イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

火輪(2) 悲劇のヒロインを気取る悪女

2007年06月08日 15時31分14秒 | 白泉社

 先の竜王・敖祥(アオ・シアン)“弱々しい“白”など好きではないし、お固い“黄金(きん)”も苦手だ。だが子供(コアン)の相手ならばあれ(白の白玲)で充分だし、女ばかりの瑤池(ようち)はあれ(黄金の花)には似合いだろう。”兄の軽率さに、《竜王剣の3真珠》の真珠の精霊たちは、“見る者の望み通りの姿と性情になり、そう思うことで更にそうなってしまう”彼女たちの本質を看破し悟っていた竜王弟・祐(ユウ)は呆れ嘆いていました。そう5千年前に人の姿をとり現れ出た《竜王剣の3真珠》を誰よりも、と言うより、唯一、理解していたのは祐だけだったのです。

 正宮(正妃)&妾妃達との間に遂に1人の子も得られなかった先の天帝に売り渡されたカイを誑かす妖婦と看做され、黒韶(ヘイシャオ)天官(天宮の官吏たち)が勝手に追放したのに天の竜王家たる天帝を呪い、愚かにも守ろうとしたはずのカイにさえも恨みの標的にし出奔した時、瑤池の先の金母(西王母)“開(カイ)殿下を惑わした罪で黒韶(ヘイシャオ)を追放!?天宮もバカなことを!!あの妖艶さに迷わない男などいないわ!子供だからと例外ではないはずよ!彼女に性欲を覚えるのは男の身勝手なのに!あたかも彼らは黒韶一人のせいのように!!真珠精にだとて「心」はあるわ、その「心」を踏みつけられたなら痛いはずだわ。この将来(さき)、何ゴトも起こらねばよいけれど…”と、見当違いの怒りを燃やしていた。

 見当違い、そう、カイ黒韶を慕っているのです!愛する祥のためだけに守ろうとしただけ…つまり、黒韶本当は祥のためにすぎなかった!!本心からカイを守ろうとしたわけではなかった黒韶を、カイは母と慕っていたのにそのように母への思慕を抱かれた相手の黒韶復讐の牙をカイにさえも平然と向けたのです。己だけが被害者であると思い込み、悲劇のヒロインを気取って!



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