和弓と櫨
初めての的前です。
二本とも中っている右の的が師匠。
かすりもしていない左の的が私です。

一本目の甲矢(はや)は、
これでいいのかなぁと、おっかなびっくり矢を離したら、
矢が的の前方でワンバウンドして左の下の安土に引っかかりました。
こういう矢を掃き矢というそうです。

「あぁ~。」と思わず呆れ声を出す私。
「こら!黙って、うまくいったような顔をしなさい!」と叱られます。
射手は中ったからといっておごらず、中らなかったからといって落胆せず
ただ自分の射の結果を淡々と受け入れなければなりません。
あからさまに表情を出してはいけません。

そうはいっても人間は感情の産物。
への字口になりながら、次の乙矢(おとや)を番えます。
もっと弓を引けば、矢に勢いがでて遠くに飛ぶはず。

落ち着いて今度は思いっきり弓を引いて矢を放ちました。
それが的の右上の安土に刺さった矢です。

他人の看取り稽古では、飛んでいく音が聞こえたことなかったのに、
自分の放った矢の音だけは、はっきりヒュンという音が聞こえました。
矢が飛んでいく様子も、妙にはっきりと映像として見えたのが印象的です。

やっぱり、弓は見るもんじゃなく、射るもんなんですね。
まるで、地中でうごめいていた虫が地上に出てきて、
太陽の眩しさに出会うような清々しさです。
練習を続けてきてよかったと思いました。



こうして、私の初めての的前射礼が終わりました。
師匠からは「よし、また巻き藁でがんばらないとね。」と言われました。
次に的前練習に出る前に、またしばらく巻き藁での修行があるようです。

櫨の側木を使った竹弓マスターになるまで、
まだまだ遠い道のりが待っているのを実感したのでした。

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