イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

イック(No.19) -01

2013年06月03日 23時40分02秒 | 高橋美由紀


第2シリーズの「MISSION5~試練の冬~ Episode5」のイック。

UB日本支部に所属する男性メンバー。篠塚不在時の留守を預かり、彼女の代理を務める重責を担う存在である。原作:麻城ゆう / 作画:道原かつみの漫画〈ジョーカー JOKER〉シリーズの主人公ジョーカー JOKER」(スペード(地球系)のJOKER-1)とは表裏一体の「スペード・エース SPADE ACE」のような存在。〈ジョーカー・シリーズ〉のS-Aと飛騨ジェンキンスと、『金田一少年の事件簿』の明智健悟とを足して3で割ったような性格の悪さは今も健在だが、時には篠塚以上に慎悟を気遣う姿が見られ、『エリュシオン 青宵廻廊』のアマゾーン国の前女王に10年来の忠義を貫く近衛隊長のデーリマケイアの如き忠誠心も兼ね備えている。

初登場時は18歳。第1シリーズは18→21歳、第2シリーズは22歳、第3シリーズでは23歳である。誕生日は不明だが、生年は1982年(昭和57年)である。

篠塚(No.9)の「影」と呼ばれる側近達のリーダー的存在で、篠塚の片腕であり“兄弟のような存在”の慎悟の理解者兼保護者であり、時折、任務遂行中の篠塚の帰りを待つ慎悟を訪ねている。UBトップナンバーの恋人ゆえに最高機密事項として扱われる慎悟だが、つき合いの5年という長さから今更「コード405」とは呼べないと笑い飛ばす。立場上、篠塚の“心の安定”のために慎悟を彼女の傍に置き、そのための“道具”としか看做していないかのような印象を他者に与えるが、口には出さずとも慎悟に対する強い“友愛”を抱いており、彼を心の底から大切に想っている。

一人称は普段は「私」だがたまに「俺」であり、「城南一高」篇は篠塚と同様に「僕」だった。篠塚不在時の留守を預かり、彼女の代理を務める重責を担う存在である。但し、篠塚の任務遂行の拠点となる支部の指揮を代行することであり、必ずしもUB日本支部でとは限らない。地毛はショートヘアだが“エクステ”を愛用しており、篠塚以外でコロコロと髪型が変わる。特に、第1シリーズの「DUTY32:標的」の中で髪が短くなったり長くなったり忙しかった。前髪は慎悟護衛時は篠塚と同様にオールバック→左分け→真ん中分けと変動し、慎悟と篠塚の和解を成立させた頃はオールバック、その後は真ん中分けになった。

篠塚の行動を察知する明敏な青年である。第2シリーズの終盤「MISSION5~試練の冬~」で慎悟が護衛対象の少女の横恋慕に巻き込まれて「ENU」に拉致された際、組織のトップとしては身動き出来ない篠塚が「No.9」としての己を保持したまま立場を捨てて慎悟奪還に動き、彼の情報を餌に“待ち合わせ”を暗に示した「煌龍」の結城と合流しドイツに飛んだことを半歩遅れるも“相容れぬ敵同士だが情報は欲しい、ならばどうする?立場を捨てて個人で動けばいい!”と影の中で唯一看破した。

慎悟との馴れ初めである「城南一高」篇までは身長が慎悟を含め3人+No.7とお揃いの175cmで、まだ成長期に差し掛かったばかりで顔も体格も篠塚とはそう違わなかったため、篠塚が抜けなければならない時に入れ替わって慎悟の護衛を代行する等、篠塚と“二人一役”で男子生徒「篠塚高」を演じていた。しかし、その任務を最後に成長期のラストスパートで10代の成長は男女の性の差異を露わにし、その面影を残すだけの“異性双生児(mixed sex twins / opposite sex twins)”と呼ばれることもある“二卵性双生児(fraternal twins / dizygotic twins)”の男児が成長したような姿になった。慎悟のクラスメイトだった森田も帰京した慎悟と顔を合わせた際、今はもう篠塚の影武者は完全に無理だろうと評していた。慎悟とはお互いに嫌悪感を抱いての出会いだったため、篠塚との差別化を図った慎悟に「イック」と命名された。コードナンバーに誇りを持っており、ふざけた命名に反発して呼ばれる度に抗議するが、その「イック」と「ニセモノ」としか慎悟は呼ぼうとしなかったため、半ば諦めてもいたので惰性で呼ばれていた。しかし、慎悟と信頼で結ばれてゆくにつれ「イック」と呼ばれることを好むようになる。生きることは変わり続けることであり、人と人との出会いが変革を齎し成長を促すのが人であるため、昔と「城南一高」時代とではかなり内面が変化しており、かなり醒めた性格だったが、慎悟との交流で多大なる影響を受けたことで篠塚もその変化に驚いていた。

当初、篠塚以上に無表情で石像のように冷たく尊大で陰険であったため、それが慎悟の嫌悪感を逆撫でし、険悪な雰囲気が中々消えずに任務で関わる人々の心情を軽んじがちだった篠塚にすら頭痛の種となった。慎悟に対して辛辣で差別意識に満ちた言動を繰り返し険悪な関係は自身が元凶となって悪化するばかりだったが、半分は篠塚を守らんとしての「S-A」のような理由と立場ゆえの行為だった。しかし、半分は本気の暴言である。

篠塚に恋い焦がれる慎悟の存在は彼女にとって害毒だと忌避し、「DUTY8:冬の情景」で篠塚に余計な負担を被らせる厄介者として映ったため、護衛よりも彼に対する嫌悪感を優先させて負傷させてしまった。しかし、次第に心を通わせてゆき篠塚に必要であると考えを改めてゆく。その後も慎悟に対して辛辣で差別意識に満ちた言動を繰り返し険悪な関係は自身が元凶となって悪化するばかりだったが、半分は篠塚を守らんとしての行為だった。しかし、半分は本気の暴言である。自分達「UB」が世界とそれを構成する人間達の下僕である立場を弁えず、任務を遂行しやすくするために世界各国の中枢にメンバーが入り込んでいるため、自分達「UB」が世界を支配しているかのような錯覚に陥った一人だった。逃避し始めた篠塚と口裏を合わせて彼女に対する口づけや告白を自身がされたかのように振る舞いもしたが、その頃には既に慎悟は「2人の篠塚」の見分けが出来ていてあまり効果はなかった。

趣味は“チャット”で、休日にはよくチャット仲間のNo.5とチャットで遊んでいる。第1シリーズの「DUTY28:ヒーロー」で現実と妄想を混同したことで篠塚の意識を麻痺させてしまったオタクの少年を誘導し、テログループの危険から守り抜いた。この任務は趣味のチャットを活かして大活躍した珍しいケースだった。


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