第1巻
第1話 オアシスのバラ
第2話 金の月
第3話 チャイナ・グリーン
第4話 リトル・ロマンス
第2巻
第5話 呪いの星
第6話 ゆれる砂漠
第7話 砂嵐
最終話 花離宮
『花離宮』
文庫版 第1巻
第1話 オアシスのバラ
ラシード:やはり、ラウルはわたしがひきとる。あぶなくて、あずけておけない。
ナタリー:そんな。
ラシード:ラウルがこんな目にあったのももとはと言えば、おまえのせいだぞ。それにおまえは大事なことを忘れている、ラウルは我が王家の一員――兄上の跡を継ぐべき男なのだ。兄上は第一王子としてやらねばならぬことがたくさんあったのだ、国のため…王家のため。それをこんな…兄上は勝手すぎる。
ナタリー:―――あなた。人を好きになったことがないんでしょう、恋をしたことも。それじゃあ、わかるはずないわよ、リフの気持ちなんか!リフは人間らしい自由がほしくて…。
ラシード:勝手に生きることが自由か!
ナタリー:(ラシ……。)
ラシード:兄上が国に残してきたもののすべてをこのわたしが引き受けねばならないとしても、その自由とやらをわたしが望んでいないとでも……。
ナタリー:(ラシード……あなたは……。)ラウル、お父さんの国へ行ってみたい?
ラウル:うん、ナタリーもいっしょに?やだ、いっしょじゃなきゃ~~。ここにいたいよォ。
リフ:自分らしく安らげる、わたしの……オアシス。
ナタリー:(すべての重荷をラシード一人に背負わせてしまっているとしたら。)
ラシード:わたしが自由を望んでいないとでも。
嶋田良一(しまだ・りょういち)
第1シリーズの「DUTY7:メッセージ」の始まる1ヶ月前に亡くなった慎悟の幼馴染。慎悟とは産まれた病院も一緒で兄弟のような関係だった。
カメラマン志望だったが両親に反対されるも憧れのカメラマンに弟子入りして渡米することになり、慎悟にそのことと学校を辞める決意を告げた。しかし、突然のことにパニックに陥った慎悟と喧嘩になってしまい、その直後に事故で死亡した。実は、銃犯罪撲滅に尽力した政治家が殺された事件で目撃した訳ではないのだが偶然にも撮影してしまい、口封じの殺害を企てた犯人(竜童)に追われてトラックに撥ねられた。その直前に証拠写真は、慎悟といつも使っていた屋上の踊り場のロッカーに隠した。
沖縄の親戚に引き取られて“雪”とは無縁の生活を送った慎悟に“富士山の雪”を誕生日にプレゼントしようと、彼の誕生日に富士山に登り“雪”を持ち帰ろうとしたが、遂にプレゼントを慎悟に渡せぬままに絶命した。17年で人生に終止符を打たれたことを嘆き悲しんだに違いないが、一番の無念は慎悟の誕生日を自身の命日にしてしまったことかもしれない。
森田まさよし(もりた・まさよし) / 佐野裕一(さの・ゆういち)
「DUTY7:メッセージ」で慎悟の護衛に就いた篠塚(No.9)と時折入れ替わるイック(No.19)が出会った、慎悟のクラスメイト。慎悟にとって亡き良一に次ぐ友人達。
不良達の反発を買った篠塚が女性だと暴かれそうになった時も、慎悟に加勢して本当に女性だとは知らずに篠塚を庇った。ススキの高原に慎悟を連れ帰るための人員として誘き寄せられ、その時は彼を高校に戻すことに形の上だけでも成功するが結局は1年後に慎悟との別れを迎える。その際に去年の冬の出来事の真相を教えられ、自分達が慎悟を捨てるための道具として篠塚に利用されたことを知りショックを受ける。しかし、一番傷つきながらも彼女を捜して旅立った慎悟の想いの深さを改めて思い知り、篠塚の情報収集に全力を尽くした。
一旦、骨休めに帰京した慎悟と再会した時には、森田は志望校全滅で予備校通い、佐野は辛うじて志望校の1つに引っ掛かって大学1年生をしていた。慎悟が所持していた男子生徒の姿の“篠塚の写真”は、彼の想いを消せないことを悟った彼らが、篠塚の“隠れファン”に拝み倒して入手し、慎悟にプレゼントしたモノだった。慎悟と篠塚が和解し共に生きることを決意した際、別れのメールを受け取った。お互いの無事のために、永訣と知りながらも2人は慎悟との別れを受け入れた。
いつものように迫って首を斬りおとされかけた間抜けなハンス
「ENU」のタラシ(ハニートラップ)担当のハンスは、今迄誑かして操った女達と同様に篠塚に迫る愚を犯した。誰もが自身の魅力の虜になると過信した結果、首を斬りおとされかけたのだった。
慎悟の生年…生まれた年がわかった。第2シリーズで彼は21歳であり首都圏第2空港である「成田国際空港」がその名称に変更されたのは2004年(平成16年)4月1日なので、それを手掛かりに篠塚と出逢った年は2000年(平成12年)で生まれたのは1983年だとわかった。
幼い息子を連れ立って山歩きをする程に山が大好きな夫婦というだけの、慎悟の両親のデータを模索中。一応、今現在これだけ決まった。名の「澄江」は私の母「すみ江」から、旧姓は横溝正史の〈金田一耕助〉シリーズの『車井戸はなぜ軋る』で本位田家の滅びの原因である事件の真相を解明し、悲しみのあまり絶命した本位田鶴代の姓「本位田」から。そして、生年月日&星座は『スケバン刑事(デカ)』の麻宮サキのモノを採用した。親子の年齢差に丁度良いと思うから。
慎悟の父は乙女座一家にしようと、その中で妻と息子の中間に位置する乙女座に。名前は伊庭竹緒の漫画『黄昏の楽園』で後ろ向きで周囲を見下す名誉貴族の一条侯爵家の当主である「一条珂月(いちじょう・かづき)」の祖父の名を貰った。日本の皇族・華族にありそうな名前を一目で気に入った。慎悟の母の旧姓にと思った「本位田」も元々『車井戸はなぜ軋る』の中で旧家という設定だし、本人は兎も角先祖が泥棒か名士かというのは調べないとわからいのは誰しも同じことだ。
橘慎悟(たちばな・しんご)
身長:175cm→178cm
体重:58kg→65kg
誕生日:1983年(昭和58年)9月21日
星座:天秤座寄りの乙女座
干支:亥(いのしし)
※2005年(平成17年)の現在、22歳。
橘鷹顕(たちばな・たかあきら)
星座:乙女座
※慎悟の父。
橘澄江(たちばな・すみえ)
旧姓:本位田(ほんいでん)
生年月日:1958年(昭和33年)8月26日
星座:獅子座寄りの乙女座
※慎悟の母。