松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

ハゼノキの歴史は謎だらけ その1

2007-07-26 22:18:43 | 復活奮闘日記
櫨(ハゼノキ)の歴史を調べてみようと思って
軽~い気持ちで本や文献を見ていたら
しょっぱなから大きくつまづいてしまいました。

ハゼノキとヤマハゼのことです。
この二つの品種ははっきりと分けられています。
特徴も違うし。(葉に毛の生えている方が山櫨)

ハゼノキについては、
江戸時代初期に中国から伝来したという文献が残っていますが、
以前のエントリでお伝えしたように
櫨色(はじいろ)などは万葉の昔からあったわけです。
江戸時代に伝来してるはずのハゼノキが
なぜに古代日本に存在していたのか?

そこで私はてっきり
ハゼノキ=中国から伝来
ヤマハゼ=古代から日本に存在
そう頭の中で解釈していました。

ところが、世の中なんでも断言できるとは限りません。
実はハゼノキも古代から日本に存在していた可能性を
否定できないというのです。
ただちょっとばかし蝋分の多いハゼノキが
江戸時代に入ってきたという説も成り立つわけです。

古代の日本には植物学者はいませんでした。
ハゼノキとヤマハゼを、きちんと区別した書など存在しません。
区別どころか、ヤマウルシ、ヤマハゼ、ハゼノキの三品種は全て
櫨(ハゼ)と、ひとくくりにされていたようです。
おまけに呼び名は方言も混じるので、
ハゼ、ハジ、ハンジノキ、ハニシ、オニウルシ
アラ、ユミギ、ユバノキ、ヤマアジサ
イヌハゼ、ハデ、ハデキ、リウモク、ハゼウルシ
マケノキ、サツマ、サツマウルシ、タゥハゼ
(上原敬二「樹木大図鑑」による別名・
出典「ハゼノキ今昔物語」愛媛県内子町)

ま、ざっとこんな調子です。
これらの名前が、
ヤマウルシだろうと、ヤマハゼだろうと
ハゼノキだろうと、お構いなく
適当に呼ばれているのです。
ハゼウルシって何だよそれ…(-_-)

とはいえ、さすがにウルシとツタウルシの場合は、
「櫨」とは呼ばれず、しっかり区別されていたようです。
ちなみに呼び名は
ウルシの場合、ウルシノモエ、ウルス、アカメ、カブレ、カブレノキ
ツタウルシの場合、ウルシヅタ、タニウルシ、ヤマウルシ、カキウルシ、
ダイコンジタ、ウマコロシ、イヌクズ、ノクズ、フジウルシ

「ウマコロシ」ってすごすぎる…。
ツタウルシが、どんだけ恐れられていたか想像がつきますね。

さて、ハゼノキとヤマハゼ。
品種は違うんだから、
何か他に区別するものはないんでしょうか。

植物図鑑ではこれ以上埒があかないので
実際に「ハゼノキ」を使っている現場の人に
聞いてみることにしました。
まずは染色に詳しい方です。

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1 コメント

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はじめまして (koryufan)
2009-06-05 23:48:25
梔(はじ)弓を調べていていたら、このブログにたどり着きました。最近雑木林の稽古場で弓を引き始めたので、栽培種のハゼよりおくれて6月に開花する(ヤマハゼ)に気づきました。葉柄が赤いのもあるようです。
三枚打ちの弓から板(ハゼ)を取り出して加工したことがあるのですが、脆かったことを覚えています。丸木弓に出来るほど弾力があるのか疑問に思っています。また、かぶれが怖いのですが枯らした木の場合にはどうでしょうか?
興味のある記事にあふれているので、これから読ませて頂きます。
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