イリアーデの言霊

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「夜警」改め「コック隊長の市民隊」

2014年06月03日 16時22分23秒 | 高橋美由紀

依頼主と芸術性を求めて自身の描きたいように描くレンブラントの乖離を示す作品として最も有名なのが世に「夜警」という通称で広く知られる「コック隊長の市民隊」である。



「夜警(オランダ語:De Nachtwacht)」とは、オランダの17世紀の画家レンブラント・ファン・レインによる絵画作品の通称。より適切な題名は「フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊」(De compagnie van kapitein Frans Banning Cocq en luitenant Willem van Ruytenburgh)である。現在はアムステルダムの国立美術館に展示され、レンブラントおよびオランダ黄金時代の絵画の代表作とされている。オランダの観光資源にもされており、多くの国々から高い評価を受けている。

通称の「夜警」は長い間、この絵画の内容によく合ったものと考えられてきたが、これは絵画の表面のニスが劣化したことにより黒ずんで変色したことによる誤解である。実は、この絵画は昼の情景を描いている。バニング・コック家に保管されていたこの絵画のための素描には、横に次のような記述があり、より適切な題名の手掛かりになっている。

De jonge heer van Purmerland als Capitein geeft last aan zijnen Lietenant de heer van Vlaerdingen om sijn compaignie Burgers te doen marcheren (隊長の若きプルメレント領主(バニング・コック)が副隊長のフラールディンゲン領主(ファン・ラウテンブルフ)に市民隊の行進を命令する)

自警団の隊長であるプルメレント領主バニング・コックと隊員が同じ金額を支払って発注したが、各人が平等に描かれていない上に何も関係のない少女(モデルは先妻サスキア)を目立たせたことで他の隊員達は大いに不満だった。しかし、コック隊長は気に入り、絵画の出来栄えはレンブラントの評価を高めた。


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