イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

あしたの愛-彷徨える日本人たちのプロローグ

2007年06月18日 03時41分24秒 | ドラマ
 小松左京氏の空想科学ドラマ『日本沈没 第1部』(光文社版)ドラマ化した『日本沈没』は、2番目の映像化作品であるTVドラマ小野寺俊夫:村野武範 阿部玲子:由美かおる 田所雄介:小林桂樹 中田一成秘書官:黒沢年男 邦枝助教授:山本圭etcによる『日本沈没』 (1974年)です。この作品は、どの『日本沈没』よりも心に残っているのは、最初に見たモノだからというのが一番の理由だと思います。その次に観たのは小野寺俊夫:藤岡弘 阿部玲子:いしだあゆみ 田所博士はTV版と同様 中田一成秘書官:二谷英明 邦枝助教授:中丸忠雄etc…私が最初に見たTVドラマ版に先んじて制作され、公開された劇場版の『日本沈没』(1973年)でした。但し、原作者・小松左京氏によれば“世界を彷徨う日本民族の行く末”…これこそが『日本沈没』のメイン・テーマであり、映像化された部分“日本の国土が殆ど消失する沈没現象”壮大なる序章 …そう、舞台設定として岩礁のような欠片を残して日本海中に没したとか

 TVドラマ版DVDの完結巻に収録されていた談話作ではシベリア鉄道みたいな列車で日本民族が放浪する第1部(映像化された部分)で終わっと話していた通りに、昔の映画での小野寺が怪我を負いながら玲子との再会を夢見て貨物列車に揺られているラストのシーン心に残っています。リメイクされた映画『日本沈没』(2006年)地盤沈下大地震などの災害、そして洪水最後に日本が沈没するシーン昔の作品に比べるべくもなくリアルに描かれているのでしょうが、映画を観たいという吸引力どころかを動かされる魅力さえ感じない のです。

 TVドラマ版での、五木ひろしさんの歌う主題歌「あしたの愛」はとても素敵です。「第14回 明日の愛」阿部玲子の高校時代のクラスメイトであり、彼女に想いを寄せる遠洋航路の航海士・桂省吾役ゲスト出演した五木さんの船出にかぶさるように、“日本沈没”という哀しい現実を描くドラマの主題歌が流れました。五木さんの演じる田所《気ままなカモメ》という“噴火の映像や地震のデータetc”を送り続けていました。嘗て、新潟地震で両親を失ったは、何かの形で日本の地震研究に役立ちたいと心に誓ったからだったのです。ラストの、遠ざかるの乗る船を見送りながら、“今度、あの青年が還ってくる時は…日本はもう……”という田所博士の言葉が重かった。

 TVドラマ版唯一の欠点というか、いい加減なシーンを答えるならば、最終回「東京最後の日」高台から足を滑らせて落ちかけている玲子と彼女を助けようとする小野寺が助かったのか否かはどうなのか?救助のヘリが来たけれど2人が洪水に呑み込まれて死んだかもしれない可能性もあるので、その重要な部分がハッキリせず、“日本は沈没した”というナレーション(内藤武敏)で幕になっている事です。


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