ネコのひたい

暴力ネコと映画、写真、音楽を楽しんでます。

グッドナイト&グッドラック

2006-06-25 22:35:55 | 映画・舞台
やっとこの映画のレビューが書けます。(^^;)
(元気のせいでぇ~~~。 「鬼のいぬまに・・・」をご参照下さい・・・。)

私はこの映画の主演俳優、デヴィッド・ストラザーンのファンです。
私が彼のファンでなければこの映画を観に行ったかな~と考えると、ファンで本当に良かったと思いました。
前に「Vフォー・ヴェンデッタ」の事を「骨のある映画」と書きましたが、この映画も正に「骨のある映画」で、ただし「Vフォー・ヴェンデッタ」のような娯楽性は無く、直球勝負の内容になってます。

この映画はマッカーシー上院議員が扇動する反共キャンペーン、いわゆる「赤狩り」を扱っています。
当時は共産主義者のレッテルを貼られると職まで失い、マッカーシーの報復を恐れてマスコミさえも沈黙を守っていました。
そのマッカーシーに対して、エド・マロー(と仲間たち)が立ち向かっていきます。

この映画に関する感想をネットで色々と読ませて頂いたのですが、「赤狩り」の事が分からないから、この映画もよく分からなかった、というご意見が結構多かったように思います。
「赤狩り」については、私も上に書いたような最小限の事しか知りません。

映画が始まる前に「赤狩り」に関する簡単な説明が挿入されているので、全然分からないということは無いと思うのですが、なにしろ淡々と物語りは進んでいくので分からないというよりは、退屈だったのではないでしょうか・・・。(^^;)
実際、場内のあちらこちらから寝息が聞こえてました。

でも、監督のジョージ・クルーニーはあえて娯楽性を無くした作り方をしたのかな、と思いました。
この映画は単に「マローvsマッカーシー」という図式だけの物語ではなく、ジャーナリスト、ジャーナリズムに対しても問題提起しています。

ネタバレになりますので、これ以降読む方はご注意下さいね。
マローは最初と最後のシーンで演説しています。
テレビは色々な可能性を秘めているけれど、使い手の自覚が無ければただの箱だと。
正確な文章を載せたいのですが、それができないのが残念です。

「マローvsマッカーシー」だけに焦点を当てるなら、もっとドラマチックにマローがマッカーシーを追い込んでいく様を演出できたかもしれません。
でも、この映画で重要なのは、むしろこの最初と最後の演説ではないでしょうか。
「赤狩り」はその象徴として扱われているような気がします。

マロー達の問題提起によってマッカーシーは失墜していきますが、マロー達も仲間に自殺者が出たり、職を追われたり、徐々に活動の場を失っていきます。
映画的な完全勝利ではないので、観ていてカタルシスみたいなのはあまり無いんですね。

最後もマローの演説が終わると拍手があるわけでもなく、壇上から去る彼の靴音がかすかに聞こえるだけです。
これも聴衆の拍手で終えた方がドラマチックだったかもしれません。
現に「え・・これで終わり??」っていう空気が映画館にも漂っていました。
しかし、私なんかは淡々とした映画の流れや、こういう終わり方で、よりマローの演説を印象付けられました。

また、パトリシア・クラークソンとロバート・ダウニー・Jr.が演じる夫婦のエピソード(社内結婚は禁止だったのでそれを隠して勤務していた)も最初はいらないんじゃ・・と思ってたのですが、当時はアメリカのしかも放送局ですらそんな社内規定があったという時代背景を語る上で必要だったのかなと思いました。

娯楽性があまり無いといっても、白黒の美しい映像にタバコの煙が映えて、バックに流れるジャズと共にとてもスタイリッシュな映画になっています。
ホントに登場人物がみんなタバコ吸ってますね。(^^;) 本番中でさえも・・・。

そして何といってもマロー役のデヴィッド・ストラザーンです。
ファンだから贔屓目に見てしまうというのを差し引いても、彼無しではこの映画は成り立たなかったのではと思うほどの素晴らしさです。
この演技でアカデミー賞が取れないなんて・・・。
(ここはファンモードが炸裂してます。(^^ゞ)

この映画が感銘深いのは監督がジョージ・クルーニーだということもあるのではないでしょうか。
普段のイメージと違いますもんね。(笑)
私も彼のこの映画に対する思いや、監督だけでなく出演もするのは「自分が出演することによって資金が集めやすくなる」と率直に語っていたのを読んで、とても好感を持ちました。
これからも硬軟自在に俳優、監督として活躍して欲しいですね。

そして最後に一言・・・。
多くの方が書かれていましたが、私も字幕の読みづらさには閉口しました。
言葉の情報量がとても多い映画なので、字幕が読めないというのは致命的です。
これだけが残念でした。
コメント (4)
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かもめ食堂

2006-06-15 15:38:55 | 映画・舞台
良い映画でしたねー。 DVDが待ち遠しいです。 

この映画は二度観ました。
私は邦画を映画館で観ることはほとんどありません。
まして二度観るなんて洋画でも滅多にありません。
でも、特に劇的な事が起こるわけでも無いのに、フィンランドの風景と相まって、何ともいえない雰囲気のこの映画にとても魅了されました。

小林聡美さん扮するサチエがフィンランドで「かもめ食堂」を始め、そこに片桐はいりさん扮するミドリや、もたいまさこさん扮するマサコ、フィンランド人の青年がからんできます。

食堂内はかなり音が反響するようで、出演者が画面から消えたあとも靴音や、食器の音が聞こえます。
それがまた、とても良い雰囲気なんです。

フィンランドの街の色、空の色が本当に素敵で、劇中、もたいさんがマリメッコの洋服を着ますが、やはりフィンランドの風景の中だから映えるなあと思いました。
「フィンランドの風景の色」、実際に行ってもそのままなのでしょうか。

そして何といっても食事ですね!
「かもめ食堂」のメニューはおにぎりや鮭の網焼きなど、日本でおなじみのものばかりです。
私は魚嫌いなので普段は口にする事のない焼き魚ですが、この映画を観ていると美味しそうに感じるから不思議です。
ましておにぎりとなると!!
この映画をご覧になった多くの方が多分、そうであったように、私も映画を観終わった後、むしょうにおにぎりが食べたくなりました。

また、この映画では日本語が美しいと感じました。
登場人物達が、いわゆる「タメ口」で話さないせいか、言葉使いが綺麗です。
ただ一点、残念だったのは、日本好きのフィンランド人青年の事をサチエが「日本かぶれ」と称したことです。
あまり綺麗な言葉ではないですよね。(^^;)
まだ「日本おたく」の方がマシだと思います。
ここは普通に「日本好き」とか「日本通?」とかで良かったのではないかと思っています。

この映画の中ではサチエ達がフィンランドに来た理由を詳しくは語っていません。
原作ではそのへんも分かるようですね。
いつか原作も読んでみたいです。

ドラマチックな事が起こらなくても素晴らしい映画はあるのだということ、そして、スペクタクルな映画(死語ですか!?^^;)でなくても、映画はやはり映画館で観るものだと再認識させてくれた素敵な映画でした。

コメント (9)
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鬼のいぬまに・・・

2006-06-07 00:08:51 | 
最近、元気がパソデスクを占領して困っています。
キーボードも置けないので、ブログの更新やメール等、全然できません。

・・・と↑ここまで書くのに二度、元気をデスクから下ろしました・・・。
鬼のいぬまに早く更新しようと思ったのですが、この有様です。



↑斜めになっておりますが、これは私のパソデスクです。
正面に光って見えてるのがディズプレイ、元気の手元?にチラッと見えてるのがマウスパッドです。
デスクから何度も下ろすのも可哀相だし・・・。
どうしたら良いのでしょう。
映画の感想とか、いっぱい書きたいことがあるのに・・・。

コメント (2)
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