松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

靴磨き その2

2008-05-21 20:34:15 | ワックスと石鹸
「櫨蝋のワックス」が靴磨きに向いてるかどうか、製造元の野口植栽蝋さんに聞いてみました。

「ああ、いいっちゃないかな。
ほら、博多に政治家とかがお客さんの高級靴を作りよる靴職人がおるって。
そん人が、この櫨蝋のワックスば気に入って買うてくれよるよ。
これじゃないといかんち言うてさ。」

なんとオーダーメイド靴職人の愛用品だったとは。
すっかり自信を得た私は、H・Tさんに商品をお送りして結果を待ちました。
するとすぐにH・Tさんから使ってみたとのメールが届きました。
以下はH・Tさんからの使用報告です。

「感想としては、「これって、もしかしてものすごい高品質なの?!」です。

たまたま昨日届いた作業用革靴があったので、先端の方に塗ってみたところ、す
ーっと溶け込むようになじんでいき、色が映え、光り出しました。喜んで写真に
撮ったのですが、あまり上手く撮れなかったので、部屋の中で先日購入した靴用
革のハキレに塗ってみて、撮影しました。(上の画像です。)
右側が無処理、左側が「櫨蝋のワックス」を塗ったものです。

写真でも十分すばらしさが分かるかと思いますが、本物はもっと美しく差が出て
いました。お見せできないのが本当に残念です。

ちなみに塗り方は、せっかく安全なものを使うのですから、手を良く洗ってから
指先に少し櫨蝋ワックスを付けて、指に靴への愛情を込めながら塗っていきまし
た。今、パソコンを打ちながらふと右手の人差し指を嗅いでみると、ものすごく
上品な楠の香りがしています。

鏡面磨きにはならなかったですが、今のところの感想としては、ワックスという
より、「乳化性靴クリームのものすごく良いもの」です。色は映えるし、艶は出
るし、何といっても手でそのまま塗れるのですから、今まで使っていた「手に付
けてはいけないもの」よりもよっぽど使いやすいです。香りも、今までの靴用品
の中では最高です。(普通のシューケア用品は石油から作られているものが入っ
ていたり、上質なオイルでもミンクオイル(動物性脂)で、匂いを嗅ぐ気にはな
れないものでしたが、櫨蝋ワックスは、むしろアロマに近い、爽やかな香りがし
ました。
正直これほどのものが来るとは思っていませんでした。」


こんなに気に入っていただくなんて、本当にありがたやありがたや。
逆に私の方がメールをいただいて勉強になりました。

それにしても靴磨きの美学というものも、
本当に男の趣味って感じでかっこいいなぁと、つくづく感じ入った次第です。

しかも、それまで私は乾いた布とかでワックスを塗っていたんですが
H・Tさんからのメールをいただいてはっとしました。
よく考えたら「素手で塗れる」わけですよ。

その後、先日行われた北野天満宮の弓道大会で、
私は「櫨蝋のワックス」を先生方の竹弓に、
さっそく素手で塗って説明すると、とても好評をいただきました。

実をいうと、自分でも今イチ使い所がよく掴めていなかった「櫨蝋のワックス」なんですが
ようやくその価値が少しずつわかってきたのでした。

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