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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

チューリップ

2013年04月22日 | 日記


羽村のチューリップ畑

とっても春らしいですが、なんだかここ数日真冬の寒さが続いています。

 


2013年度・新一年生ご入学おめでとうございます。

2013年04月18日 | 日記

春ですね~
桜は青々とした葉を茂らせて新緑の春を演出しています。

今年も可愛い子どもたちが入学してまいりました。
先日学校を覗いたら…一年生も上級生に交じって楽しそうに遊んでいました。


今月のお昼休みのお話の会は
     4月25日・木曜日
     1時5分から読書室にて行います。

 今年もたくさんの「お話し」に出会えますように。。。


『卒業式』谷川俊太郎

2013年03月21日 | 日記
「卒業式」谷川俊太郎

ひろげたままじゃ持ちにくいから
きみはそれをまるめれしまう
まるめたままじゃつまらないから
きみはそれをのぞいてみる

小さな丸い穴のむこう

笑っているいじめっ子
知らん顔の女の子
光っている先生のはげあたま
まわっている春の太陽

そしてそれらのもっとむこう
きみは見る
星雲のようにこんとんとして
しかもまぶしいもの

教科書には決してのっていず
蛍の光で照らしても
窓の雪ですかしてみても
正体をあらわさない
そのくせきみをどこまでも
いざなうもの

卒業証書の望遠鏡でのぞく
君の「未来」 

☆2012年度☆卒業スペシャルおはなし会

2013年03月17日 | 日記
お届けしたのは,以下の5作品です。

①「ゆうき」レイフ クリスチャンソン(著),にもんじ まさあき・ ほりかわ りまこ (翻訳)/岩崎書店
②「さとり」岡田ゆたか(作)/童心社
③「ぜつぼうの濁点」原田宗典(作),柚木沙弥郎(絵)/教育画劇
④「皇帝にもらった花のたね」レミ(作),武本佳奈絵(訳)/徳間書店
⑤「わたしはひろがる」岸武雄(文),長谷川知子(絵)/子どもの未来社


ゆうき

山をみても 頂上まで登ってみたくならない人
円盤投げ 夢の100メートルに 挑戦する気にもならない人
そんな人は失敗しない

飢えた子どもがいても
不幸な人がいても なんとも感じない人
そんな人は失敗しない

まちがいに気づいても
気づかないふりをする人
自分のこころを 鏡にうつしてみる よゆうのない人
正義も自由も平和も はじめからあきらめている人
そんな人は失敗しない

そんな人が 失敗をおそれないゆうきを
すこしだけもってくれたら
地球はすみよくなるだろう
(全文)


子どもたちだけではなく,大人も,もっと勇気を…。


さとり

木こりが深い森の中で木を切っていると,毛むくじゃらの妖怪「さとり」が現れて,木こりの怖がってなんとか逃げようとする心の中を、次々と言いあててしまいます。
木こりは,この妖怪に心を悟られないように,心を「無」にすることにしました。

「無」の境地。
「何か考えてみろ!」と妖怪さとり。
そのうち,木こりの振りかざした斧の刃が取れ,妖怪さとりの目に命中。

一心不乱に,一生懸命,何か夢中になってる人が,一番怖いと,妖怪さとりは逃げていきます。


ここでちょっと般若心経っぽい内容を…(笑)



せつぼうの濁点

ぜつぼうに仕えていた濁点「”」は,自分がいるから,ご主人が「切望」ではなく「絶望」するのだ…と,新たなご主人探しの旅に出ます。
どこにいっても,邪魔もの扱い。

とうとう,「絶望」のご主人がよくきていた湖のほとりへ。
そこに身を投げた濁点「”」は…。

プクプク出てくる「きほう」につくと…。



濁点に視点をあてたお話。
目立たない濁点がつくだけで,まったく意味が変わってしまう言葉が,日本語にはたくさんあります。
子どもたちは,最後まで真剣に聞き入っていました。



「皇帝にもらった花のたね」

むかし,あるところに,花の大好きなピンと言う男の子がいました。
その国の皇帝が世継ぎを選ぶためにだしたおふれ。
「この国の子供たちは一人残らず宮殿にでむき,皇帝から花の種をもらい,一年間育て,その花をみせにくるように。
その中から,世継ぎを選ぶ」
ピンは誰よりも自分が一番素晴らしい花を咲かせられると,自信満々でした。
しかし,一年間一生懸命いくら世話をしても,とうとう,芽も出ず,花を咲かせることはできませんでした。
「きっと怒られるにちがいない」と,宮殿に向かおうとしないピンに,お父さんが言います。
「お前は出来る限りのことをしたじゃないか。胸を張ってその植木鉢を観て頂きなさい」

他の子が持って来た花には,まったく反応を示さなかった皇帝が,ピンはの花の咲いていない植木鉢を見て…
さて,皇帝は,どんな細工をしていたのでしょう。
ピンはどうなるのでしょう…。



最後はどうなるのだろう…と,子どもたちは,じっと聞き入っていましたが,正直さと勇気を持って誠実に生きることを,見ていてくれる人は必ずいる。失敗を恐れ,失敗を隠し,最後に結果だけ取り繕えばよし…ではないのだよ。
子どもが失敗せず,無事何事も成功するように一生懸命の親にも,このお話はぜひ聴いてほしいものです。



わたしはひろがる

「わたし」のことでほとんどが占められている「心」の中に,家庭での生活,学校での学習,友だちや家族以外の人とのふれあいをたくさん経験することで,どんどん心の中にいろんなものが入ってくる,受け入れるようになる。
そして,兄弟,親,友人,勉強,社会,戦争と平和,人種差別,自然環境について,考えるようになった自分を,「ひろがる」と表現しています。
「わたし」が人間として成長し,これからも広がっていく姿を描いた絵本。

どの場面も,子どもたちが同じ経験をしていてイメージしやすい。
「世界を心に持つ人間に」という学校の方針で行われてきた授業内容が,そっくり振り返れる,この学校の生徒ひとりひとりを描いている…と錯覚してしまうほどのシンクロ。

戦争と平和については,修学旅行で訪れた広島が。
学芸会で演じた「Science for Peace」,科学の進歩は何のため?という問いかけが。
総合学習で学んだ「アフリカの人種差別」が。

子どもたちの心に,この学び舎で共に学んだ内容が今一度,それこそ,走馬灯のように駆け巡ったことでしょう。
卒業前に,もう一度,学んだことを振り返れるよいひと時となってくれてたらいいなぁ…

長年、岐阜大学付属小学校校長を務められ児童文学作家としても著名な故・岸武雄先生の名作「わたしはひろがる」が、長谷川知子先生の絵とともに新しく生まれ変わった復刻版。
入学式や卒業式、国語、道徳などの授業に使われ、全国の学校・教師に愛され、多くの子どもたちを励まし、父母たちに信頼されてきた名作です。(出版社より)


6年生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
この6年間で学んだこと(勉強だけじゃない)は,これからの中学校生活や大人になってからも,礎にきっとなるはずです。
そして,君たちの生きてきた12年間では,善悪の判断力,正誤の判断力はちゃんと身についているはずです。
ときに,周囲の眼が気になって,その判断力が揺らいだり,本当の自分を偽らないといけないときもあるかもしれません。
自分に正直に,自分を信じて,「強い心」・勇気を持って,進んでいって下さい。
「正直」「純潔」「無私」「敬愛」
大丈夫,大丈夫。

おめでとう,そして,6年間ありがとうございました。

保護者の皆さま,諸先生方,この一年間,子どもの本の会の活動に対するご理解とご協力,誠にありがとうございました。
今後とも,子どもの本の会を,宜しくお願い致します。

『自分の感受性くらい』茨木のり子

2013年03月09日 | 日記
「自分の感受性くらい」茨木のり子
 

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

『空の名前』高橋健司

2013年03月02日 | 日記
『空の名前』

ずっと忘れていた本。
ドリカムの『眼鏡越しの空』を聴いていて,その歌詞に出てくる本。
「そうだ,持ってたんだ,この本!」と想い出し,本棚の奥の奥から引っ張り出してきた。
今の家に引っ越してきてから初めてひらいた。

いっけん,図鑑?と思うのだが,ちょっと違う。

空や天気,季節の移ろいに関する日本語,古典文学の一節や歳時記などから選ばれた言葉が,それをイメージした写真と共に紹介されている。

写真の数は316点。つまり,それだけの言葉が紹介されているのだ。
類似語を合わせると,もっと。

写真の分類?索引(構成)も素晴らしい。

序章.気象学による雲の分類法
1.雲の章
2.水の章
3.氷の章
4.風の章
5.季節の章


季節の章に,『二十四節季』もちゃんと載ってるではないかっ!(笑)
少し前,二十四節気について話題にしたばかりだったので。


たとえば,画像で添付した「天使(ヤコブ)の梯子」の解説。

旧約聖書創生の記第28章を引用し,以下のような文章が記されています。

「雲の切れ間から射し込む,幾筋もの神々しい御光は,あたかも天と地を行き交うための階段
のように思えます。そこでヨーロッパではこれを天使の梯子,ヤコブの梯子といっているのです」


宮沢賢治でいうところの「光のパイプオルガン」だ。

日本気象協会に勤務されていた高橋さん。
まえがきに「気象学上の用語は原則として取り上げませんでした」とあるが,序章だけは,雲の章での俗称をイメージしやすいように,簡単な解説を載せている。

写真の趣味が高じてこの本を出すことになった高橋健司さんいわく,
「地球がスタジオ」だそうだ。

美しい自然,美しい日本の風景,美しい日本の言葉たち…。
もっともっと知りたい。出会いたい。

空を眺めよう。もっと。
外に出て,ほんの小さいな感動でもいい。味わっておこう。

この本もしばらくは手元に置いて眺めることにしよう。

そうして,また,この詩を想い出した。
最初の質問


★2012年度★第10回お昼休みのおはなし会

2013年02月22日 | 日記
1・2年生中心に30人ほど集まってくれました。
ランチを早々に済ませ,「今日は何のおはなし~?」と駆けつけてくれる子供たち。
嬉しいですねぇ~。
先生方にもたくさんお越しいただきました。いつもご理解・ご協力をありがとうございます。




お届したお話は,以下の3作品。

「なわとびしましょ」伊沢尚子・文/及川賢治・絵/福音館書店
「バナナのはなし」長谷川義史・作/学習研究社
「王子様の耳はロバの耳」ポルトガルの昔話


『なわとびしましょ』

ペッタンペッタン,なわとびしましょ!おはいんなさい♪

まず最初は,たけしくん。それからおじいさん,おばあさん,魚屋さんに犬も,ろくろっ首も,宇宙人も…。

みんな仲良くおはいんなさい♪

最後に,縄を踏んだのは…だぁれだ?


『バナナのはなし』


子どもたちが大好きなバナナ。一番身近な果物の不思議について,楽しく答えている絵本です。

冷蔵庫に入れておくと,どうして黒くなるのか。
皮に浮いてくる黒い点々はなに?
にがい筋の正体は?
バナナの花は?
バナナの樹にどんなふうに実をつける?
種は?

大人も一緒に「へぇ~!!!」の連続でした。

久しぶりに科学系の絵本をお届けしました。


『王子様の耳はロバの耳』


ポルトガルの昔話です。

子どものいない王様とお后さまが3人の妖精を呼んで,子どもを授けて欲しいと頼みました。
3人の妖精は、願いをかなえ,お后さまに王子が産まれました。
再び現れた3人の妖精は、魔法の力で王子に贈り物をすることに。
1人目の妖精は「世界一美しい王子に、なりますように」
2番目の妖精は「思いやりのある、賢い王子になりますように」
3番目の妖精は考えた末,
「それでは王子に、ロバの耳が生えますように。そうすれば決していばる事のない王子になるでしょう」

やがて王子は妖精の願い通り、美しく賢い王子になりましたが,ロバの耳も大きく立派に。
ある日床屋に散髪をお願いしました。床屋に王様が「絶対話すなよ」
でも,秘密を黙っていられなくなった床屋は,穴を掘って秘密を叫び土をかけました。
やれやれ,すっきり!
ところが,その土から生えてきたアシの葉を,通りかかった羊飼いが笛にして吹いてみると…。


♪王子さまの耳は、ロバの耳。
♪王子さまの耳は、ロバの耳。


と勝手に歌いだし…。




これまた,久しぶりに,語り(素話)でお届けしました。絵がなくとも,子どもたちは,よく聞き入ってくれてました。
♪王子さまの耳は、ロバの耳♪と,一緒に口づさんてくれたり,秘密をばらした床屋が王様に罰を受けそうになると「ヒャー」と驚いたり…。

本当に,うちの学校の子たちは,おはなしが大好き!
子どもも大人も,同じ空間・時間を共有して楽しめることが読み聞かせの良さ。
また,子どもの成長や発達に気づかされ,子どもたちと楽しく触れ合い,コミュニケーションできる絶好の機会でもあります。
我が子だけよければ…ではなく,保護者皆で,子どもたちみんなの成長を,共に見守っていきたいものです。

たまには,よその子を叱ってもいいのですよ。
今日も,
「こら~!廊下は走らな~い!」
と叱ったら,ピタっと止まって,「はい,すみません」と素直に歩き始めました。

口うるさいウザイおばちゃんだと思われても,べつにいいんです。
挨拶含め,どんどん子どもたちに声をかけてあげましょう。

「私たちは,あなたたちをいつも見てますよ,いつも見守ってますよ,ちゃんと認めてますよ」
というサインをどんどん大人が出してあげましょうよ。


『卒業ホームラン 自選短編集・男子編』重松清

2013年02月13日 | 日記
重松氏の文章は,大変読みやすく,男子編とあったので,息子にどうかと買ったもの。
しかし,どの作品も,これは,大人に特に親に読んでもらいたい。

タイトルにもなっている「卒業ホームラン」。
息子の入っている少年野球チームの監督でもあるお父さんが,今季全勝がかかっている小学校生活最後の試合で,指導者として「勝負」をとるか,親心から最後くらいは…と,息子をベンチ入りさせるかどうするか,悩める姿が上手く描かれています。

加えて,今どきのスポーツ少年団の抱える悩みも。
つまり,保護者の対応。

「なぜ,うちの子が途中で降板させられたんですか?」
「どうして,うちはいつも補欠なんですか?」
「今日は,祖父母も応援に来てるので,ひとつ,よろしく!」

などなど。大変だ~。
いったい,誰のための,何のためのスポーツなんでしょうね。ふふふ

結局,大差で負けてしまった試合。
監督としても最後の試合。
試合そのものより何よりも,周り保護者にも気を使ったりして…へとへと。
最後の試合もベンチにすら入れなかった息子の,最後の一言に救われます。

上手か下手か,勝ったか負けたか…それよりも何よりも,野球をする理由は,

「だって,野球が好きだから!」

でいいのではないでしょうかね?

収録されている作品は,

1 エビスくん
2 卒業ホームラン
3 さかあがりの神様
4 フイッチのイッチ
5 サマーキャンプへようこそ
6 また次の春へ-トン汁-

の6作品。

どの作品も,重松ワールド全開。
多感な小学校高学年の少年・少女,また,そういう子を持つ父親が主人公。
親友とは?父親とは?家族とは?
涙なくしては読めないものも…

個人的には,「卒業ホームラン」に次いで,「サマーキャンプへようこそ」が好きです。
我が家も,アウトドアなんて無縁だった夫を,「子どもはやっぱり自然の中で遊ばせるべきよ!」なんて,無理やりアウトドア父さんに仕立てあげた経緯があり…,身につまされます。

子どもはよく大人を見抜いているものですね。

重松氏が3.11震災直後,自身の愛着深い作品を集めたもの。女子編『まゆみのマーチ』と共に印税のすべてが,将来にわたって,あしなが育英会に寄付されます。

『数学脳をつくる』藤原和博

2013年01月30日 | 日記
藤原和博氏:民間人から初めて公立(杉並区)の中学校長になった方として有名です。


画像にあるような問題があったとします。どれが正解でしょう。


④が仲間外れとする答える人が圧倒的に多いそうです。
理由は,「線が切れているから」


次に多いのが②
理由は「左右対称じゃないから」

①を選んだ人が一番少なかったそうです。
選んだ人の理由は「小さいから」


ちなみに,息子は,③。理由は「尖っているから」


数学の問題だと思うと,肩に力が入って,眉間にシワが寄って…(笑),たった1つの正解を探しがちですが,すべての図形に仲間外れの理由が存在し,それらの違う見方がそれぞれ必要になる場面が存在します。


たとえば,職業別にみると…,


不動産関係の人は①…土地が小さい。有効活用できないから。

デザイナー関係の人は②…線対称でなく美しくないから。

鉄道関係の設計者は③…尖った線路では電車は走れないから。

動物園の飼育係は④…檻から動物が逃げてしまうから。


チェックする対象によって,チェックする内容も変わるから面白い。



仲間外れやグループ分けは,たとえば,日々,ゴミの分別とか普段やっていることですね。
自治体によって分別のルールが,まぁ,さまざま。

嫌な奴,嫌いな子を,ある理由だけで「仲間外れにする」こともあれば,別の理由で他の仲間に入れることもある。
子どもの世界では,仲間分け,グループ分けは,とてもダイナミックに変化しているようです(苦笑)


物事や人物ををいろんな方向から多角的にとらえるってことが大事なのですね。
もっと頭を柔らかくしなくては。



この本では,数学的な見方=本質を見抜く力を鍛える学問だと説いています。
よのなかには,数学的な考え方がとても多く隠されています。

「なんで,算数ってあるの?」
「何で数学を勉強しなくちゃいけないの?」
と,中学進学目前に文句を言いながら宿題をしている息子に,上手にそして知的に(笑)答えるために,さらに読み進めていきたいです。


「くっつける技術」
「区別する技術」
「捨てる技術」
「かみくだく技術」
「寄せる技術」
「なんとなくの技術」
「近似する技術」
「類推する技術」
の8つの技術が紹介されています。

「この8つの技術は,どれも,自分の人生を編集する技術でもあり,未来につながる”光”を見つけるための基本的な『処世術』となる」(本文より)

★2012年度★第9回お昼休みのおはなし会

2013年01月19日 | 日記
①「おへそのあな」長谷川義史/作,BL出版
②「はつてんじん」川端誠/作,クレヨンハウス
③「ふしぎサーカス」伊藤文人/作,サンマーク出版


『おへそのあな』
誕生前のおなかのなかの赤ちゃんが,おへその穴から,家族の様子をみています。
頭が下になっているので,見える景色は,みな逆さま。
(なぜ,逆さまなのか,子どもたちはわかったかな?)

赤ちゃんは,家族の会話を聴いています。お料理の匂いを嗅いでいます。
赤ちゃんの誕生を待ちわびる,家族の幸せそうなようす。

そして,赤ちゃんは,生まれてくる日に,そっと,聞こえないように言うのです。
「あした,生まれていくからね」

子どもが生まれたときの感動がよみがえる,素敵な絵本です。。
これからお姉ちゃん,お兄ちゃんになるお子さんにオススメ。

また,1年生は,3学期の総合学習として,生まれてからこれまでの自分史を作ります。
誕生前から今までの自分の成長について,お母さんにインタビューもします。
家事や仕事で時間に追われる日々で,我が子が生まれたときの感動を忘れがちですが,優しい気持ちに戻って,一緒に作り上げて下さいね。



『はつてんじん』
初天神…学問の神様,菅原道真をまつる天満宮の縁日は毎月25日。新年になってから,天満宮にはじめてお参りに行くことを,“初天神”といいます。

やんちゃな金坊とお父さんは連れ立って,天神様へお参りへ。
本当は「これ買って~!あれ買って~!」とねだってばかりの金坊を連れて行きたくないお父さんなのです…。
途中の屋台で金坊は,わたがし,たこやき…とおいしそうなものをねだりますが,お父さんは「あれは,どくだ。」とごまかします。
でも,とうとう,根負けして凧を買うことなりますが…

お父さんと金坊のかけあいが楽しい,落語絵本。


落語が大好きな子どもたち。
最後,金坊そっちのけで凧上げに夢中になるお父さんにかけた金坊の言葉(オチ)が,ちゃんと理解できてました!

担当のTさんが前に出ただけで,「おっ!面白い話だよ,きっと!」と子どもたち(笑)。
お笑い系担当就任おめでとうございます,Tさん!
今年も,子どもたちに,たくさん笑ってもらいましょう~!


『ふしぎサーカス』
ひっくりかえしてみると…あれぇ~?
バスがピエロに!ピエロが女の子!犬がウサギに!
とても愉快なさかさ絵本。

ここまでくると芸術作品ですね。
2005年「第23回 アートの中のユーモア国際ビエンナーレ」にて特別賞受賞。世界が認めた,伊藤文人のさかさ絵ワールドを,ぜひお手元でもお楽しみ下さい。



その他,メンバーが紹介してくれた絵本です。

『ミリーのすてきなぼうし』きたむらさとし/作,BL出版
素敵な帽子が欲しくて帽子屋さんに出かけたミリー。
欲しかった素敵な羽のついた帽子は,なんと99999円!
「このくらいしかないんですが…」と,ミリーがお金が全く入っていない財布を見せると,店員さんが「では,これをどうぞ」と,ミリーの頭に想像の帽子を乗せてくれます。
ミリーが街の通りを歩き,見るもの,出会うものが変る度に,想像の帽子も変わっていきます。
そして,すれちがう街のひとびとの頭にも想像の帽子があることに気が付きます。

帰宅後,お母さんに,帽子の事を話します。
お母さんも「素敵ねぇ~」と…。

私は,帽子屋の店員さんとお母さんの,とても優しい,想像力ある大人の対応に感動しました。
クジャクの帽子は圧巻ですよ。

2010年の課題図書になったのも理解できます。みなに読んでもらいたい作品です。

『ちょっとだけ…』瀧村 有子/著,鈴木 永子/絵,福音館書店
下の子の赤ちゃんの世話で忙しいなっちゃんのお母さん。
なっちゃんは,お姉ちゃんとして,ひとりでお母さんに頼らずに,いろいろやってみようと頑張ります。
でも,やっぱり,お母さんにお願いしたいことがある…。
なっちゃんは,「”ちょっとだけ”でいいからだっこして」とお母さんにお願いします。
お母さんは,「いっぱいだっこしたいんですけど、いいですか?」

お姉さんとして成長していくなっちゃんですが,お母さんの愛情を一人占めできない切なさに心打たれます。鈴木永子さんのイラストが優しく表現しています。


ミリーのお母さん,なっちゃんのお母さんのように,子どもへの優しい声掛け,少し,私も見習おうと思いました。

Sさん,2冊の絵本のご紹介ありがとうございました。

次回の定例会,お昼休みのおはなし会は,2/21(木)です。

『きたかぜとたいよう』イソップ童話

2013年01月13日 | 日記
【ストーリー】

北風と太陽が、どちらの方が強いか言い合いをしています。

旅人のマントを脱がした方が勝ちと言うことで,競争がはじまりました。

北風が力いっぱい風を吹いてマントを飛ばそうとしますが、うまくいきません。

旅人はさらにしっかりとマントをからだに巻きつける始末。

つづいて太陽がさんさんと照らすと…。




結末は皆さまご存じのイソップ童話。





最後に太陽が北風に言います。

ね,わかっただろう。ひとは,力より,優しさに心を動かされるものなんだよ」


いつも「太陽」でありたいものです。







同タイトルで,たくさん出版されていますが,以前も「こびとのくつや」でご紹介しましたが,グリム童話やアンデルセン童話の絵本は,このバーナ・デット・ワッツさんが挿絵を手掛けたものが好きです。

3学期の定例会のお知らせ

2013年01月11日 | 日記
子どもの本の会では,メンバー大募集中です。

お気に入りの絵本を持ち寄って,子育てや日々の出来事など,毎回おしゃべりの花が咲いております。

持ち寄った絵本,お話の中から,お昼休みには,子どもたちに読み聞かせをしております。

低学年中心ですが,毎回,たくさんの児童が眼を輝かせて聞きにきてくれます。

ぜひ,いちど遊びにいらしてください。

お待ちしております。


☆定例会&お昼休みのおはなし会☆

日時:1月17日(木) 10:30~
   2月21日(木) 10:30~
場所:旧生徒寮西談話室(食堂奥)

☆お昼休みのおはなし会
13:05~13:20
定例会の後,初等学校の読書室へ移動します。 

Gregory’s iPhone Contract -母から息子へ「スマホ18の約束」-

2013年01月09日 | 日記
今,クラスで携帯電話を持っていないのはうちの子だけかもしれません。これから中学に進みにあたり,葛藤することになりそうです。
アメリカボストン在住のブロガーママJanell Hofmanさんが自身のブログに載せた,息子さんに宛てた手紙(契約書)が参考になりそうです。



訳が多少異なりますが,今日学年通信でも紹介されまていました。


大切なグレゴリーへ

メリークリスマス!
あなたは今からiPhoneを持つことができます。
でもこのプレゼントを受け取るのにはルールや規則が伴います。
あなたがテクノロジーに振り回されることなく、うまく活用できる大人になるために、健康でしっかりとした青年に育てることが私の役目であることを分かってくれることを願います。

1. これは私の携帯です。
  私が購入し支払います。
  あなたに貸しているのです。
  私って優しいでしょ?

2. パスワードは私が常に把握します。

3. これは「電話」です。
  鳴ったら出ること。
  「もしもし こんにちわ」と礼儀正しく言いなさい。
  もし,画面に“ママ”や“パパ”と出ても,無視することなく必ず出なさい。

4. 学校がある日は,夜の7時30分,週末は夜9時に,
  親のどちらかに電話を預けなさい。
  友達の親が直接出る固定電話に電話できないような相手なら,
  そんな友達とは電話もメールもしてはいけません。
  常識をもって。
  私達の家族がプライバシーを尊重してもらいたいのと同様に,
  他の家族も尊重しなさい。

5. 携帯電話は,学校に持っていってはいけません。
  人とあっているときは,直接会話をしなさい。
  人との対話は大切なスキルです。

6. 携帯電話がトイレや床に落ちたり,
  破損した場合の修理費用はあなたの責任です。
  芝刈り・ベビーシッター・お誕生日のお祝いのお金などで
  あなたに払ってもらいます。
  こういうことはありがちなことですから,準備しておいたほうがいいわよ。

7. テクノロジーを,
  他人に嘘をついたり,
  馬鹿にしたりするために使わないこと。
  人を傷つけるような会話には関わらないこと。

8. 面と向かって言えないようなことは,
  携帯電話を通してメールやテキストメールを送らないこと。

9. 友達の親がいる前で言えないようなことは,
  携帯電話を通してメールやテキストメールを送らないこと。

10. ポルノは禁止。
  私とオープンに共有できる情報を,ウェブで検索してください。
  何か質問したいことがあれば人に尋ねなさい。
  なるべく,私かパパに聞いてね。

11. 公の場では電源を切るか,マナーモードに設定すること。
  特にレストランや映画館。
  ほかの人と話している時は,気を使ってください。
  あなたは失礼なことをしない子です。
  iPhoneを持っても変わらないでください。

12. ほかの人にあなたの大事な部分の写真や,
  ほかの人の大事な部分の写真を,
  送ったり受け取ったりしないこと。
  笑わないで!
  あなたがいくら賢くても,
  そういうことをしたくなる時期がやってきます。
  悪い考えです。
  インターネットは,あなたよりも,非常に巨大で強力なのです。
  これほどの規模を消すのは難しいし,
  風評を消すのも難しいのよ。

13. 膨大な数の写真やビデオを撮らないこと。
  すべてを記録する必要はありません。
  自分自身の体験を大切に。
  そうした体験は永遠に残るものよ。

14. 時々家に携帯を置いて出かけること。
  そして,その選択に自信を持ちなさい。
  携帯電話は生き物でもないし,
  あなたの一部でもありません。
  携帯電話なしでも暮らしていけることを覚えてください。
  取り残されることを恐れるのではなく,
  流行に流されない,
  器の大きい人間になりなさい。

15. 新しい音楽やクラシックなど,
  いろんな曲をダウンロードしなさい。
  あなたの仲間が聴いている音楽だけでなく,
  様々な曲を聴きなさい。
  あなたの世代は,史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。
  この利点を活用して視野を広げなさい。

16. ワードゲームやパズル,知能ゲームで時々遊びなさい。

17. 上を向いて歩きなさい。
  あなたの周囲の世界に目を向けなさい。
  窓を眺めたり,
  鳥のさえずりをきいたり,
  散歩したり,
  知らない人と会話してみてください。
  グーグルで検索せずに,
  思考しなさい。

18. あなたは約束を守れないかもしれません。
  その時私はあなたの携帯電話を没収します。
  その時は話し合いをしましょう。
  もう一度初めからやり直すのです。
  あなたと私は,常に学んでいるのです。
  私とあなたはチームメイトなのです。
  一緒に答えを出していきましょう。



http://www.janellburleyhofmann.com/ ←原文はこちら

『おしゃべり階段』くらもちふさこ

2013年01月08日 | 日記
小学校時代,「りぼん」派と「なかよし」派が対峙していて,ちょっとマイナーなところで,「はなとゆめ」派が数名いた。

私は「別マ」派だった。別冊マーガレット。

好きな漫画家さんは,くらもちふさこさん。

30年以上前の作品だが,『おしゃべり階段は』文庫本になったものを今もときどき愛読している。



その他,好きなマンガ家は,睦A子さん,岩舘真理子さん,吉田まゆみさんだった。

描かれた男性が,皆私好みで,かっこよかったんだ。

「レモン白書」「アイドルを探せ!」全巻もっていたが,どこ行ったのか?はて?




「おしゃべり階段」の,主人公,森本加奈が,中学~高校時代の自分と重なる。

何度読みかえしても,胸がキュンとする。

残念なことに,中山手線君のような,かっこいい彼氏は出来なかったが…(笑)
(登場人物は,駅名が多い。中野くん,荻窪くん,国分寺さん,立川先生)

中学時代は,友だちのこと,恋愛のこと(好きな人が親友とかぶってしまったり…),受験のこと,自身で抱えている身体的なコンプレックス(私の場合はニキビだった…)などなど,いろんなモヤモヤ袋を抱えていたなぁ。

誰にも相談することなく,自分でなんとか凌いできた感じがする。

「時」が解決してくれるということも,「その時」の自分にはわかるはずもない。


今は,あんなに悩んでいたことがウソのように思える。

これといった答えのない問題に,悩み続けた日々。

でも,悩むことは無駄ではない。

いろんなことを,思い悩み続ける時間が持てたことはむしろよかったと思う。



それに,うちの親は口うるさくなくて,それでも見守っていてくれたことに,今は感謝している。



絵本の読み聞かせをしている…とはいえ,正直,母親に読んでもらった記憶はまったくない。
そして,ほとんど本も読んでなかった中学時代。
もっと読んでいたら,人生変わっていたかもしれないが,いまは後の祭りだ。

高校受験の面接で,「最近読んだ本は?」と問われて,山口百恵の「蒼い時」と言ってしまったあと,そのときの面接官だった小枝先生(体育)に笑われ,汗がどーっと出たのを今でも覚えている。


漫画はよく読んでいた。

身近な大人や教師の説教やアドバイスより,こうした漫画の中のセリフに助けられたところも少なからずあった。


「おしゃべり階段」の登場人物は,クラスに,先輩に,後輩に,必ず一人はいたような人物ばかり。

読むたびに,自分の中学時代と重なって,あの子,あいつ,あの先生が,懐かしく思い出される漫画だ。



あなたたちの未来がわかる

あたしの「過去」というテキストがあったから

だけど あなたたちは知らなくていい

遠い未来に見つけるものが

今のあたしにわからないように

わからないから悩む

悩んで

悩んで

いつか悩むことが無駄ではないことを知り

そして

いつかテキストになるであろう「今」を大事にしたいと思う日もくる


(「おしゃべり階段」より)


ラストは何度読んでもジーンとくる。


漫画本ばかり読んでいる息子に,

「ちゃんとした本読みなさい」

と,言っているそんな母ちゃんも,漫画大好きなんだよ。ふふ


『PRESENT-世界で1番大切なことの見つけ方-』坂之上洋子(著)

2012年12月25日 | 日記
本来は女子向け?なのかもしれませんが,私が日々子供に話してきたことが,詩にギュッと詰まっている気がして…。

ガミガミの私の言葉より,優しい詩が,子供の心に響いてくれそう。


「心のおきかた」

ものを盗まれたとき
傷つけられたとき

されたことよりも
そこまでしなくてはならなかった
その人の生きてきた過程の不幸を思う

ひどいことをしてしまったその人の
これからの人生が今より辛くなりませんようにって

透明な気持ちで祈ろう

(本文より)



透明な心,澄んだ心でいるのは大人でも難しい。