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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『十歳のきみへ』日野原重明

2011年04月26日 | 日記
寿命とは

平和とは

家族とは

日野原先生の、子どもひとりひとりに語りかけるような優しい文章が、心に沁みます。




「ほかの人のために きみはどれだけ時間をつかっていますか」

「わたしにふりかかった人生で最悪の体験。そのおかげで、いまのわたしがあります」 

「きみが今日流したなみだは、だれかのなみだをわかるためのレッスンかもしれません」

「かわりばえしない、なんでもない毎日も、人生の大きな宝ものです」

「毎日のくり返しのなかで、自分の「芯(しん)」になる部分がつくられていきます」

「いいときも、わるいときも、家族はいっしょにいる。そこが、家族のすごいところです」



なにも特別なことがなくても、平凡な穏やかに家族と過ごせる毎日に感謝です。


まだ、読まれていない新5年生の保護者の方は、この機会にぜひご一読を。


なお、「うちの子、もらってきてないわ~、見てないわ~」という保護者の方は、子どもに問い詰めて、本をGETしましょう。

『あたまにつまった石ころが』キャロル・オーティス・ハースト:文/シェイムズ・スティーブンソン:絵

2011年04月26日 | 日記
周りの人から「あいつは、頭のなかに石ころがつまっているのさ」と言われていたほどの、石マニアの父。

幼少の頃から、ヒマを見つけては、石垣や採石場などで石を収集。

大人になり、ガソリンスタンド経営や自動車の修理などもしながら生計を立てていたものの、大恐慌により、失職、引っ越し。

それでも、彼の石に対する情熱と探究心は衰えることはなかったのです。

学歴もない彼ですが、その情熱と知識量を認められ、ついに……。




「学ぶとは?」

「働くとは?」

いろいろなことを考えさせてくれます。




「好きこそものの上手なれ」

夢中になって、打ち込める「何か」を持っている人は幸せだと思います。


好奇心とは、

「物事を探求しようとする振舞い、気持ち。自発的な調査・学習といった知的活動の根源となる感情。」




いつまでも、好奇心は持ち続けたいものですな。



我が息子の頭には、何が詰まっているんでしょう、何が詰まっていくんでしょう(笑)



作者のあとがき、ぜひ読んで欲しいです。 このあとがきで、子どもたちの感動はさらに深まると思います。

「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしは他に知りません。」 (あとがきより)


『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン

2011年04月23日 | 日記
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。
 
 残念なことに、わたしたちの多くは大人になる前に、澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力を鈍らせて、あるときはまったく失ってしまいます。
 
もしも、私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性」を授けてほしいと頼むでしょう。
 
 この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、私たちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。

 妖精の力に頼らないで、生まれつき備わっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮に保ち続けるためには、私たちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、少なくともひとり、そばにいる必要があります。

 多くの親は、熱心で繊細な子どもの好奇心にふれるたびに、さまざまな生き物たちが住む複雑な自然界について自分が何も知らないことに気がつき、しばしば、どうしてよいか分からなくなります。

「自分の子供に自然のことを教えるなんて、どうしたらできるというのでしょう。私はそこにいる鳥の名前すら知らないのに!」と嘆きの声をあげるのです。

私は、子どもにとって、どのようにして子どもを教育すべきが頭を悩ませている親にとっても、

「知る」ということは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

 子どもが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感性は、この種子を育む肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

 美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知のものに触れたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情など様々な形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについて、もっと知りたいと思うようになります。そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。
 
 消化する能力がまだ備わっていない子どもに、事実を鵜呑みにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切り開いてやることのほうが、どんなに大切であるかわかりません。

(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』より)



「センス・オブ・ワンダー」とは、すべての子どもが生まれながらに持っている「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。

カーソンは、自然というのは、何も、大自然の中に、森の中に子どもたちを連れて行かなければならないのではなくて、小さな植木鉢の中で芽が出ていくのを見る、ビルの谷間でヒューヒュー鳴っている風の音に耳を澄まし、空を見上げた中にも感じる、そういうもの。無理に出かけなくても街路樹の一本、空き地の雑草、それだけでも自然は感じられると言っています。

花一輪の中にも、物質を超えたものを見れる、それが、センス・オブ・ワンダー。

いくら森が近くにあっても、周りの大人がそのことに注意を向けなかったら、単に自然に恵まれていた…で終ってしまいます。




化学物質(農薬など)による環境汚染に対して、世界に最初に警告を発したと言われている、レーチェル・カーソンの「沈黙の春」は有名。彼女は、物書きになるか、海洋生物学者になるか悩んでいたほどの文才の持ち主。

昔々、生物学をかじっていた私にとって、海洋生物学者としても、女性としても、尊敬する人物のひとり。

すべての生命の源、海を愛したレイチェル・カーソン。
ごめんなさい、日本は、あなたの愛した海に、放射性物質を流してしまいました…。
きっとお怒りのことでしょう。



『さくら』長谷川摂子:文/矢間芳子:絵

2011年04月19日 | 日記
単なる科学読本ではなく、物語のある絵本。



わたしは、さくら。

ソメイヨシノ。



主人公は桜の木、ご本人。



みごとに満開となった桜の花。

花の蜜をついばむ鳥が集まってくる。

葉桜、

新緑の桜、

さくらんぼを付けた桜、

夏の深緑、虫たちが棲みかとなる桜。

紅葉、

落葉、

そして、冬芽。

そして、また満開の桜。

「みごと。みごと。」




毎年、毎年、桜の木は、変わらず花を咲かせる。

変わっていくのは、それを見上げる我々の心か。



桜前線が、東北地方を北上中。



わたしは、さくら。

ソメイヨシノ。

もうすぐ はながさきます。

まっていてください。

『かばくん』岸田 衿子・作/中谷千代子・絵

2011年04月14日 | 日記
【岸田衿子さん(詩人)が死去】(読売新聞 4月13日(水)9時52分配信)

 「かばくん」などの絵本で親しまれた詩人の岸田衿子(きしだ・えりこ)さんが7日、髄膜腫で死去した。82歳。葬儀は済ませた。

 劇作家の岸田國士の長女に生まれ、東京芸大油絵科を卒業後、結核療養中に詩作を始める。1955年刊の第一詩集「忘れた秋」で軽やかな叙情が評価され、戦後詩壇の中心的グループ「櫂」に参加。詩集に「あかるい日の歌」「ソナチネの木」などがある。

 児童文学の作家としても息長く活躍し、動物園の一日を描いた「かばくん」、「ジオジオのかんむり」などのロングセラーや翻訳絵本も多数。

 女優の故岸田今日子さんは実妹。詩人の谷川俊太郎氏、故田村隆一氏は元夫。




それにしても、谷川俊太郎さんて…。

岸田衿子さんも佐野洋子さん(2010/11/5逝去)とも、奥様だった方が、お二人とも亡くなられたのですね。

岸田今日子さんと衿子さん、天国で読み聞かせしているのかしら?



合掌



追伸:岸田衿子さん、実は「アルプスの少女ハイジ」の作詞者です。ついでに、アトムの作詞者は谷川俊太郎さん。