旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

サバンナへ行きたい

2019年02月12日 | 旅行一般
 私がとある旅行会社の新入社員だった頃の事でした。
 
 その旅行会社は格安航空券や個人手配旅行では結構がんばっていた旅行会社として人気のあった組織だっただけあって、手配依頼には一癖も二癖もある依頼が多かった..のかもしれません。働いている人たちも少しぶっ飛んだ人ばかりでとても良い経験をさせてもらったと同時に今でもとても愛着がある組織なのです。

 毎日の寄せられる問い合わせや手配依頼は当時はインターネットなどない時代なので電話がほとんど。今のようにメールで依頼が来てインターネットを使って調べて返答するなどという安易な事はできません。自分の知らない行き先への問い合わせであれば一旦電話を切って、調べて折り返すわけですが、新入社員とはいえこちらはプロなのであまりトンチンカンな受け答えもできません。

 そんなある日、たまたま受けた電話。問い合わせは”サバンナ行の航空券”。

 サバンナ?

 私の頭の中では子供の頃に”野生の王国”というテレビ番組で見たトムソンガゼルを追いかけるチーターの映像がよぎります。

 私:”どちらのサバンナでしょうか。”(私の心の中:ケニア?タンザニア?)

 お客様:”アメリカです。”
 
 私:(心の中:アメリカにもサバンナあるんだ!!)
 
 とはいえ、少しは経験を積んでいた私はすかさず
 
 ”何州のサバンナでしょうか。”
 
 と聞く事は忘れませんでした。

 答えはジョージア州

 お客様には時間をいただいて調べてみる事にしました。するとジョージア州にサバンナが広がっていて、チーターやトムソンガゼルがいるわけではなく、サバンナという町があり、日本からの直行便はさすがにないけれど空港はちゃんと存在。空港コードはSAVという事が判明。無事、折り返しの電話を入れて航空券の手配をさせていただいたのでした。

 その後、サバンナへの航空券手配は何度も依頼があって、それほどマイナーな町ではない事に私は気づかされたのでした。

 今、なぜかこのことを思い出してジョージア州サバンナを検索してみました。

 なんと、Wikipediaにも紹介されていますし、Visit Savannahという日本語サイトまで存在するではありませんか。

 サバンナへようこそ

 インターネットという情報源は素晴らしい。今であれば私は電話を折り返すこともなくまるでサバンナの事をよく知っている旅のプロのように電話口のお客様へサバンナの豆知識を披露してみせる事だってできたでしょう。

 そんな時代になったにもかかわらず、ここ数十年、サバンナへの航空券は手配したことがないというのもインターネットという情報源の特性なのだと感慨深く思った次第です。


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