2014年11月22日放送 美の巨人たち(テレビ東京)
ホレス・ジョーンズ 「タワーブリッジ」
19世紀イギリス、ゴシック・リヴァイヴァル期の代表的な建築のひとつ《タワーブリッジ》。
石造りの外観は、一見すると中世風。
しかし、鉄筋が張り巡らされたその内部は、きわめて近代的である。
中世と近代の融合。
こうした折衷主義的な性格こそが、リヴァイヴァル期の建築の特徴であった。
テムズ川に掛かるこの巨大な跳ね橋は、建築家ホレス・ジョーンズの設計によって作られた。
着工されたのは1886年、完成したのは1894年のことであった。
当初の計画では、主たる建築材料として、赤レンガが使われる予定であったという。
もし、そのまま進められていたならば、このような外観になっていたかもしれない。
しかし、周りの景観、とくにロンドン塔との釣り合いを考慮した結果、荘重な石造りの建築が採択された。
そして、いまや、タワーブリッジは、ロンドンの象徴ともなった。
残念なのは、橋の設計にあたったホレス・ジョーンズが、この橋の完成をみずして世を去ったことである。
ちなみに・・・。
タワーブリッジの建築期間(1886-94)は、ちょうど、シャーロック・ホームズが活躍した時期にあたる。
コナン・ドイルの原作には、「タワーブリッジ」という固有名詞はみられない。
しかし、ホームズが目にしていなかったはずはない。
こうしたことを踏まえて物語が練り上げられたのが、2009年に公開された映画「シャーロック・ホームズ」であった。
物語のクライマックスにおいて、ホームズと犯人は、この橋の上で直接対決する。
当時はまだ建設中であったタワーブリッジが、画面の遠景に映っている。
最後に、跳ね橋関連で、ゴッホの絵を一枚。
'Le Pont de Langlois a Arles'
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