イリアーデの言霊

  ★心に浮かぶ想いのピースのひとかけら★

筱に未来永劫の至福を!

2008年11月12日 22時56分35秒 | 小説

 筱を殺したことを悔い改め、結城光流が彼の復活を描くのはいつなのかしら?最初から篁の身代わりに死ぬ「身代わり人形」&物語を盛り上げるための「スケープゴート(生け贄)」として創造され、予定通りに闇から闇に葬り去られました。

 生まれてすぐに死んだ筱はその存在を父により抹消され、楓や融のように篁の欠けた魂を補う役割は与えられず、結城光流によって都合のよい存在として利用され、死んでも元から存在しないという位置づけにされたのです。

 そんな結城光流の思惑により、生まれて一刻(=約4時間)も生きられずに死んだ最初の死、人の定めを捨て我が身を鬼に堕とした2度目の人としての死、弟・篁の命と幸せを守るために「狭間の谷底」で無惨に殺された3度目の死により“禁鬼の定めである魂の消滅”という「永劫の終焉」を迎えました。

 如何に本来の道筋とは異なる定めであろうとも歩まねばならぬとはいえ、最初から最後まで犠牲になり続け、最後は魂の消滅という完全なる死です。弟と共に生きる筈だった定めを断ち切られたならば、その後の歩みに筱が味わった苦悩を遙かに上回り、本来の人生を断ち切った罪を…あんな酷い死に方をさせた罪を結城光流が償って余りある生を筱は得て当然です。

 全てを捨てても守りたいと願った愛する弟・篁の永劫の生を共に生きる永遠のパートナーという至福を筱に与える日まで私は結城光流を許さない。