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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

大人のためのおはなし会&お昼休みのおはなし会

2010年06月22日 | 日記
6月22日(火)のち

今日は、むんむん蒸し暑い一日でした…。
そんな中、11:50から、中学校の図書室で、「大人のためのおはなし会」を行いました。

ご用意したプログラムは…、

『おとなって じぶんでばっかり ハンドルをにぎっている』(絵本)

『まさ夢いちじく』(絵本)

『かちかちやま』(語り)

『最初の質問(長田 弘)』(詩:朗読)


おはなし会のあと、お越しいただいた方々と、読み聞かせについてお話ができ、とても有意義なひと時を過ごすことができました。ありがとうございました。
今後も、皆さまと何らかの形で繋がりが持てたらいいなぁと思っております。よろしくお願いいたします。



午後は、場所を移動して、13:05から、初等の読書室で「お昼休みのおはなし会」を行いました。

はじめは10名ほどでしたが、どんどん集まってくれて、最後は30名ほどの楽しい会になりました。みんな、よく聞いてくれて、ありがとうございました。

今日、読んだお話は…

『トンちゃんてそういうネコ』
片足がなくっても、マイペースで自分らしく今を楽しく生きているトンちゃんというネコのおはなし。

『てがみをください』
赤いポストにすみついたカエルさん。「お手紙ください」と、なんども手紙を出したのに、なかなかお返事がきません。とうとう、引っ越してしまいました。ほんとは、誰に手紙をもらいたかったのかな?

『おいしいおと』
食卓に、夕飯がずらりと並んでいます。いただきま~す。 
春巻き、食べよう。カコッ ホッ カル カル カル カル
ごはんは、ポホッ モワーン ムッチ ムッチ ムッチ…
いろんな、おいしいおとが聞こえるよ。
音の匠、三宮麻由子さんの、楽しい音の世界、伝わったでしょうか。

なんだか、私、こういう効果音もの担当に落ち着きそうですね、ひひひ

また、聞きにきてくださいね、お待ちしてます

夏休み&かいじゅうスペシャル

2010年06月22日 | 日記
かいじゅうじまのなつやすみ(風木一人・作、早川純子・絵、ポプラ社)
 怪獣も里帰りするんですね。
つきよのかいじゅう(長新太・作、佼成出版社)
 ブルーを基調にした絵もきれいで、怪獣の全体像はこーかも、あーかもと想像も膨らみます。
絵巻えほん 新・恐竜たち(黒川みつひろ・作、こぐま社)
 読み聞かせの絵本ではありませんが、パノラマ、付録のミニ図鑑…手に入れて夏休み中めくりたい本ですね。

ここからは夏休みに…
ウェズレーの国/Weslandia Candlewick(ポール・フライシュマン作、ケビン・ホークス絵、千葉茂樹・訳、あすなろ書房)
 これを見ると大概の子が紙を持ってきて"自分の文字"を作り始めますね
はなびのはなし(たかとうしょうはち作、福音館書店)
 これは花火職人にあこがれるかも。絵としても、向きを変えて高く高く上がっていく花火のようすが解説と共に描かれていて、おもしろいです。
サンタのなつやすみ(レイモンド・ブリッグズ作、さくまゆみこ訳、あすなろ書房)
 クリスマス版でもウケがよかったです。今回の原題はなんだろう?
サンタのつぶやきくらいなら子どもたちにも分かるので、ぜひ英語で一緒に読みたい絵本です。





お父さんの本

2010年06月19日 | 日記
まずは、作家自身の父親を描いている絵本たち。

『あたまにつまった石ころが』

作者の父親のことを書いています。石集めが好きなお父さん、「あいつは、ポケットにも頭の中にも石ころがつまっているのさ」「石ころじゃ金にならんぞ!」と周りの人に言われ続けていました。ところが、その石好きが講じて最後は立派な仕事を見つけるのです。
(キャロル・オーティス・ハースト/文、ジェイムズ・スティーブンソン/絵、千葉茂樹/訳、光村教育図書)



『おとうさんのちず』

『よあけ』、『ゆき』などで有名なユリ・シュルヴィッツ氏の自伝的絵本。第二次大戦下、故郷ワルシャワを追われた一家が、命からがらたどりついたのは、夏は暑く、冬は寒い東の国。なけなしのお金をもって買い出しに出かけたお父さんが買ってきたものは、大きな地図。お母さんにはなじられますが、ユリ少年は、その地図のおかげで、過酷な現実を忘れ、空想の世界旅行にでかけられたのです。あとがきを読んで、また感動します。
(ユリ・シュルヴィッツ/作、さくまゆみこ/訳、あすなろ書房)



『てんごくのおとうちゃん』

こちらは、幼くして父親を亡くした作者の自伝的絵本。 父親との想い出の数々を、小学3年生になった作者が、天国の父親にあてた手紙形式で綴っていきます。
「悪いことして地獄に落とされて、天国の父ちゃんに会えなくなったらあかん…」と万引きをやめたところには、ジーンときてしまいます。
(長谷川義史/作、講談社)
長谷川氏の『いいから いいから』『ごくらくごくらく』『ぼくがラーメン食べてるとき』もお薦め。




『とうちゃんのトンネル』

作者の父親が、戦後一家で引っ越してきた村の高台で農業を始めます。家族に真っ白いご飯を食べさせたい一心で、大自然に挑戦しますが、一生懸命育てた陸稲も、日照り続きで不作。その年の娘の嫁入りのお赤飯も、村人から借りて作ったほどです。父親は、山に横穴を掘って、水脈を掘りあてようと一大決心をします。2年ものあいだ掘りに掘り続け…。
父親のあきらめなず頑張る姿と、そんな父親を家族みんなが応援する、感動作です。
(原田泰治/作、ポプラ社)




お父さんと楽しく遊ぼう~!

『あそぼうあそぼうおとうさん』

福音館書店の「かがくのとも傑作集」です。お父さんが身体を使って、子どもとどう遊ぶか、いろんな遊び方が描かれています。ぶら下がって、しがみついて、ひっぱって、のっかって、滑って…。
子どもとのスキンシップの時間が少ないお父さん必見です。
(浜田桂子/作、福音館書店)



『おもしろとうさん』

以前、お昼休みのおはなし会で、読み聞かせした絵本です。この父親は、ゆっくり休みたい休日に、しぶしぶ子どもと一緒に公園に行ったのに、木登りをしたときに、昔の子どもの頃を思いだし、急に吠えるわ、噴水池に入ってバシャバシャやるわ…はじけます。
子どもはそんなお父さんに大喜び!たまには、羽目をはずして子どもとはじけましょう。
(さとうきわこ/作、フレーベル館)



『ピッツァぼうや』

雨の日に外で友達と遊べなくて、ふてくされていた男の子。そこで、父親が息子を使ってピザを作ることにしました。息子をテーブルの上で、たたいて、捏ねて、引っ張って…、トッピングもして、オーブンへ。さぁて、完成して切ろうとすると…。
(ウィリアム・スタイグ/作、木坂涼/訳、セーラー出版)



パイを焼くお父さん、いいですねぇ~

『パパがやいたアップルパイ』

パパが焼いてくれた1枚のアップルパイには、雨も太陽も地球も全部詰まってる。パパの焼いた1枚のアップルパイが世界につながるという、壮大な「つみあげ歌」の本。
自分たちの食べているもの、飲んでいるものは、すべて太陽と大地の恵みなのですよね。
(ローレン・トンプソン/文、ジョナサン・ビーン/絵、谷川俊太郎/訳、ほるぷ出版)

谷川俊太郎さんはつみあげ歌が好きなようです。『のみのピコ』が有名ですが、私は同じ谷川さんの作品では『これはおひさま』(絶版で、Amazonで5,000円の高値が付いていて驚いた)の方が好きです。イラストが大ファンの大橋歩さんなのだよ。このコラボは二度と実現しないのでは?「パパがやいたアップルパイ」と合わせてどうぞ~
学校や親がことさら「自然を大切にしよう」「環境問題を考えよう」などと教えこまなくても、子どもたちは、ちゃんと本から学び取ってくれていると思います。



あきらめかけた子どもの背中をそっと押すお父さんの言葉

『皇帝にもらった花のたね』

これは、お父さん主役のお話ではありませんが、お父さんの進言が活かされて、子どもが最後は幸せになるお話です。正直さと勇気の大切さを教えてくれる、中国のお話。
(デミ/作、武本佳奈絵/訳、徳間書店)


ときには、詩集もいかが?

『心にもっている問題-詩人の父から子どもたちへの45篇の詩-』

幼い子どもたちに話しかけて綴られたひらがなの詩から、大人になった子どもたちに人生の友人として贈った詩まで、20年間、子どもの成長とともに書きつがれた、詩人の父から子どもたちへの、物語としての45篇の詩。
この中の「帽子から電話です」は詩というよりは、ちょっとした物語です。息子(小学4年)に楽しく読み聞かせできました。
(長田弘、晶文社)


逆に、子どもが日常何を思っているのか、お父さんには、子どもの詩集を読んでもらいたいものです。

『ちょっとだけパンツをはいてとなりのトイレに行きました』

子どもたちの作文や詩をまとめたものは、灰谷健次郎氏のものが有名ですが、(『しりたいねん』はお薦め)最近読んだ、子どもの詩集では、この本が一押しです。
タイトルからして、もう笑ってしまいましたが、想像していた通り、冒頭のその子の詩のタイトルは、「トイレの紙」でした
各詩に先生が「ないしょ話」として、その子のことや、その詩にまつわるエピソードを寄せていてます。カットに使われいている子犬や子猫の写真も癒し系。
初等学校では、子どもに日記を課していますが、職員室では、先生方がニヤニヤ読んでいるんでしょうねぇ…楽しそう~
(小掠貴子先生とこどもたち、フローシス桜蔭社)

以上、勝手にお薦めのお父さんの絵本でした。

大人のためのおはなし会(予告)

2010年06月14日 | 日記
「まさ夢いちじく」は、昨年度の6年生卒業おはなし会にて、読み聞かせしたものです。

「かちかちやま」は、昨年度末おはなし会にて、1・2年生(現2・3年生)に語ったものです。

さて、皆さんご存じのカチカチ山ですが、はてさて、本当のカチカチ山は…。ふっふっふ。

雨の日を楽しむ

2010年06月14日 | 日記
6月14日(月)

梅雨入りですね。
大人にとっては、雨の日は憂鬱そのものですが、子どもにとっては…?

『雨、あめ』(ピーター・スピアー/作、評論社)
文字のない絵本ですが、レインコートを着た女の子と男の子が、降りしきる雨の中で、遊ぶ世界が見事に描かれています。水たまりを長靴でバシャバシャする音、 雨樋から滝のように流れる水の音、車が水たまりの水をはね飛ばす音が、聞こえてきます、聞こえてきます。
水たまりに同心円の輪を作る雨つぶ。雨宿りする鳥。 雨粒をはじいて、レース刺繍のように綺麗なアートになっているクモの巣。雨の世界を、思う存分満喫した子どもたちは、満足げに眠りにつくのでした。


同じく文字のない絵本です。
「セクター7」「かようびのよる」「漂流物」の、デイヴィッド・ウィーズナーの作品。

『大あらし』(デイヴィッド・ウィーズナー/作、江國 香織/訳、BL出版)
こちらは、雨どころか暴風雨のあとの、しっちゃかめっちゃかの庭を冒険する兄弟のお話。倒れた大木相手に、「おぉ~!そうやって遊ぶか!」と、想像力豊かな子どもの様子が楽しく描かれています。

結構好きです、絵だけの絵本
そして、子どもの頃から結構好きです、台風や大雨。ワクワクしちゃいます。不謹慎ですみません

『あめあめふれふれもっとふれ』(シャーリー・モーガン/文、エドワード・アーディゾーニ/絵、のら書店)
同じく、雨の中、冒険を試みる兄妹のお話。3日間降り続いている雨。兄妹は、窓から、外の世界を眺めていましたが、いよいよ外に飛び出したくなります。レインコートを着せて、お母さんが、優しく送り出します。いいお母さんですね~。



『あめの日のおさんぽ』(U・シェフラー/文、U・ヴェルセン/絵、文化出版局)
小学2年生の国語の教科書にも載っているお話です。
おばあちゃんにかってもらったレインコートを着て、雨の中、一緒に、犬の散歩へでかけます。排水溝でダムを作っていた落ち葉、ひさしの下で雨宿りしている小鳥、森のきのこ。途中犬が行方不明になったりしますが、いろんな発見をして帰宅すると、あったかいお茶が待っているのでした。



そう、そう!土砂降り初体験の兄弟のお話もあります。夏向けのお話ですが、紹介します。

『まほうの夏』
(藤原一枝・はたこうしろう/作、はたこうしろう/絵、岩崎書店)
両親共働きの都会の兄弟が、ヒマな夏休みに辟易していたら、おじさんから手紙が。急きょ、お母さんの田舎に二人で泊まりにいくことになったのでした
親としては大助かりなんでしょうねぇ、わかる、わかる~

いきなり、坊主頭にされ、現地の子どもたちと、木登り、虫とり、海水浴、釣り、スイカの種飛ばし。なぜか、都会育ちの二人だけがやぶ蚊に刺されまくります。体力も無く、すぐ疲れる都会っ子たちが、どんどん田舎の子になっていきます。

そんな中、夕立に遭遇した兄弟は、雨に顔を打たれて「気持ちいい…」となんとも不思議な気持ちになるのでした。もちろん、ずぶ濡れになって帰ってきても、おばあちゃんは怒らない!採れたて野菜に新鮮なお魚、たくさんおかわりして、倒れこむように布団へ…。いいですねぇ~。遅くまでゲームしている誰かとは大違いだわ…。




雨の中、自然散策に出かけるといえば…、大人向けにお薦めの1冊が、こちら。

『センス・オブ・ワンダー』
(レイチェル・カーソン/著、上遠恵子/訳、新潮社)

『沈黙の春』で有名なレイチェル・カーソン女史の最後の作品です。

センス・オブ・ワンダー。
それは、「すべての子どもに生まれつき備わっている神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。

レイチェルが後に養子に迎える姪の子ロジャーと、雨の日はもちろん、冬の寒い日も、真夜中の風雨の海岸へも、構わずどんどん出かけていきます。そんな二人の体験が書かれた作品。

子どもたちに自然をどのように感じとらせたらよいか悩む親たちへの、穏やかで説得力のあるメッセージが満載です。



子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみち溢れています。残念なことに、私たちの多くは、大人になる前に、澄み切った洞察力、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときは全く失ってしまいます。

もしも、私が、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー」と授けて欲しいと頼むでしょう。

この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、私たちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、変わらぬ解毒剤になるのです。

わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭を悩ませている親にとっても、『知る』ということは、『感じる』ことの半分も重要ではないと固く信じています。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知のものに触れたときの感激、思いやり、憐れみ、讃嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたび呼び覚まされると、次はその対象となるものについてもっと知りたいと思うようになります。
そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。

消化する能力のまだ備わっていない子どもに、事実を鵜呑みにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切り開いてやることの方がどんなに大切であるかわかりません。

(中略)

雨の日は外に出て、雨に顔を打たせながら、海から空、そして地上へと姿をかえていく、ひとしずくの水の長い旅路に思いをめぐらせることもできるでしょう。

(本文より)


センス・オブ・ワンダー。それを、生かすも殺すも、そばにいる大人次第ということになるのでしょうか。大切なのは、何か制限すること、無理に理屈で教え込むことではなく、一緒にそばにいて感動できる大人でいること。


「私たちの住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもと一緒に再発見し、感動をわかちあえる大人が、少なくともひとり、そばにいる必要があります。」

と、レイチェル女史も言っております。

本当の環境教育って、こういうことなのだろうな…という1冊です。






余談ですが…、

科学物質による環境汚染に対して、最初に警告を発したと言われている、レーチェル・カーソン女史の『沈黙の春』がアメリカの雑誌に発表されたのが、1962年。

それに衝撃を受けた有吉佐和子さんが、日本の農薬汚染について調査し、それを小説化した『複合汚染』が新聞に掲載されたのが、1974年。

しかし、それより前、1955年(昭和33年)に、菊池霊鷲(太母)と言う女性が、地球の環境汚染について警告し、地球の浄化を訴え、「舟を岸につなぎなさい」というメッセージを全世界に向けて発表していました。

英文に翻訳されたこのメッセージは、世界百十数ヵ国の主要人物三百数十人に送られ、ローマ法王を始め世界の多くの指導者から期待と賛辞を寄せられたそうです。

高度経済成長期にあった当時の日本において、科学的根拠のない彼女のメッセージに、どれだけの日本人が耳を傾けたのでしょうか…。

ご興味のある方は、ネットでも「舟を岸につなぎなさい」の全文が紹介されていますので、ぜひ。

すみません、こうして、いつもの定例会のごとく、話があっちこっちに行ってしまい、長くなってしまいました…ごめんなさい。最近、バタバタしていて、ゆっくり定例会にも参加できず、ご迷惑をおかけしております。大人のためのおはなし会は、頑張りますね~

変身!?

2010年06月12日 | 日記
この時期は雨やカエル、夏というテーマが取り上げられがちですが、
「変身」という、変わった切り口での本紹介がありましたので、ご紹介します。

夏休みで子どもたちもかわりますからね。


・あげは(小林勇文・え、福音館書店)

・おれがあいつで あいつがおれで(山中恒作、理論社)
 懐かしい!最初にこの話を知ったのはテレビでした。

・変身・断食芸人(カフカ、山下肇・萬里・訳、岩波書店)
 これは中学生以上にオススメの本ですね。

ほかにもありましたが、こんな切り口で新たな出会いがありそうだなと
思いました。(by I)