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子どもの本の会

子どもたちにはありったけのお話をきかせよう。やがて、どんな運命もドッヂボールのように受け止められるように。(茨木のり子)

『数学脳をつくる』藤原和博

2013年01月30日 | 日記
藤原和博氏:民間人から初めて公立(杉並区)の中学校長になった方として有名です。


画像にあるような問題があったとします。どれが正解でしょう。


④が仲間外れとする答える人が圧倒的に多いそうです。
理由は,「線が切れているから」


次に多いのが②
理由は「左右対称じゃないから」

①を選んだ人が一番少なかったそうです。
選んだ人の理由は「小さいから」


ちなみに,息子は,③。理由は「尖っているから」


数学の問題だと思うと,肩に力が入って,眉間にシワが寄って…(笑),たった1つの正解を探しがちですが,すべての図形に仲間外れの理由が存在し,それらの違う見方がそれぞれ必要になる場面が存在します。


たとえば,職業別にみると…,


不動産関係の人は①…土地が小さい。有効活用できないから。

デザイナー関係の人は②…線対称でなく美しくないから。

鉄道関係の設計者は③…尖った線路では電車は走れないから。

動物園の飼育係は④…檻から動物が逃げてしまうから。


チェックする対象によって,チェックする内容も変わるから面白い。



仲間外れやグループ分けは,たとえば,日々,ゴミの分別とか普段やっていることですね。
自治体によって分別のルールが,まぁ,さまざま。

嫌な奴,嫌いな子を,ある理由だけで「仲間外れにする」こともあれば,別の理由で他の仲間に入れることもある。
子どもの世界では,仲間分け,グループ分けは,とてもダイナミックに変化しているようです(苦笑)


物事や人物ををいろんな方向から多角的にとらえるってことが大事なのですね。
もっと頭を柔らかくしなくては。



この本では,数学的な見方=本質を見抜く力を鍛える学問だと説いています。
よのなかには,数学的な考え方がとても多く隠されています。

「なんで,算数ってあるの?」
「何で数学を勉強しなくちゃいけないの?」
と,中学進学目前に文句を言いながら宿題をしている息子に,上手にそして知的に(笑)答えるために,さらに読み進めていきたいです。


「くっつける技術」
「区別する技術」
「捨てる技術」
「かみくだく技術」
「寄せる技術」
「なんとなくの技術」
「近似する技術」
「類推する技術」
の8つの技術が紹介されています。

「この8つの技術は,どれも,自分の人生を編集する技術でもあり,未来につながる”光”を見つけるための基本的な『処世術』となる」(本文より)

★2012年度★第9回お昼休みのおはなし会

2013年01月19日 | 日記
①「おへそのあな」長谷川義史/作,BL出版
②「はつてんじん」川端誠/作,クレヨンハウス
③「ふしぎサーカス」伊藤文人/作,サンマーク出版


『おへそのあな』
誕生前のおなかのなかの赤ちゃんが,おへその穴から,家族の様子をみています。
頭が下になっているので,見える景色は,みな逆さま。
(なぜ,逆さまなのか,子どもたちはわかったかな?)

赤ちゃんは,家族の会話を聴いています。お料理の匂いを嗅いでいます。
赤ちゃんの誕生を待ちわびる,家族の幸せそうなようす。

そして,赤ちゃんは,生まれてくる日に,そっと,聞こえないように言うのです。
「あした,生まれていくからね」

子どもが生まれたときの感動がよみがえる,素敵な絵本です。。
これからお姉ちゃん,お兄ちゃんになるお子さんにオススメ。

また,1年生は,3学期の総合学習として,生まれてからこれまでの自分史を作ります。
誕生前から今までの自分の成長について,お母さんにインタビューもします。
家事や仕事で時間に追われる日々で,我が子が生まれたときの感動を忘れがちですが,優しい気持ちに戻って,一緒に作り上げて下さいね。



『はつてんじん』
初天神…学問の神様,菅原道真をまつる天満宮の縁日は毎月25日。新年になってから,天満宮にはじめてお参りに行くことを,“初天神”といいます。

やんちゃな金坊とお父さんは連れ立って,天神様へお参りへ。
本当は「これ買って~!あれ買って~!」とねだってばかりの金坊を連れて行きたくないお父さんなのです…。
途中の屋台で金坊は,わたがし,たこやき…とおいしそうなものをねだりますが,お父さんは「あれは,どくだ。」とごまかします。
でも,とうとう,根負けして凧を買うことなりますが…

お父さんと金坊のかけあいが楽しい,落語絵本。


落語が大好きな子どもたち。
最後,金坊そっちのけで凧上げに夢中になるお父さんにかけた金坊の言葉(オチ)が,ちゃんと理解できてました!

担当のTさんが前に出ただけで,「おっ!面白い話だよ,きっと!」と子どもたち(笑)。
お笑い系担当就任おめでとうございます,Tさん!
今年も,子どもたちに,たくさん笑ってもらいましょう~!


『ふしぎサーカス』
ひっくりかえしてみると…あれぇ~?
バスがピエロに!ピエロが女の子!犬がウサギに!
とても愉快なさかさ絵本。

ここまでくると芸術作品ですね。
2005年「第23回 アートの中のユーモア国際ビエンナーレ」にて特別賞受賞。世界が認めた,伊藤文人のさかさ絵ワールドを,ぜひお手元でもお楽しみ下さい。



その他,メンバーが紹介してくれた絵本です。

『ミリーのすてきなぼうし』きたむらさとし/作,BL出版
素敵な帽子が欲しくて帽子屋さんに出かけたミリー。
欲しかった素敵な羽のついた帽子は,なんと99999円!
「このくらいしかないんですが…」と,ミリーがお金が全く入っていない財布を見せると,店員さんが「では,これをどうぞ」と,ミリーの頭に想像の帽子を乗せてくれます。
ミリーが街の通りを歩き,見るもの,出会うものが変る度に,想像の帽子も変わっていきます。
そして,すれちがう街のひとびとの頭にも想像の帽子があることに気が付きます。

帰宅後,お母さんに,帽子の事を話します。
お母さんも「素敵ねぇ~」と…。

私は,帽子屋の店員さんとお母さんの,とても優しい,想像力ある大人の対応に感動しました。
クジャクの帽子は圧巻ですよ。

2010年の課題図書になったのも理解できます。みなに読んでもらいたい作品です。

『ちょっとだけ…』瀧村 有子/著,鈴木 永子/絵,福音館書店
下の子の赤ちゃんの世話で忙しいなっちゃんのお母さん。
なっちゃんは,お姉ちゃんとして,ひとりでお母さんに頼らずに,いろいろやってみようと頑張ります。
でも,やっぱり,お母さんにお願いしたいことがある…。
なっちゃんは,「”ちょっとだけ”でいいからだっこして」とお母さんにお願いします。
お母さんは,「いっぱいだっこしたいんですけど、いいですか?」

お姉さんとして成長していくなっちゃんですが,お母さんの愛情を一人占めできない切なさに心打たれます。鈴木永子さんのイラストが優しく表現しています。


ミリーのお母さん,なっちゃんのお母さんのように,子どもへの優しい声掛け,少し,私も見習おうと思いました。

Sさん,2冊の絵本のご紹介ありがとうございました。

次回の定例会,お昼休みのおはなし会は,2/21(木)です。

『きたかぜとたいよう』イソップ童話

2013年01月13日 | 日記
【ストーリー】

北風と太陽が、どちらの方が強いか言い合いをしています。

旅人のマントを脱がした方が勝ちと言うことで,競争がはじまりました。

北風が力いっぱい風を吹いてマントを飛ばそうとしますが、うまくいきません。

旅人はさらにしっかりとマントをからだに巻きつける始末。

つづいて太陽がさんさんと照らすと…。




結末は皆さまご存じのイソップ童話。





最後に太陽が北風に言います。

ね,わかっただろう。ひとは,力より,優しさに心を動かされるものなんだよ」


いつも「太陽」でありたいものです。







同タイトルで,たくさん出版されていますが,以前も「こびとのくつや」でご紹介しましたが,グリム童話やアンデルセン童話の絵本は,このバーナ・デット・ワッツさんが挿絵を手掛けたものが好きです。

3学期の定例会のお知らせ

2013年01月11日 | 日記
子どもの本の会では,メンバー大募集中です。

お気に入りの絵本を持ち寄って,子育てや日々の出来事など,毎回おしゃべりの花が咲いております。

持ち寄った絵本,お話の中から,お昼休みには,子どもたちに読み聞かせをしております。

低学年中心ですが,毎回,たくさんの児童が眼を輝かせて聞きにきてくれます。

ぜひ,いちど遊びにいらしてください。

お待ちしております。


☆定例会&お昼休みのおはなし会☆

日時:1月17日(木) 10:30~
   2月21日(木) 10:30~
場所:旧生徒寮西談話室(食堂奥)

☆お昼休みのおはなし会
13:05~13:20
定例会の後,初等学校の読書室へ移動します。 

Gregory’s iPhone Contract -母から息子へ「スマホ18の約束」-

2013年01月09日 | 日記
今,クラスで携帯電話を持っていないのはうちの子だけかもしれません。これから中学に進みにあたり,葛藤することになりそうです。
アメリカボストン在住のブロガーママJanell Hofmanさんが自身のブログに載せた,息子さんに宛てた手紙(契約書)が参考になりそうです。



訳が多少異なりますが,今日学年通信でも紹介されまていました。


大切なグレゴリーへ

メリークリスマス!
あなたは今からiPhoneを持つことができます。
でもこのプレゼントを受け取るのにはルールや規則が伴います。
あなたがテクノロジーに振り回されることなく、うまく活用できる大人になるために、健康でしっかりとした青年に育てることが私の役目であることを分かってくれることを願います。

1. これは私の携帯です。
  私が購入し支払います。
  あなたに貸しているのです。
  私って優しいでしょ?

2. パスワードは私が常に把握します。

3. これは「電話」です。
  鳴ったら出ること。
  「もしもし こんにちわ」と礼儀正しく言いなさい。
  もし,画面に“ママ”や“パパ”と出ても,無視することなく必ず出なさい。

4. 学校がある日は,夜の7時30分,週末は夜9時に,
  親のどちらかに電話を預けなさい。
  友達の親が直接出る固定電話に電話できないような相手なら,
  そんな友達とは電話もメールもしてはいけません。
  常識をもって。
  私達の家族がプライバシーを尊重してもらいたいのと同様に,
  他の家族も尊重しなさい。

5. 携帯電話は,学校に持っていってはいけません。
  人とあっているときは,直接会話をしなさい。
  人との対話は大切なスキルです。

6. 携帯電話がトイレや床に落ちたり,
  破損した場合の修理費用はあなたの責任です。
  芝刈り・ベビーシッター・お誕生日のお祝いのお金などで
  あなたに払ってもらいます。
  こういうことはありがちなことですから,準備しておいたほうがいいわよ。

7. テクノロジーを,
  他人に嘘をついたり,
  馬鹿にしたりするために使わないこと。
  人を傷つけるような会話には関わらないこと。

8. 面と向かって言えないようなことは,
  携帯電話を通してメールやテキストメールを送らないこと。

9. 友達の親がいる前で言えないようなことは,
  携帯電話を通してメールやテキストメールを送らないこと。

10. ポルノは禁止。
  私とオープンに共有できる情報を,ウェブで検索してください。
  何か質問したいことがあれば人に尋ねなさい。
  なるべく,私かパパに聞いてね。

11. 公の場では電源を切るか,マナーモードに設定すること。
  特にレストランや映画館。
  ほかの人と話している時は,気を使ってください。
  あなたは失礼なことをしない子です。
  iPhoneを持っても変わらないでください。

12. ほかの人にあなたの大事な部分の写真や,
  ほかの人の大事な部分の写真を,
  送ったり受け取ったりしないこと。
  笑わないで!
  あなたがいくら賢くても,
  そういうことをしたくなる時期がやってきます。
  悪い考えです。
  インターネットは,あなたよりも,非常に巨大で強力なのです。
  これほどの規模を消すのは難しいし,
  風評を消すのも難しいのよ。

13. 膨大な数の写真やビデオを撮らないこと。
  すべてを記録する必要はありません。
  自分自身の体験を大切に。
  そうした体験は永遠に残るものよ。

14. 時々家に携帯を置いて出かけること。
  そして,その選択に自信を持ちなさい。
  携帯電話は生き物でもないし,
  あなたの一部でもありません。
  携帯電話なしでも暮らしていけることを覚えてください。
  取り残されることを恐れるのではなく,
  流行に流されない,
  器の大きい人間になりなさい。

15. 新しい音楽やクラシックなど,
  いろんな曲をダウンロードしなさい。
  あなたの仲間が聴いている音楽だけでなく,
  様々な曲を聴きなさい。
  あなたの世代は,史上もっとも音楽にアクセスできる世代なのよ。
  この利点を活用して視野を広げなさい。

16. ワードゲームやパズル,知能ゲームで時々遊びなさい。

17. 上を向いて歩きなさい。
  あなたの周囲の世界に目を向けなさい。
  窓を眺めたり,
  鳥のさえずりをきいたり,
  散歩したり,
  知らない人と会話してみてください。
  グーグルで検索せずに,
  思考しなさい。

18. あなたは約束を守れないかもしれません。
  その時私はあなたの携帯電話を没収します。
  その時は話し合いをしましょう。
  もう一度初めからやり直すのです。
  あなたと私は,常に学んでいるのです。
  私とあなたはチームメイトなのです。
  一緒に答えを出していきましょう。



http://www.janellburleyhofmann.com/ ←原文はこちら

『おしゃべり階段』くらもちふさこ

2013年01月08日 | 日記
小学校時代,「りぼん」派と「なかよし」派が対峙していて,ちょっとマイナーなところで,「はなとゆめ」派が数名いた。

私は「別マ」派だった。別冊マーガレット。

好きな漫画家さんは,くらもちふさこさん。

30年以上前の作品だが,『おしゃべり階段は』文庫本になったものを今もときどき愛読している。



その他,好きなマンガ家は,睦A子さん,岩舘真理子さん,吉田まゆみさんだった。

描かれた男性が,皆私好みで,かっこよかったんだ。

「レモン白書」「アイドルを探せ!」全巻もっていたが,どこ行ったのか?はて?




「おしゃべり階段」の,主人公,森本加奈が,中学~高校時代の自分と重なる。

何度読みかえしても,胸がキュンとする。

残念なことに,中山手線君のような,かっこいい彼氏は出来なかったが…(笑)
(登場人物は,駅名が多い。中野くん,荻窪くん,国分寺さん,立川先生)

中学時代は,友だちのこと,恋愛のこと(好きな人が親友とかぶってしまったり…),受験のこと,自身で抱えている身体的なコンプレックス(私の場合はニキビだった…)などなど,いろんなモヤモヤ袋を抱えていたなぁ。

誰にも相談することなく,自分でなんとか凌いできた感じがする。

「時」が解決してくれるということも,「その時」の自分にはわかるはずもない。


今は,あんなに悩んでいたことがウソのように思える。

これといった答えのない問題に,悩み続けた日々。

でも,悩むことは無駄ではない。

いろんなことを,思い悩み続ける時間が持てたことはむしろよかったと思う。



それに,うちの親は口うるさくなくて,それでも見守っていてくれたことに,今は感謝している。



絵本の読み聞かせをしている…とはいえ,正直,母親に読んでもらった記憶はまったくない。
そして,ほとんど本も読んでなかった中学時代。
もっと読んでいたら,人生変わっていたかもしれないが,いまは後の祭りだ。

高校受験の面接で,「最近読んだ本は?」と問われて,山口百恵の「蒼い時」と言ってしまったあと,そのときの面接官だった小枝先生(体育)に笑われ,汗がどーっと出たのを今でも覚えている。


漫画はよく読んでいた。

身近な大人や教師の説教やアドバイスより,こうした漫画の中のセリフに助けられたところも少なからずあった。


「おしゃべり階段」の登場人物は,クラスに,先輩に,後輩に,必ず一人はいたような人物ばかり。

読むたびに,自分の中学時代と重なって,あの子,あいつ,あの先生が,懐かしく思い出される漫画だ。



あなたたちの未来がわかる

あたしの「過去」というテキストがあったから

だけど あなたたちは知らなくていい

遠い未来に見つけるものが

今のあたしにわからないように

わからないから悩む

悩んで

悩んで

いつか悩むことが無駄ではないことを知り

そして

いつかテキストになるであろう「今」を大事にしたいと思う日もくる


(「おしゃべり階段」より)


ラストは何度読んでもジーンとくる。


漫画本ばかり読んでいる息子に,

「ちゃんとした本読みなさい」

と,言っているそんな母ちゃんも,漫画大好きなんだよ。ふふ