物欲大王

忘れないために。

新堂冬樹『砂漠の薔薇』

2006年01月31日 19時17分57秒 | 読書、書評
砂漠の薔薇

幻冬舎

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~~ごく普通のサラリーマンを夫に持つのぶ子は、娘・美涼の名門幼稚園受験に向け、幼なじみの十和子がリーダー的存在であるお受験ママ達のグループに加わる。だが、その付き合いは、周りから蔑みの対象とされ、十和子だけがよき理解者であるという屈辱的なものだった。そんなある日、陰湿ないじめを繰り返す仲間の一人、芳江の万引き現場を目撃したのぶ子は、彼女を受験競争から追い落とす計画を思いつく。それは、のぶ子を破滅へと導く序章となった……(本書帯より)~~

怖い。ホラー小説なみに怖い。

「お受験」合格に執念を燃やす6人の母親達。お互いの足を引っ張ろうと皆必死だ。

もはやそこにあるのは子供ではなく、己のプライドだけ。

繰り広げられる陰口、嫌味の描写がとても上手い。

なんとか平静を装っていた6人だが、ちょっとしたきっかけで狂気に変わりそれが大爆発。

受験に落ち、憎しみだけになった時の女の形相が、阿修羅の様に見えてきた。

改めて「女って怖いな~」と思った一冊である。

ドラマ化を期待する。
                               評価★★★★☆(5段階)

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