goo blog サービス終了のお知らせ 

子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

春休みの読書の参考に

2010年03月26日 | 日記
童話作家52人アンケート結果

人気作家ベスト3

【国内】
1位 宮沢賢治:「鹿踊りのはじまり」「セロ弾きのゴーシュ」「注文の多い料理店」
         「銀河鉄道の夜」「なめとこ山の熊」「やまなし」「雪渡り」

2位 あまんきみこ:「あまんきみこ童話集」「おかあさんの目」「車のいろは空の色」

3位 安房直子:「さんしょっ子」「きつねの窓」「夕日の国」
   今江祥智:「ぼんぼん」「物語100」「ぱるちざん」
   小川未明:「赤い蝋燭と人魚」「月夜とめがね」「金の輪」
   山中 恒:「あばれはっちゃく」「あれがあいつであいつがおれで」
         「ぼくがぼくであること」
    
【国外】
1位 エリナー・ファージョン:「ムギと王様」「サン・フェアリー・アン」
               「エルシー・ピドック夢で縄跳びをする」

2位 A.Aミルン:「くまのプーさん」「プー横丁にたった家」

3位 サン=テクジュペリ:「星の王子様」
   マーク・トウェイン:「ハックルベリー・フィンの冒険」
   フィリッパ・ピアス:「トムは真夜中の庭で」「まぼろしの小さい犬」
   アーノルド・ローベル:「ふくろうくん」「ふたりはともだち」「がまくんとかえるくん」
               「ぼくのおじさん」


『飛ぶ教室Vol.18 特集「童話って何?」-作家52人アンケート-』(光村図書)より

(文責:S)

学年末おはなし会

2010年03月24日 | 日記
3月23日(火)ときどき

昨日は、中学校の卒業式でした。
卒業生を祝福するかのように、校庭の桜も咲き始めていました。

ご卒業おめでとうございます。
いつも初等の子どもたちを、あたたかく見守って頂き、ありがとうございました。


おはなし会で読まれた本を、定例会で話された内容とともに、紹介いたします。

学年末おはなし会プログラム

「けんかのきもち」(絵本)

こうたとケンカして負けてしまった、たい。
くやしくて、家に帰って、お母さんのひざで泣いても泣いても、泣きたい気持ちが終わらない。
こうたが謝っても、「ケンカの気持ち」は収まらない。でも、美味しい餃子を食べたら…。

(柴田 愛子/著、伊藤 秀男/絵、ポプラ社)


子どもの喧嘩は、優しく見守ってあげましょう
もともと子どもの世界は理不尽な事ばかり。
そこに下手に大人が介入したら、かえってややこしくなったりしますよね。
美味しいものを食べて、ぐっすり眠れば、もうケンカの気持ちは収まっているものです。

6年生卒業おはなし会で読んだ「ぜっこう」と一緒の「あそび島」シリーズのひとつです。



「ウグイスホケキョ」(絵本)

春の山で、ウグイスの子どもが鳴き方の練習をしています。
シジュウカラやメジロの上手な鳴き声を聞いて、みんなにおいつこうと、「ホーホケキョ」と、上手に鳴けるまで頑張ります。

(三宮麻由子/文、飯野和好/絵、福音館書店「ちいさなかがくのとも2010年3月号」) 


春の山で、ときどき、下手くそなウグイスの声を耳にすることがありますが、これからは、「ウグイス君!がんばれ~!」と応援したくなる、そんな絵本でした。
子どもたちも、なかなか上手くならないウグイスが、最後に上手に歌えたときは、(やった~!)といった顔をしていました。ホントに、みんなかわいい~です。

作者の三宮さんのコメント
「この本を通して、子どもたちに、人が見ていなくても、結果をおわずひたむきに努力する気持ちを、ウグイスと一緒に育んで欲しいと思います」

三宮さんは、幼くして、視力を失いました。エッセイスト、絵本作家として活躍されています。
鳥の声を見分けられ、鳥の鳴き真似も上手な三宮さん、日本オーディオ協会から「音の匠」という称号を授与されているのです

三宮さんならではの素晴らしい「音」の描写を、ぜひ他の作品でもお楽しみください。
エッセイもお薦めです。

「でんしゃはうたう」(絵本)←お薦め以前、低学年で読み聞かせしました。
「おいしいおと」(絵本)ご飯や春巻きを食べるときの音は?
「おでこにピツッ」(絵本)いろんな雨の音がきこえるよ
「そっと耳を澄ませば」(エッセイ)←エッセイスト・クラブ賞受賞作品
3年生は、聖書の時間に、盲人に対するエチケットや、点字を習ったようですね。特に、雨の日は、杖をついて歩いている目が不自由な方に出会ったら、そっと手をさしのべてあげましょう。
眼が不自由な方は、雨の日の外出が厄介だそうです。両手が杖と傘で塞がれ、傘の覆いで、いつもは敏感に感じられる圧力(壁や障害物を独特の圧力で感じるそうです)が感じられなくなり、近づく車の音もいつもと違って聞こえてくるのだそうです。


「カチカチ山」(語り)

いたずらタヌキにおばあさんを殺され、打ちひしがれてしまったおじいさん。
おじいさんの代わりに、ウサギがかたき討ちに立ち上がります。
最後は、土の舟でブクブク…。
(こぐま社「子どもに日本の昔話③」より)


ご存じ(?!)、日本の有名な昔話、カチカチ山。
子どもたちも、タイトルコールの時点で、「知ってる~!」と声をそろえて叫んでいましたが…。
さぁ、今回のカチカチ山は…?

「カチカチ山」は、前半の婆汁のあたりと、後半の執拗な仇討ちが、残酷すぎやしないかと、いろいろと改作されたものが出ています。
最後はみんな許し合って仲良くなるのがいいか、悪いことをしたら必ず報いがあるということを残酷ながら話聞かせた方がいいのか…。
いろんな「カチカチ山」を読み比べてみるのも楽しそうですね。

番外編ですが、大人向けに…、
太宰治の「お伽草紙」の中の「カチカチ山」も面白いです
ウサギとタヌキを、美少女と、彼女に恋するブサイクな中年男に見立てています。
男が湖には沈みながら吐く最後のセリフが、インパクトあります。
「惚れたが悪いか」



「ダンゴムシみつけたよ」(写真大型絵本)

学校の庭でもおなじみのダンゴムシ。大型写真絵本で、直径30cmくらいになって登場!
ダンゴムシのすみか、食事、うんち、卵、赤ちゃん、脱皮…
これで、みんなダンゴムシ博士、間違いなしです。
(皆越ようせい/写真・文、ポプラ社)


「うわぁ~!気持ち悪い~!」と言いながら、身近な虫、ダンゴムシにみんな興味津々でした。
春にもぞもぞ活動しはじめるダンゴムシ。
制服のポケットに入っていても、怒らないであげてくださいねぇ~


「女トロルと8人の子どもたち」(絵本)

手のひらに羊がのっかってしまうほど、大きな大きなトロル。ある日、女トロルが男トロルに恋をして、8人の子どもを産みました。女トロルは、8人の子どもたち全員にたっぷりお乳を飲ませ、たっぷりの愛情を注ぎます。大きくなった8人の子どもたちを父親に会わせたくて旅に出ますが…。
(グズルン・ヘルガドッティル/著、ブリアン ピルキングトン/絵、偕成社)

妖精とトロルの国、アイスランドのお話。
トロルと言うと、「三匹のヤギのガラガラドン」のように、悪さをするトロルを想像してしまいますが、こちらのトロルは、醜いけれど、優しいお母さんトロル。そのおおらかさ、たくましさが、挿絵からも、ストーリーからも溢れ出ていて、素晴らしい作品だと思います。

岩が転げ落ちたら、トロルが掃除をしたということ。火山が爆発したら、トロルが料理をしたということ。地震が起きたら、男トロルと女トロルが愛し合っているということ。山から白い川が流れてきたら、赤ちゃんトロルがたくさんお乳を飲んだということ。

火山活動が盛んで、日本に似て地震の多い国アイスランド。溶岩大地には、コケや草が生えているだけで、自生する木はほとんどないそうです。
トロルにまつわるアイスランドの言い伝えから、そんなアイスランドの自然をも、子どもたちは想像できたのではないでしょうか。

女トロルが、愛おしい8人の子どもたちに、愛情たっぷり、それぞれに呼びかけるシーンがあります。子どもたちは、ちょっと照れてるような感じでしたが、みんないい顔で聴き入っていました。


以上、2009年度のおはなし会は、これにて、無事終了しました。
みなさん、聴いてくれて、ありがとうございました

また、来年度も、よろしくお願いいたします。

(文責:S)

春の本

2010年03月20日 | 日記
4月に向けて読んでみたいなぁという本を何冊か挙げてみます。(by I)
=図書館にも発見!

はじめまして
 このタイトルの本はいくつかあります。
 そのうちの新沢としひこさんの書かれた(絵/大和田美鈴さん)本は、英語との併記版や
 大型絵本も出ています。
 五味太郎さんのも、人間関係が表現されていておもしろそう。
 グザビエ・ドゥヌさんの本は、幼児向けのはじめて絵本のようですが、表紙からして
 とても可愛いです。これも要チェック。

はじまり はじまり
 こちらも同名の本が見つかってしまいました。
 想定していたのは荒井良二さんの書かれたもの
 今江祥智さんの「絵本劇場へどうぞ」という副題のついたものまでありました。

よいしょ
 こちらも同名本を発見!
 工藤直子さんの書かれた、インゲンマメの発芽からはじまる写真絵本です。
 もうひとつの「よいしょ」は三浦太郎さんの「はたらくくるま」の絵本でした。
春らしいとご紹介したいのは上のほうですね。

あとは番外編で気になったのが↓こちら(主に大人向け)

ミヒャルスティ夫妻の手作り工作絵本
 日本語版が出ていて、原題が分からないのですが、3冊シリーズで「工作」「お絵かきと工作」
「木工」となっています。原版がほしい!と思いましたが、あるとしてもドイツ語ですね

世界のお弁当(服部直美・著)
単純に好奇心です。韓国、イタリア、エジプトもあるとか。

わたしとあなたと、黒い犬(マシュー&エインズリー・ジョンストン/著、岡本由香子/訳)
うつ病の対処法などを表現した本だそうです。普段、あまり病気の本は読もうと思いませんが、
経験者の方が、家族や周囲が共倒れせずに支えていくコツが示しているというので、とても
画期的な気がしました。




3月16日の定例会より

2010年03月17日 | 日記
3月16日(火)ときどき

昨日は、定例会が開かれました。

1・2年生対象の、おはなし会で読む本の選定が主でしたが、

こんな春らしい本も、紹介されました。


「ふきのとう」(かがくのとも2000年2月号、福音館書店)

 ふきのとうは、蕗(フキ)の花。雄フキ、雌フキがあるのです。
 土の下に、地下茎を縦横に張らせて、秋にはもう小さなつぼみを出しているんですね~。
 ふきのとうの天ぷら、フキ味噌…食べたくなりました。ふふふ


「春になったらあけてください」(増井邦恵/作、あべまれこ/絵、BL出版)

 懸賞応募が趣味のお母さん。
 ある日、「春になったらあけてください」という手紙と一緒に、大きな缶詰が届きます。
 「中身は?」「春っていつ?」家族は、食卓で楽しく想像します。
 バラの苗を手入れしていたお母さんが、突然、思い出します。
 さて、缶の中には…?

 なんとも、優しい家族のおはなし。ほのぼの~
 

「おおはくちょうのそら」(手島圭三郎、リブリオ出版)

 北海道の湖で冬を過ごした白鳥家族。春前に、北の国へ渡らなければなりません。
 しかし、一羽、病気の子白鳥がいて、なかなか家族は旅立てません。
 とうとう、お父さん白鳥が、子白鳥をおいて、旅立つ決心をするのですが…。
 感動の白鳥家族の物語です。

 
手島圭三郎さんの作品は、「しまふくろうのみずうみ」を、2学期末のおはなし会で、全学年に読み聞かせをしました。(絵本ではなく作品、アートと呼ばせていただきます
子どもたちは、息をひそめてじっと見入っていました。
ある子どもは、翼を広げる神々しいシマフクロウを見て、「かっこいい…」と漏らしていましたよ。
迫力あるみごとな版画で、北海道の大自然で暮らす動物たちの生態が、生き生きと描かれています。

図鑑や写真絵本もいいですが、大自然残る北海道に棲む動物たちの生活を、絵本から知って、自然や動物について想いを巡らす…のもいいのではないでしょうか。

「北の森から」シリーズ、「極寒に生きる生き物」シリーズがあります。
すべてお薦め(本の好みは、個人差がありますので、あしからず。私は手島さん、大好きです。)

 

1年生は、恒例の、自分史アルバムを作ったかと思います。
そんな1年生向けに、紹介された本。

「あなたはだれ?」(シャーロット・ゾロトワ/作、ライス・キャサル/絵、童話屋)

「あなたがうまれたひ」(デブラ・フレイジャー/作、福音館書店)



小さい子向けに発行されているものですが、福音館書店の「こどものとも年少版」や、「ちいさなかがくのとも」も数冊紹介されました。

なんの、なんの、子どもだけではなく、大人もほっと一息つける、楽しさ、味わって下さい。

「おいしいかぞえうた」(こどものとも年少版/2009年12月号)
「ことりのおさら」(ちいさなかがくのとも/2010年1月号)
「まほうのコップ」(ちいさなかがくのとも/2008年8月号)


3/23(火)は、1・2年生のおはなし会があります。
2時間目(9:40~)と、3時間目(10:55~)を予定しております。
音楽室にて。
 
(文責:S)


春休みのお出かけに…

2010年03月15日 | 日記
3月15日(月)

絵本や児童書にまつわる、お出かけ情報です。

ぜひ、この春休みに足をのばしてみては?


【その1】

国際子ども図書館(上野)では、開館10周年記念として、
「日本発☆子どもの本、海を渡る」というテーマで、特別展示が行われています。(2/20~9/5)

以下、HPより…

日本では、たくさんのすばらしい外国の絵本や物語が出版されているので、子どもたちは日本語でそれらを読むことができます。では、逆はどうでしょう?実は、日本の子どもの本も、海を渡って外国の子どもたちに読まれているのです。

 日本の子どもの本は、どんな国・地域で翻訳されているのでしょうか?それぞれの国や地域の習慣や文化に合わせて、絵や文にどのような変化が加えられているのでしょうか?日本語の原書と30以上の国・地域で出版された翻訳版など合わせて約300点を展示して、日本の児童書の国際的な広がりをご紹介します。

 絵本や物語だけでなく、ノンフィクションや昔話、また昔話を題材にしたちりめん本なども展示します。おなじみの姿の、思いがけない雰囲気の、見慣れない文字の・・・いろいろな「日本発☆子どもの本」に、会いにいらしてください。


【その2】

星と森と絵本の家(三鷹市)で、絵本縁日が行われます。

3月27日(土)午前11時~午後6時

以下、HPより、

絵本を通じてコミュニケーションを楽しむ『絵本縁日』を開催します。縁日には、自作の絵本の展示や、私の好きな絵本の語り、絵本の手作り・製本、読み聞かせやわらべうたなどが出展予定です。縁日の他、子ども模擬店、絵本コンサートやお話し会の催しを合わせて開催します。
今月の『おやじの絵本読み聞かせ』『昔なつかし紙芝居』も絵本縁日の中で行います。
絵本縁日終了後は、国立天文台の定例観望会があります。



星と森と絵本の家は、私も2回ほど遊びにったことがありますが、昔懐かしいおばあちゃんの家に遊びに行くような感覚で、座敷にゴロゴロ寝ころんで絵本が読めます。
国立天文台に隣接されていますので、夜の天体観測と合わせて、いかがですか?


詳細は、各HPを参照ください。

(文責:S)

3月1日の定例会より

2010年03月11日 | 日記
3月11日(木)

こんにちは。

昨日、3月10日は東京大空襲の日でした。

3年生が、授業で『さくらばし3月10日』という本を読んでもらったそうです。

作者自身が、たまたま疎開先からもどった時、東京大空襲に遭遇。

「子どもの目で見た東京大空襲を描きたい」と作者。

授業でも「ちいちゃんのかげおくり」を習った3年生の子どもたち、
戦争の愚かさ、平和への思い
子どもなりに感じてくれていることでしょう。

あたりまえだけど、「おはよう!」と、家族みんなで新しい朝を迎えられる、
何でもない穏やかな暮らしに、感謝、感謝

(「さくらばし3月10日」福田庄助/絵文、草土文化)





ちょと前になりますが、定例会で話題になった絵本を1冊ご紹介したいと思います。
ご存じの方も多いと思います。

「からすたろう」(やしまたろう/文・絵、偕成社)


小学校入学当初から、みんなに「ちび」と呼ばれた少年。
何ひとつ覚えられないので、授業中も放っておかれ、友達もできず、いつもからかわれ、のけものに。
皆と離れ、校庭の隅でじっと耳をすませたり、虫をつかまえて眺めたり…。
それでも、毎日、雨の日も嵐の日も、菜っ葉でくるんだ握り飯持って、学校へやってきます。

6年生のとき、新しく赴任してきた磯部先生が、野山の植物や、花に詳しいチビの良さを認めてくれるように。
先生は、学芸会でチビを一人舞台に立たせ、「カラスの鳴き声」を披露させます。
雛のカラスの鳴き声からはじまり、お母さんガラスの声、お父さんガラスの声、村に不幸があった時の声…。
6年間カラスの鳴き声を聴きながら、毎日毎日、休まず通ったのだと先生が説明しますと、子どもたちは、6年もの間、どんなにチビにつらくあたったかを悔いて泣きだし、父兄も感動して褒めたたえます。
卒業式では、チビだけが「皆勤賞」。今までにない、誇らしげなチビが描かれています。
それからは、誰も「チビ」なんて呼ばない。「やぁ!からすたろう」と誰もが少年に親しげに声をかけるのでした。



磯部先生は、作者やしまたろうさんの恩師(当時20代の若さ)お二人がモデルだそうです。
そのうちのお一人は、支那事変の上海上陸作戦で、若くして戦死されたそうです。

自然いっぱいの学校に、素晴らしい先生…
あら?まるで…


1955年初版の絵本。
7、80年前の日本の風景が描かれていますが、今でも全然読めますし、通じるものがあります。

この絵本、『Crow boy』という英タイトルがついています。実は、海外で有名な絵本。

物語の内容に感動しつつ、メンバーで、作者の「やしまたろう(八島太郎)」さんの話になりました。

軍事訓練を拒否して芸大を退学になり、さらに、軍国主義を否定して、何度も特高につかまって投獄されます。そのうち、子どもを神戸の実家に残して、夫婦で渡米。亡命といいましょうか…。アメリカでも芸術活動を続け、戦争中出版した、『The New Sun(新しき太陽)』という自伝的画集で、投獄されても希望を捨てなかった日本人と賞賛され、アメリカの新聞や雑誌に広く取り上げられたとか。戦時情報局でも働いて、沖縄戦では、米軍機からばらまくビラを書いたそうです。一人でも多くの日本人を救いたいという思いで、集団自決を思いとどまらせるよう、日本兵は投降するよう、命の尊さを詩に綴ったのだそうです。

1994年、カリフォルニア州の自宅で85歳で死去。昨年は、生誕100年。

戦争や空襲について描かれた絵本もいいですが、高学年の子どもには、こうしたアプローチもありかな?と思ったり…。

故国日本での子ども時代の体験をもとにしたものや、自分の子どもを思って描かれた、その他の、やしまたろうさんの絵本も、読みたいと思いました。

「村の樹」
「道草いっぱい」
「あまがさ」
「海浜物語」
「モモのこねこ」



「さくらばし3月10日」にしても「からすたろう」にしても、1冊の絵本に、いろんな作者の思いが込められていたり、いろんなバックグラウンドがあって、ホント深いなぁ…と思います。

たかが絵本、されど絵本

子どもたちが、学校の総合学習で「戦争と平和」について学ぶ機会があるためか、私たち保護者も、特に意識しているわけではありませんが、自然と、そういう話題になるのかなと。

可能な限り、定例会で話題にあがった本も、こうして紹介していこうと思います

また、戦争や平和について、「こんな絵本や児童書がありますよ~」と、お薦めの本がありましたら、メールでお知らせください。
よろしくお願いいたします。


長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回の定例会は、3/16(火)13:00~です。
3/23(火)の学年末おはなし会(1・2年)の準備が、メインになります。

(文責:S)

合同保護者会にて

2010年03月10日 | 日記
3月9日(火)

雪です。子どもたちは大喜び

昨日は、初めて大勢の大人を前に読みました。
マイクを使って読むのも、初体験で、緊張しました
原稿を用意していたものの、後半はうまく読めず…グダグダに…
うまく伝わったでしょうか…

もしよろしければ、感想などメールでお寄せください。
お待ちしております。

拙い朗読を聴いて下さり、ありがとうございました。

読んだお話は…

桃太郎

(『子どもに語る日本の昔話③』稲田和子・筒井悦子/こぐま社)

原話に忠実な桃太郎。
ホントは、食っちゃ寝、食っちゃ寝、自堕落青年。

桃と吉備団子(吉備は岡山地方のこと)をモチーフにした、
岡山の笑い話だったんですよね。

昔話も、オリジナルを楽しんでみてください。

ディズニーの白雪姫も、宮崎アニメのハイジもいいですが、オリジナルならではの良さがあります。
機会があったら、ぜひ、お子さんと読んでみてください。



定例会にもぜひお越しください。
お待ちしております。

(文責:S)


6年生卒業おはなし会

2010年03月09日 | 日記
3月9日(火)

1)ぜっこう(絵本) 

 「ぜっこうだ!もう遊ばないって決めたんだ!」
 「なぜ、ぜっこうしたか?」だって?!、大人にはわからない子どもなりの言い分があるのだ。
  迫力ある絵で、ギャングエイジの気持ちが上手に描かれています。
  男児を持つお母さん必読。

 (柴田愛子/著、伊藤 秀男/絵、ポプラ社)



2)4人のなまけもの(語り)
  
  すぐそこの川に、水を汲みにいくのも面倒ななまけものたち。
  動きたくないばかりに、黙りっこの競争をしているうちに、
  せっかくのヨーグルトもパンも…。

  「おはなしのろうそく15」(東京子ども図書館)より


3)まさゆめいちじく(絵本)
  
  どんな夢でもかなえてくれる「いちじく」を手に入れた歯科医のビボット氏。
  世界一の金持ちになる夢を実現させようと連日暗示をかけます。
  さぁ、いざ食べようとしたその時…
    
  (クリス・ヴァン・オールズバーグ/著、河出書房新社)
    

4)まちにはいろんな顔がいて(写真絵本)
  

<手遊び…弁慶が…


5)ボタンインコ(語り)

  ジプシーのダイナばあさんのボタンインコは、1ペニーで運勢を知らせるおみくじを引いてくれます。
  学校帰りの子どもたちにも大人気。
  ある日、自分が何歳かもわからないスーザン・ブラウンが、偶然ピンクのおみくじを手に入れることができました。
  スーザンは、字が読めませんでしたから、何が書いてあるのか知りません。
  でも、大人になっても、大事に大事に持ち続けました。

  最後のフレーズが心にしみます。
  
 「ボタンインコ」は、『ムギと王さま』(ファージョン/作、石井桃子/訳、岩波書店)に収められています。





もうすぐ卒業して、中学へと進む6年生のみなさん。
おはなしを聴いてくれて、ありがとうございました。

「運は、買うものではなく、授かるものなのです」

ボタンインコのお話を、どんな思いで聴いてくれていたのでしょう…

ご卒業おめでとうございます

また遊びに来てくださいね。 

(文責:S)