物欲大王

忘れないために。

辻仁成「まちがい」

2013年01月27日 17時35分52秒 | 読書、書評
経営者・芹沢秋声が友人で実業家の大吾に融資を頼む場面から物語が始まる。
融資は承諾されるが、ある条件を提示される。
それは、「妻と関係を持ってほしい」。つまり「浮気をしてくれ」との事。
聞けば、「浮気相手と結婚したいが、今のままでは離婚してくれないだろう。
だから、妻をたぶらかし、あらぬ関係になって別れやすくしてほしい」と言うのだ。
幸い(?)にも秋声は独身。渋々ながらも「会社のため」に大吾の妻「冬」に近づく。
2人が恋に落ちるのは早かった。都合が良すぎる展開で、こちらは嬉しい。
次第に本気になる秋声。会社を譲り「冬と一緒になる」と言い出した。
だがそこは小説。簡単にいかないものである。
今度は大吾が浮気相手に振られてしまう。
その結果、大吾が秋声に「冬と別れてくれ」と言い出した。
う~ん。自分勝手。
「考えてみたけど、やっぱり冬が良い。冬も俺のテクニックにメロメロのはず」
だそうだ。う~~ん。思い込みが激しい。
「いやいやいや、冬はもう秋声にメロメロのはず」とページを捲るとあれ?
冬さん、心が揺れ動いているではないか?あれ?あれ?
どうやら、夜の行為(SM)が普通ではなく、身体が忘れられないようで……
その辺りを詳しく書いて頂けたら嬉しかったのに。
で、その後の恋の行方はどうなるのか?といった内容。
展開が早く、昼ドラみたいで面白かった。

ネタバレになってしまうが、妻に「元の鞘に納まり、濃厚なSMシーンを描いてくれたら
面白かったのに」と言ったら、「それは男目線よ」とこっぴどく叱られました。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿