goo blog サービス終了のお知らせ 

子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『1つぶのおこめ―さんすうのむかしばなし』デミ:著

2011年01月19日 | 日記
【ストーリー】
強欲な王様が、村人の年貢米を一人占め。

飢饉が来ても、村人には配給してくれません。

ある日、村娘が、蔵から運び出したときに落ちたお米を、王様に届けました。

「なんでもほうびをとらせるぞ!」と、王様。

娘は、「それでは、お米をひと粒下さい」と言いだします。

今日は、1つぶ。
明日は、その倍の2つぶ。
あさっては、その2倍の4つぶ。
その次の日は、8つぶ。

という風に、お米をもらいに行くことに。

さて、そうして、続けていくと、30日目には…

2の30乗ですよね。ふふふ



大きな数を習ったあとの中学年向けの絵本ではありますが、増えていくお米を分かりやすくダイナミックにイラストで見せてくれますので、大きな数がわからなくても、量的にだいたいのお米の数をとらえられますから、低学年でも大丈夫。

巻末には、実際、最終的に何粒になったのか、数字でも表記してあります。

読み聞かせのあと、

「さぁ、おうちに帰ったら、お母さんお父さんに、クリスマスプレゼントもお年玉も要りません。私に1円ください。明日は、倍の2円、あさっては、その倍の4円…、そうしたら、1カ月後は、みんな10億万長者だよ~。でも、家は破産してなくなってしまうので、ご注意!」

と話したら、収拾がつかなくなるくらい、盛り上がってしまいました…。ははは




『マーシャと白い鳥』ミハイル・ブラートフ:再話/出久根育:文と絵

2011年01月19日 | 日記
【ストーリー】
マーシャの両親が「弟のワーニャの面倒をみてね」と言い残し、町に買いものに出かけました。

なのに、マーシャは、弟を放っておいて、お友達の家に遊びに行ってしまいます。

その間、ワーニャは白い鳥たちに、森の奥へと連れ去られてしまいました。

マーシャは、弟を助けに森へと入っていきます。

道中、ペチカ、りんごの木、ミルクの川が、マーシャに行く手を教えてくれますが、それと引き換えに、マーシャは、それぞれで頼まれたお願いをそつなくこなします。

やっと見つけたワーニャは、ババヤガー(北欧の鬼婆)の家にいました。

マーシャはワーニャを抱え、一目散に逃げますが、逃がすものかとババヤガー。

白い鳥たちがどこまでも追いかけてきます。

さぁ、マーシャとワーニャは逃げ切れるでしょうか?

彼女たちを助けてくれるのは…






「弟(妹)のめんどうみてね」と言われながら、そうしない兄、姉。

親のいない間に起きた事件を、何事もなかったように装う経験は、兄弟姉妹のいるひとは、誰にでもあるのでは?


最近知ったのですが、出久根育さんのこのイラストの原画は、石膏パネルに描かれたものだそうです。どおりで、なんとも奥行きのある重厚な絵で、北欧の深い森の雰囲気などがよく描かれているなぁと思いました。ハラハラドキドキ、ストーリーも十分楽しめますが、何度も眺めたくなる素晴らしい絵ですよ。

『黒グルミのからのなかに』ミュリエル・マンゴー:文/カルメン・セゴヴィア:絵

2011年01月19日 | 日記
【ストーリー】
ある朝、具合が悪くてベッドから起きられないお母さんがポールにいいます。

「もうすぐ、死神が迎えに来るわ」

ポールは薬を買いに行く途中、浜辺で死神に遭遇。

お母さんが死神の王国へ連れていかれないように、死神をカマの柄でやっつけ、黒グルミの殻の中に押し込めてしまいました。

そして、海へ放り投げます。

お母さんは死から逃れますが、それからというもの、世界中に死が訪れなくなってしまい、野菜も肉も魚も思うように摂る事ができなくなってしまいました。

死神がいなくなったことで、命のサイクル、食物連鎖が、上手く回らなくなってしまったのです…

ポールはお母さんに諭され、自然のいのちの流れを取り戻すために、クルミを探しに出かけます。

死神は見つかるでしょうか?お母さんはどうなるのでしょうか?






いきなり、死神が登場するので、子供たちは「えぇ~?!」と驚きます。

少し重い内容ですが、ちょうど生や死を考え始める高学年向けといえます。

子供たちは、静かに聞き入っていました。後半、死神をクルミの中から出してあげたあと、いったいお母さんがどうなるのか…気になった様子です。

私は結構、こういった展開が好きなのですが…、複雑なバックグラウンドを持った子供たちがいるときは、よく考えて読み聞かせをしないといけないかもしれません。