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ビートたけしの超訳ルーヴル (II)

2014-03-19 21:27:40 | 番組(その他)

2014年3月18日放送
開局60年特別番組(日本テレビ)
ビートたけしの超訳ルーヴル

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[続き]

昨日の記事に引き続き、日本テレビのルーヴル美術館特集について。
今回はビートたけし氏以外の出演者三名(大泉洋、井上真央、池上彰各氏)の担当された内容をまとめておきたい。

●大泉洋氏

取り上げられていたのは主に次の四点。

1. 《モナ・リザ》の購入録

もともとは王宮であったルーヴルが美術館として開館したのは1793年のこと。
しばらくの後、ナポレオンの命により、収蔵されている美術品がルーヴルへともたらされた経緯がまとめられた。

レオナルドをフランスに招いたのは時の王フランソワ一世
記録帳には《モナ・リザ》の購入者が彼であること、またそのときの購入金額などが書かれていた。

もっとも、番組内でも言われていたように、この購入録がつけられたのは《モナ・リザ》がフランスに渡ってきてから300年近くたっており、ゆえに金額の正確さについては鵜呑みできない。

2. 《死者の書》

2012年に森アーツセンターギャラリーで「大英博物館―古代エジプト展」が開かれた[下図参照]。
この展覧会の目玉が、《死者の書》であった。


古代エジプトの来世観が記されている《死者の書》。
死者と一緒に埋葬されたこの文書が書き上げられるまでには、非常に多くの労力と費用が要された。

3. 〈額縁〉コレクション

様々な専門家が働くルーヴル美術館。
〈額縁〉のエキスパートも存在する。

ルーヴルに限ったことではないのだろうが、美術館に持ち込まれる作品のなかには、異なる時代の額縁がつけられていることも少なくないという。
そこで、作品の描かれた時代に合った額縁を選び、カンヴァスを縁どるのが、〈額縁〉のエキスパートの仕事である。

番組内で扱われていたのは次の作品。
ゴシック期の画家チマブーエの《六人の天使に囲まれた荘厳な聖母》である[下図参照]。
専門家曰く、この絵が「額縁の歴史の始まり」であるという。


ちなみに、日本語で読める〈額縁〉に関する書籍には、たとえば以下の二点がある。

  
(画像をクリックするとそれぞれアマゾンへ)

4. 〈隠し扉〉

舞踏会で楽器を演奏する音楽家たちのための通路が紹介されていた。

華々しい回廊とは打って変わって地味な通り道。
まさに、〈ルーヴルの裏側〉である。

●井上真央氏

布施英利
氏とともに、作品に描かれている〈料理〉や〈動物〉などのモチーフに着目していくという内容。
彫刻をはじめとした立体作品も扱われていたが、ここでは絵画作品に絞ってまとめておく。

〈料理〉に関わる作品としては、ヴェロネーゼの《カナの婚礼》やローの《狩場の休息》が挙げられていた[下図参照]。
布施氏曰く、《カナの婚礼》に描かれている料理が意外にも質素なのは、「もともと修道院に飾る絵画だったため、贅沢は控えようという意図」とのこと。


(左:《カナの婚礼》/右:《狩場の休息》[画像はブリストル美術館(イギリス)に所蔵されている模写])

また〈動物〉関連の絵画としてはボワイの《ガブリエル・アルノーの肖像画》が紹介されていた[下図参照]。
当時、〈ネコ〉は貴族のステータスシンボルであった。


●池上彰氏

池上氏が紹介したのは二つの〈新たなルーヴル〉であった。

フランス北部の都市ランス
2012年、この地に開館したのが、ルーヴル美術館の分館にあたるルーヴル・ランスである。

設計したのは二人の日本人、妹島和世西沢立衛である。
SANAAというユニットを組む二人が建てたこの分館は、作品をジャンルごとにではなく時系列で並べて展示しているところにその特色がある。

〈時のギャラリー〉と呼ばれる、壁のない展示空間。
訪れた人たちは、芸術作品が時代ごとに移りゆくさまをまざまざと実感する。

ルーヴル・ランスという〈第二のルーヴル〉に引き続き、〈第三のルーヴル〉も建設中である。
場所はアブダビ(アラブ首長国連邦)、その名もルーヴル・アブダビである。

開館予定は2015年12月。
パリのルーヴルの直轄ではなく、あくまで〈ライセンス契約〉、つまりは名前貸しだ。
200~300点の美術品を10年ほどの周期で、ルーヴル美術館のみならず、オルセー美術館ポンピドゥー・センターからも借りることになるという。

この〈第三のルーヴル〉は、なんと海上に建設されるという。
景観はともかく、湿気の問題は大丈夫なのかという点が気になる。

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まとめとしてはこんなところである。

《サモトラケのニケ》の修復や〈第三のルーヴル〉など、今後のルーヴル美術館の展開が非常に気になる。


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