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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

★2012年度★第10回お昼休みのおはなし会

2013年02月22日 | 日記
1・2年生中心に30人ほど集まってくれました。
ランチを早々に済ませ,「今日は何のおはなし~?」と駆けつけてくれる子供たち。
嬉しいですねぇ~。
先生方にもたくさんお越しいただきました。いつもご理解・ご協力をありがとうございます。




お届したお話は,以下の3作品。

「なわとびしましょ」伊沢尚子・文/及川賢治・絵/福音館書店
「バナナのはなし」長谷川義史・作/学習研究社
「王子様の耳はロバの耳」ポルトガルの昔話


『なわとびしましょ』

ペッタンペッタン,なわとびしましょ!おはいんなさい♪

まず最初は,たけしくん。それからおじいさん,おばあさん,魚屋さんに犬も,ろくろっ首も,宇宙人も…。

みんな仲良くおはいんなさい♪

最後に,縄を踏んだのは…だぁれだ?


『バナナのはなし』


子どもたちが大好きなバナナ。一番身近な果物の不思議について,楽しく答えている絵本です。

冷蔵庫に入れておくと,どうして黒くなるのか。
皮に浮いてくる黒い点々はなに?
にがい筋の正体は?
バナナの花は?
バナナの樹にどんなふうに実をつける?
種は?

大人も一緒に「へぇ~!!!」の連続でした。

久しぶりに科学系の絵本をお届けしました。


『王子様の耳はロバの耳』


ポルトガルの昔話です。

子どものいない王様とお后さまが3人の妖精を呼んで,子どもを授けて欲しいと頼みました。
3人の妖精は、願いをかなえ,お后さまに王子が産まれました。
再び現れた3人の妖精は、魔法の力で王子に贈り物をすることに。
1人目の妖精は「世界一美しい王子に、なりますように」
2番目の妖精は「思いやりのある、賢い王子になりますように」
3番目の妖精は考えた末,
「それでは王子に、ロバの耳が生えますように。そうすれば決していばる事のない王子になるでしょう」

やがて王子は妖精の願い通り、美しく賢い王子になりましたが,ロバの耳も大きく立派に。
ある日床屋に散髪をお願いしました。床屋に王様が「絶対話すなよ」
でも,秘密を黙っていられなくなった床屋は,穴を掘って秘密を叫び土をかけました。
やれやれ,すっきり!
ところが,その土から生えてきたアシの葉を,通りかかった羊飼いが笛にして吹いてみると…。


♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。


と勝手に歌いだし…。




これまた,久しぶりに,語り(素話)でお届けしました。絵がなくとも,子どもたちは,よく聞き入ってくれてました。
♪王子さまの耳は、ロバの耳♪と,一緒に口づさんてくれたり,秘密をばらした床屋が王様に罰を受けそうになると「ヒャー」と驚いたり…。

本当に,うちの学校の子たちは,おはなしが大好き!
子どもも大人も,同じ空間・時間を共有して楽しめることが読み聞かせの良さ。
また,子どもの成長や発達に気づかされ,子どもたちと楽しく触れ合い,コミュニケーションできる絶好の機会でもあります。
我が子だけよければ…ではなく,保護者皆で,子どもたちみんなの成長を,共に見守っていきたいものです。

たまには,よその子を叱ってもいいのですよ。
今日も,
「こら~!廊下は走らな~い!」
と叱ったら,ピタっと止まって,「はい,すみません」と素直に歩き始めました。

口うるさいウザイおばちゃんだと思われても,べつにいいんです。
挨拶含め,どんどん子どもたちに声をかけてあげましょう。

「私たちは,あなたたちをいつも見てますよ,いつも見守ってますよ,ちゃんと認めてますよ」
というサインをどんどん大人が出してあげましょうよ。


『卒業ホームラン 自選短編集・男子編』重松清

2013年02月13日 | 日記
重松氏の文章は,大変読みやすく,男子編とあったので,息子にどうかと買ったもの。
しかし,どの作品も,これは,大人に特に親に読んでもらいたい。

タイトルにもなっている「卒業ホームラン」。
息子の入っている少年野球チームの監督でもあるお父さんが,今季全勝がかかっている小学校生活最後の試合で,指導者として「勝負」をとるか,親心から最後くらいは…と,息子をベンチ入りさせるかどうするか,悩める姿が上手く描かれています。

加えて,今どきのスポーツ少年団の抱える悩みも。
つまり,保護者の対応。

「なぜ,うちの子が途中で降板させられたんですか?」
「どうして,うちはいつも補欠なんですか?」
「今日は,祖父母も応援に来てるので,ひとつ,よろしく!」

などなど。大変だ~。
いったい,誰のための,何のためのスポーツなんでしょうね。ふふふ

結局,大差で負けてしまった試合。
監督としても最後の試合。
試合そのものより何よりも,周り保護者にも気を使ったりして…へとへと。
最後の試合もベンチにすら入れなかった息子の,最後の一言に救われます。

上手か下手か,勝ったか負けたか…それよりも何よりも,野球をする理由は,

「だって,野球が好きだから!」

でいいのではないでしょうかね?

収録されている作品は,

1 エビスくん
2 卒業ホームラン
3 さかあがりの神様
4 フイッチのイッチ
5 サマーキャンプへようこそ
6 また次の春へ-トン汁-

の6作品。

どの作品も,重松ワールド全開。
多感な小学校高学年の少年・少女,また,そういう子を持つ父親が主人公。
親友とは?父親とは?家族とは?
涙なくしては読めないものも…

個人的には,「卒業ホームラン」に次いで,「サマーキャンプへようこそ」が好きです。
我が家も,アウトドアなんて無縁だった夫を,「子どもはやっぱり自然の中で遊ばせるべきよ!」なんて,無理やりアウトドア父さんに仕立てあげた経緯があり…,身につまされます。

子どもはよく大人を見抜いているものですね。

重松氏が3.11震災直後,自身の愛着深い作品を集めたもの。女子編『まゆみのマーチ』と共に印税のすべてが,将来にわたって,あしなが育英会に寄付されます。